工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

薪ストーブ、薪と灰と

薪ストーブ
先週は暖かい日も訪れたが、うって変わって昨日からの雨はとても冷たく身体を硬直させる。
あと一月ぐらいはこうして変調気味に推移しながら春分の日あたりにやってくるだろう春本番へと移行していく。三寒四温というわけだ。
工房裏の藪椿は次々と開花しているが野辺の菜の花の満開にはまだ早い。
工場ではまだまだ薪ストーブには活躍してもらわねばならない。
木工所の薪ストーブの燃料は端材、廃材で事足りるので、循環型のエネルギー活用方としては望ましい姿、大げさに言えばサスタナビリティー(持続可能性)な姿だと言えるだろう。
7、8年前にもなろうか。ダイオキシン問題が社会的に注目された頃のこと。
地域の自治会の寄り合いで、とにかく外で燃やすようなことは一切止めてもらいたい。焼却炉もダイオキシン対策が施されたものでなければNG。
薪ストーブ?、それもだめだ ! 、と論拠も示されることなく、お上からの下達だからというわけで少し慌てた。
材木のような素材の由来がはっきりした自然有機物の燃焼から、どの程度のダイオキシンを発生するのかはしかと確認したこともないのだが、農家が化学製品でできた農薬の袋などを畑で野焼きすることへの懸念と同列に論じられてしまっていることには、理解しろと言う方が無理。

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バンクーバー五輪の楽しみ方(Sustainability)

冬季五輪が始まった。
大いに盛り上がって欲しいとの思いとともに、このスポーツの大イベントを競技だけはなく、五輪そのもの、まるごとを考えるようなきっかけになれば良いなと考えている。
今回のテーマは、”With Glowing Hearts.”だそうだ。
スポーツそのものの快楽は五輪に限らず誰しもが純粋に、あるいは単純に体感できるものであって、これは自分で行うのも、観戦するのもそれぞれに楽しむことができるものだが、五輪ともなれば世界のトップアスリートらによって、またあらゆる競技で競われるので、そこにはまさに祭典としての快楽があるから格別だ。
ただこれが残念なことに国家間のメダル争いのようなものとして矮小化されたりすることに、どうしてもボクはなじめず、鼻白んでくることが屡々。(これまでの関連する記事、その1「スポーツの祭典の楽しみ方」、その2「北京五輪の憂鬱」、その3 「北京からの風」
今回の開催式も北京に負けずにど派手な演出で、相当の資金が投下されたことだろうと察せられるが、今大会までは、確か前IOC会長、サマランチが仕切ったものなのだが、実質的には次のロンドン五輪からジャック・ロゲ会長の指揮下で運営されるはずなので、様変わりする可能性がある。
そもそもアスリートらの伯仲した争いというものは国などと言う属性に無関係に大いに楽しめばよいのであって、その結果自身が帰属する共同体、地域、国の者が活躍すれば、自分のことのように喜び、拍手を送れば良いだろう。
さて、今回の開催都市はバンクーバーという北米カナダにある都市。
北海道、室蘭より緯度は高いそうだが、温暖化のせいなのか、比較的過ごしやすいようで、例えばこの静岡の御殿場ほどの気温なのだと言う。
競技ではボクはスピードスケート、男女のフィギヤスケート、なども楽しみだが、アルペン、皆川の滑りがどうかワクワク、ドキドキするね。
ところで関心が向くのが、このバンクーバーの先住民たちが、五輪開催に深く関わっているらしいとの話の方だ。(カナダ国内では「ファースト・ネーション」[First Nations]と呼称されるらしい)

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《We Are The World 25 Years for Haiti》リリース

We Are The World 25 Years for Haitiハイチ大地震からはや一月。数日前にも生存者が救出という報道があったばかりだが、まだまだ混乱が続くという現地。
本格的復興はまだ緒にも就いていないという状況だ。(REUTERS Haiti:One mouth on スライド
先に触れた(ハイチ、その後と〈We Are The World 25 Years for Haiti〉)ように、予定通りに昨日12日にビデオを含む楽曲がリリースされた。
曲:¥150 、ビデオ:¥300 購入はこちらから(iTunesが起動します)
収益金の全ては「We Are The World 基金へ寄付される。

