工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

年初の悩ましさは、酒とともにユルユルと・・・

今年の仕事始めは暦の関係上いやに早くやってきたね。
ボクも同様に4日には“とりあえず”工房に入った。
とは言っても道具の仕立てやらで終始しただけだったのだが、正月ボケが覚めやらぬ惚け状態のところにいきなり遠方より打ち合わせの電話が飛び込み、そして翌々日には出張となった。
業務上の会議の出張ではあっても、せっかくの旅路。その指定された地域に住む知人、友人らとと急遽新年会などの予定を入れる。
同時に欠かせなかったのがAppleストアのGenius Barでの対面サポート。
実は晦日あたりからメインのマシン、PowerMac G5が絶不調に陥っていた。
起動中、操作の有無に関係なくシャットダウン、あるいはフリーズ。
Mac OS Xを導入して以降、こうしたトラブルは初めてのこと。
Apple Webサイト、対象マシンのディスカッションページで検索すればいろいろと報告がある。
やはり間違いなく電源周りのトラブルであるようだ。
SMUリセット、PRAMクリアなど何度か試みて、改善の様子も見られはしたが、残念ながらその不具合は修復へとは向かわなかった。
AppleProtectorPranの期限も遙か昔に過ぎ去り、自力でのトラブル解明 → メーカー修理、あるいは更新の判断を迫られることに。
そんな時、Appeストアのジーニアスバー訪問は適切なアドバイスに触れる絶好のチャンス。

PMG5

メープル合板で作られた簡素でスタイリッシュなGenius Barのカウンター。
待たされることもなく信頼のおけそうなボスが対応してくれたが、懇切丁寧、かつ的確なアドバイスに触れることができた。

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2010年のはじめにあたり

月夜
2010年のはじまりだね。
ミレニアムと騒がれた10年前のような盛り上がりに欠けるのは、ただ1,000年という単位と、10年の単位の桁の違いによるものだけではないだろうね。
経済不況ということに止まらず、未来という希望を安易に語ることのできない空気のようなものにがんじがらめにされている状況がそうさせているのでは。
しかしこの10年間というのは実に様々なことが起き、短くはないボクの人生の中でも特筆すべきことが目白押し。
地下鉄サリン事件は1995年だったが、9/11WTC、リーマンショック、政権交代と、戦後の枠組みが問われ続けた10年、いや百数十年間に渡る近代以降の歴史という長いスパンでのエポックな出来事が相次いだ10年間だったとも言えるのでは。
さて、2010年が明けたが、これからもこのBlog運営は続けていくことになるだろうと思う。
柄にもなくあらためてこのことについて考えてみた。

icon.ume

このところ様々な雑誌メディアが休刊、廃刊が相次いでいることは周知の通り。

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初 春

新年カード

シルバーチェスト

雪が舞う大晦日の工房より(年越しにあたり)

今朝は驚かされた。
この温暖で知られる静岡の平地に雪が舞った。
“舞った”、という程度で積雪に及ぶものではなく、カメラを出す暇もなく止んでしまったのだったが。
ともかく青く澄み切った空が、一瞬にして雪をもたらす特有の雲に覆い尽くされる寒い一日だった。
大晦日、日が高いうちにお餅などの買い出しに出た時に出会ったサプライズの気象だった。
そこは比較的最近になって見つけたお店。

数ヶ月前から体調整えるために往復20Kmほど自転車走行することを日課にし始めたのだが、その行程で見つけた店舗。
もっぱら地域の農家、ハム製造工房、豆腐屋、仕出しや、などからのものを取り扱う。
したがってその朝に収穫したもの、あるいは製造したものが入手できるというわけだ。
いかに大手のスーパーマーケットの流通システムから抜け出るかが、ボクの1つの課題。

例えば、冬定番の白菜漬け。
この白菜の流通だがこの辺りのスーパーではI県からのものがほとんど全て。
そう、あの放射能漏れ事故のあった地域。
科学的根拠を示せるわけではないが、そこで産する気持ち悪いものは口にしたくないのが人情。
地元の鮮度の高い野菜の漬け物は、漬け込む前に太陽の日射しをたっぷりと受けさせてから漬け込むが、水の上がりも早く、シャリシャリとした食感、旨み、甘さが引き立ち、この時季の食卓に欠かせない。

お店の人にその日のサプライズを聞き出したり、納品にやってくる農夫に調理法を訊ねたり、あるいは他の客と情報交換したりと、会話も弾む。
全てに於いて買い物という欲望本来の楽しみがそこにはある。

雪だるま

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Webサイトのメンテナンス

Webサイト
このBlogもさほど活発な運用とは言えないけれど、Webサイト「木工家具の工房 悠」の方はBlogにかまけて捨て置かれている、という実態はまことにに本末転倒な所業で困ったものだ。
そんなわけで、年も改められるこの時期、少しだけ更新あるいは見直したりと、メンテナンスに勤しんでみた。
とりあえず [Gallery] の新規更新、および画像の差し替えなどを行った。
以下のようである。
更新

