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映画〈レオニー〉

レオニー

映画〈レオニー Leonie〉

映画〈レオニー〉が今月下旬に封切りされる。

“宿命の越境者”、イサム・ノグチの母親レオニー・ギルモアの物語である。
劇場のスクリーンの前に座ってから語るべき事があればあらためてこちらでも触れてみたいと思うが、このBlogのアフィリエイトに映画の原案にされたドウス昌代氏による『イサム・ノグチ―宿命の越境者』が収められていることもあり、あらかじめ簡単に紹介しておきたいと思う。

10億円を超える製作費用を前にして、怯むことなくメガフォンを取ったインディペンデンスの監督、松井久子が映画化の思いを密かに胸に抱いたのが、牟礼のイサム・ノグチのアトリエ跡地の庭園美術館であったことを聞くと、ちょうど1年前に同じ地に立ち、そのムンズと心臓を捕まれるような静かな中にももほとばしる熱いエネルギーを思い起こせば、彼女の強い決意を共有せずにはおかない。

監督はドウス昌代氏より映画化権を取得するするのも容易ではなかったようだが、本(脚本)が原案とどのようにクロスするのかは関心事の1つとなる。
しかしやはり何と言ってもこの日米の国境を超えての奔走でクランクアップに漕ぎ着けた松井久子監督の注ぎ込んだ情熱、あえて言わせていただければ、芸術家であり、コスモポリタンとして生涯を生き抜いたイサム・ノグチが発するパッション、そしてこの希有な世界的芸術家を産み落とし、苦難の人生を歩んだレオニーの生涯にいざなわれるままでの制作活動、そしてそれを支えた多くのスタッフ、ファンの熱い思いに触れてみたいと思う。

昨今の多くの映画では、莫大な製作費用を掛けての大作が当たり前となっているが、そのほとんどは大手資本からの資金を得てのものであるのに対し、彼女はこれまで同様にあくまでもインディペンデントとしての姿勢で貫いたがゆえの苦難であったと同時にまた、あらかじめ成功を約束された大作映画とは異なる、夢と情熱と、映画という表現媒体が持つ本来の祝祭的空間がそこにあるのではとの期待も高まってくる。

公開は11月20日から。

映画〈レオニー〉[Leonie]
監督・製作・脚本: 松井久子
原案: ドウス昌代『イサム・ノグチ〜宿命の越境者』(講談社刊)
製作国: 2010年日本・アメリカ合作映画
製作:レオニーパートナーズ合同会社
配給: 角川映画
キャスト:エミリー・モーティマー、中村獅童、原田美枝子、竹下景子、勅使川原三郎、中村雅俊、吉行和子
あいち国際女性映画際2010 観客賞受賞
第23回東京国際映画祭 特別招待作品
公式サイト:http://www.leoniethemovie.com/

したがって今週のYouTube、この〈レオニー〉の予告編を。
YouTube、このところ漏洩された6本のコンテンツの視聴でサーバーもお疲れモードかもしれないので、少し動きが鈍いかも知れないね。
イサム・ノグチの父親役、中村獅童がどんな役者かは分からないがエミリーと、勅使川原三郎には期待しよう。

なおYouTUbeには〈レオニー〉の特設ページがある(こちら
スタッフ、キャストのインタビューが楽しめる

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