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ジャコメッティ《歩く男》94億円で競売、落札

アルベルト・ジャコメッティの作品《歩く男I》が英サザビーズで競売に掛けられ、6500万ポンド(約94億円)で落札されたというニュースには驚いた。( REUTERS
REUTERSが伝えるこのニュースには無署名の写真が張り付いているが、これは《歩く男》の彫像とともに逆方向へと歩く姿勢の男性を構図の中に対比的に移し込んでいて、カメラマンの意図を強く感じさせる。
昨年末にStingの演奏に乗せてブレッソンとサルガドの写真の動画版(Youtube)を貼り付けた(美術展・2009回顧と、見逃せない企画)が、この中にもジャコメッティの1枚があったことは記憶にあるだろうか。
そうでなくとも有名な写真なので記憶にある人も少なくないだろう。(Henri cartier-bressonサイトの《歩く男》と並ぶアルベルト・ジャコメッティ
このジャコメッティの1枚に写っていたのが、競売対象の《歩く男I》と同じものであるかは不確かだが、ご覧のようにこの写真では作者その人が《歩く男》と共に前傾姿勢で歩むところがショットされている。無論これはブレッソン特有のの意識的な構図によるショットであるのは言うまでもない。
これが演出によるものか、ジャコメッティのアトリエ内での行動をつぶさに観察した上での見事なショットだったのかは不明だ。ただ二人は良い友人同士だったことは知られているので、そっちからこっちへ歩いてきてくれるかい、などと促したということも無くはないのかな。

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スカンジナビアン Workbenchの勧め

Workbench1
画像は椅子の座の調整をしているの図。
組み立て前に当然にも座板は座刳りから仕上げまであらかじめやっておくとしても、ロクロ脚の貫通ホゾとなると、あらためて突き出た角のカット、座刳り再調整が必要となる。
画像はこうしたプロセスの図だが、ここではご覧のように1本の脚の根本をワークベンチ、Tail Viceのアゴでしっかりと咥え、完全に固定されている。
したがって押挽ノコでのカット作業、その後の座刳り仕上げまでのプロセスは、あたかも座板だけを固定して削るかのような最良の作業環境の中で仕事に打ち込めるというわけだ(このハイスツールのような脚長のものでは座への作業アプローチは不安定きわまりないからね)。
作業台、Workbenchには様々なタイプがあるが、こうした利便性、機能性を提供してくれるものの中でも恐らくは最良のタイプだろう。

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ウィンザーはボーリングがキモ

脚部ちょっと不鮮明な撮影になってしまったが、ロクロ脚、貫通ホゾへの割クサビ用スリットの機械加工の様子。
ウィンザーチェアの加工の要諦の1つはボーリング(穴開け)だね。
座板、あるいは脚部、アーム、笠木などへの穴開けをいかに高精度に開けるかは基本的なポイント。
ほとんどボクはウィンザータイプの椅子は作らない。
でもたまにはそれらしきことはやる。
今回のものは「ちょこっとハイスツール」と名称された椅子(「暮らしの中の椅子展」入選)だが、脚部の加工順序を間違ってしまった。
加工順序というのは何によらず大切な要素だ。
様々なケースがあるが、うちでは加工を終えた後の仕上げ削りのプレ段階として、一通り水引きをして「超仕上鉋盤」を通す。
しかし例えば平角の一方を傾斜カットさせるとした場合、その状態では「超仕上鉋盤」は使えなくなるので、傾斜カットの前に「超仕上鉋盤」を掛けるというようなこともやる。
他にも様々なケースがあるが、それらは個別具体的に加工順番を考えねば合理的かつスムースに加工が進まなくなることは少なくない。
今回もロクロ脚への足掛け用の穴開けの前に、貫通ホゾへの割クサビ用スリットを付けておきべきだった。
何故なら、座板の繊維方向と直角の関係になるような方向へとスリットしなければならないので、その位置関係は注意を要する。
あらかじめスリットを入れてから、それを基準として穴開けする方が作業上よほどやりやすい。
めったにやらないウィンザータイプなので、これを間違ってしまったというわけだ。
結局、水準器を動員して、ホゾ穴に仮の貫を入れ、これに水準器を置いて、これと直角に空けることで事なきを得た。やれやれ。
(この小さな水準器は様々な加工工程ででよく使われる。小なれども精度において劣るものではない)

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ハイチ、その後と〈We Are The World 25 Years for Haiti〉

1月12日のハイチ地震による被害は日を追って明らかになりつつあるようだが、3日、ベルリーブ首相は大地震による死者が20万人を超えたと語った。
30万人が負傷し、4000人が手足を切断する重傷を負ったという。
当初の予測を超える被害となり、とても痛ましく思う。(REUTERS
このBlogでも触れたきたところだが、その後の救援体制も世界的規模で拡大しつつあり喜ばしく思うが、そこでも触れておいた〈We Are The World 25 Years for Haiti〉が1日、ハリウッドのスタジオで再録された。
ちょうどグラミー賞授賞式が開催されるということで多くのミュージシャンが集うというタイミングの良さだったからね。
Youtubeでは関連するいくつもの動画が上げられているが、まだ正式なものは公開されていない。
12日、バンクーバー五輪が開催されるが、この中で発表されるらしい。
今日は、1985年の「USAフォー・アフリカ」として集い〈We Are The World〉を呼びかけ、また今回もプロデューサーとコンダクターを執ったクインシー・ジョーンズとともにこれを作曲をするなどの中心的人物だった、今は亡きマイケル・ジャクソンをフューチャリングしたバージョンが、ハイチ現地の画像を背景としたものとして上げられていたので、これを貼り付けてみよう。
彼はUNICEFへの支援を一貫して行ってきたセレブの一人だったが、亡き後も(遺族が管理しているのかな)継続して行っているようで、このビデオもその一貫なのだろう。

なお、〈We Are The World 25 Years for Haiti〉の12日の一斉リリースはiTunesでも扱われるようになると思うが、これらの収益はすべてハイチ支援へと向けられる。
ぜひ購入してやって欲しい。

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iPhone クラッシュと復元

昨夜は就寝がめちゃ遅くなってしまった。おかげで今朝はバッドコンディション (~0~)
iPhoneのOSがアップデートされ、これをインストールしようとしてつまづいた結果。
iPhone 3G → iTunes でアップデート、インストールするのだが、途中でiPhone がクラッシュ。
エラーメッセージは「復元」しろとのこと。
一般に「復元」とは購入時に戻すことと同義。
こんなことは初めてだったのでAppleサポートページで検索。
iPhone詳細なガイドがあり、これを参考にするが巧くいかない。
理由はBackupファイルがこのクラッシュした状態のものに書き換えられてしまっていたようだ。
当然にも中身は「設定」項目などは空っぽ。
購入したアプリだけが反映された状態。メールアカウントも履歴も、何も無し。
慌てたね、最初は。
あまりに遅くなってしまい翌日に支障をきたしそうで、諦め。
翌、今日のお昼に再チャレンジ。
以下のようは内容で無事回復させる。

  1. まず別のMacでともかくも「復元」(= この場合は初期化に近い)
  2. Mac母艦の方のiPhone Backupファイルを復元させる
    (Time Machineから、対象ファイル → Mac:~/ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup/ を探しだし、これを数日前の保存ファイルと入れ替え)
  3. iTunes環境設定の「デバイス」タブの「自動的に同期しない」にチェックをいれ
  4. iPhoneとiTunesを接続。
  5. iTunes で、iPhoneデバイスを選択、右クリックで「バックアップファイルから復元」を選択、実行。

これで以前の状態に戻るのだが、この最後のプロセスがどうも上手くいったり、そうではなかったり、と分かりにくい。
最初は同じようにやっても改善せず、3度目で何とか以前の状態に復元。
「自動的に同期しない」にチェックをいれても、「同期」が強制的にはじまってしまう、といったこととか、右クリックしても最初は「バックアップファイルから復元」が選択実行できなかったりと、戸惑うことが多い。
諦めずに何度もチャレンジすることが重要、ということですか。教訓その1ですな。
それと、Macの場合、サポートページで解決しない時には「ディスカッション」で対象項目からヒントを探し出すことができる場合も多い。
もちろん、これで解決しなければ、ログインし自ら質問を上げることも良いだろう。
時間帯にもよるが数時間後には多くのMacユーザーから暖かい手がさしのべられる。
iPhone 3Gは既に購入後3ヶ月間という電話サポート無料期間を過ぎているので、Appleカスタマーには電話できない。
しかしこの「ディスカッション」での議論、あるいは質問はとても勉強になる。
「質問」をテキストとして整理しアップするという行為そのものが、自身が抱える問題点をより明確化させるということでもあるわけだしね。
ま、あまり怖がらずにIT社会と付き合っていくこと。
いずれにしても、Mac運用の方々は「Time Machine」の活用は必須。
何があっても恐れることなどなかんべ。
暇つぶし >>
復元の喜びも束の間、朝青龍の引退報道で脱力しちゃった。
寄ってたかってのメディアスクラム(執拗な集団的過熱取材)と、劣情の赴くままの集団リンチに近いパッシング。
これが角界最高位まで登り詰めた力士への所業なの?
このような悔しい引退に追いやられたものの、朝青龍は大相撲の歴史に刻まれるだろう。
一方の、感情を爆発させるように彼を貶めつづけた内▲や、や○も果たしてどれだけ我々の記憶に留まれる「品格」者であるのだろうか。
力士に求められるのは「品格」以前の勝負の世界における角力としての強さの方ではなかったのか。
立春とはいえ寒さの厳しかったこの日、背筋に悪寒が走ったのは気象のせいだけではないように思った。
この国、ちょっとやばいっすよ。
ドスコイ !

鉋依存はドグマ?(例えば、座刳り)

座刳り1
無垢の板材で椅子の座を作る場合に苦労するのが「座刳り」だが、その切削手法は様々。
ボクの場合は加工プロセスの8割ほどを手鉋に依存している。
手鉋など使わずにやってしまう人も少なくないのかも知れない。
フィニッシュで望むべき加工精度、切削肌が出せれば、畢竟その手法は何でも構わないとボクは思っている。
鉋での切削だから上級、高度だなどとは決して思わないことだ。
ではなぜボクが手鉋でシコシコと削るのかといえば、こうしたプロセスに木工の真髄を対象化させ、ストイックに構えているからだ、などと言いたいところだが、実は残念だがそうでもない。
つまるところ、手鉋による加工の方が、良い切削肌が容易に求められるからなのである。
確かに手鉋での切削は過酷な労働であり、腰や、肩への負担は想像を超えるものがある。
しかし、恐らくはいかに3次元のNCルーターでの倣い切削で高精度に削れるからと言って、パーフェクトには成型できるものではない。結局はその残された工程は手鉋での切削が良いに決まっている。
これはしかし座刳りという特殊な加工工程だけに言えることではなく、切削加工一般に敷衍できるものだと思う。
少し噛み砕いて話してみよう。

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iPad とは一体何なの?

iPadステージ上には小さなテーブルと、ル・コルビュジェ(+ ピエール・ジャンヌレ + シャルロット・ペリアン)デザインによる「Grand Confort」(LC2)1つだけの設え。(12
この「座るための機械」の如くの名作椅子に脚を組み、ゆったりとした姿勢でくつろぐスティーブ・ジョブズ氏が手にするのが「iPad」
まさにリビングでくつろぎの時間にマガジンを開くが如く……。
噂通り、米国時間1月27日、Apple社のスペシャルイベントで新しいタブレット型のデバイスが発表された。
スティーブ・ジョブズ氏のキーノートスピーチを観ての感想としては、確かに革新的なデバイスと見たのだが、果たしてiPhoneの世界的ブレークに次ぐヒットになるのだろうか。
市場(株価)の評価もまずまずのようだし、Apple社にとっては慶事であるのかもしれないが、ボクのようなコンシューマー領域のユーザーとしてはこのデバイズをどのようなポジションに位置づければ良いのか、まだよく分からない、というのが正直なところかな。
確かにiPadはコンピューターの世界を変えていくほどのインパクトを持つものであるかもしれないとの高い評価を与えているところも少なくないし、いやいやコンピューター世界の革新にとどまらず、書籍、雑誌などのコンテンツ産業の流通形態をも変革していく、とその影響の大きさを指摘する人も多い。
iPodが音楽鑑賞の環境を大きく変え、音楽コンテンツ流通形態を大きく変えてしまったように、である。
少し具体的に見ていこう。

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