画像データ増強

[Gallery] では他ページでも画像の見直しなど行っている。
今は師走で忙しいでしょうから、年明けのお暇なときにでもざっくりとご覧頂ければありがたい。

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《木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン》

ファサード
本年最後となった一昨日25日の上京だったが、山手線ターミナル周囲ははどこもごった返すほどの盛況を見せていた。
駅構内での声を嗄らして前日(クリスマスイヴ)売れ残ったケーキをたたき売りする特設カウンターの売り子たちの印象が強かったせいもあるが、どこが不況なんじゃい、と苦笑しながら人並みを掻き分け掻き分けての移動だった。
雑誌編集者、デザイナーなどを交えた忘年会を兼ねた上京だが、朝10時頃には都内に入り、いくつかのアートスペースなどを覗いたりしつつ、「東京都写真美術館」ではたっぷりと観覧。
ボクにとってはさほど頻繁に訪れるところではないが、写真、映像を専門とする特異な美術館は関係者にとっては貴重な聖地なのだろうと思う。
恐らく世界規模で考えても、めずらしい施設ではないだろうか。
1Fホールには「恵比寿ガーデンシネマ」という映画館もあり、何度か利用させてもらっている。(「セントラル・ステーション」「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」「クジラの島の少女」「息子のまなざし」「善き人のためのソナタ」「カポーティ」「鏡の女たち」などか ?)
設立が1990年(現在の場所へ移設したのが1995年)ということを考えれば、いわばバブルに明け暮れた時代の所産と言えなくもないが、今にしてみれば良いものを残してくれたものだと思う。現今の経済事情では、こんな施設は構想すら憚られるだろうからね。
いくつかの写真展が掛かっていたが、観たのは《木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし》

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Merry Christmas !!

昨年はカッチーニのアベ マリアをギター伴奏によるスラヴァでお贈りしたが、今年は「Sumi Jo」で。
カラヤンに見出された天性の美声
モーツアルトからロマン派の楽曲も見事に歌いこなすが、最近では古楽器とのジョイントも多いようで、Cacciniのアベ・マリアも自家薬籠中といった感じですばらしい。
Sumi Jo 『Caccini Ave Maria』

せめて今夜だけでも神の恵みが均しく世界へと届けられることを願いたいものだが、しかしこんな物言いなどは、幼い子どもにさえ戯れ言と笑われてしまうだろうね。
世界の圧倒的とも言える非対称な現代社会に思いを致し、そこに至った原因を考えることは大事だし、一方で Merry Christmas !!と、家族の幸せ、共同体の繁栄、世界の平和を祝うことも決して矛盾するものではないと思いたい。
しかしやはり、そうした支配と搾取による非対称な世界をもたらした近代社会からこっちまで牽引してきた勢力、あるいはその世界観の代表的なものがキリスト教であり、キリスト教文化圏であったことにブチ当たってしまうということも確か。
今やクリスマスも商業的なイベントとしてちゃらちゃらと楽しめば良いのだという社会的許容も深まっているが、そうしたものとは隔絶したところで敬虔な信者によるミサも行われているというのがこの世界の広さ、豊かさである。
例えば昨年、クリスマスミサが執り行われた数日後、27日にイスラエル軍によるガザへの地上侵攻と空爆があった。ガザ紛争と言われる無差別武力攻撃である。
1月18日までの22日間にわたる戦闘は「パレスチナ側では民間人を含む1300人以上が死亡・殺害された。犠牲者の大多数は一般市民であり、特に死傷者の1/3は子供で、未成年の被害者が特段に多い紛争となった」(wiki)
このイスラエルの最大のスポンサーはどこあろう、ピューリタンが作った国、アメリカだ。
* 参照
◆ 「アムネスティ・インターナショナル日本」では「ガザ攻撃から1年 パレスチナに生命の光を!」というアクションプログラムを準備している。(こちら
◆ また、イスラエル・パレスチナ問題へのアプローチとして、本年度のアカデミー外国語映画賞にノミネートされた話題作《戦場でワルツを》(WALTZ WITH BASHIR)はお薦め。
国内劇場で公開中。
◆ Sumi Jo 公式サイト

めったに使われない鉋

今日は冬至。湯ぶねにゆずを浮かべたり小豆がゆやカボチャを食べたりするよね。
ボクは日を置かずカボチャを食べているので、あらためて、ということにはならないけれど。
キリスト教文化圏でも冬至祭というものがあるようで、世界規模の習俗なんだね。
こうして二十四節気の中でも冬至は季節の移ろいを格別に喚起させるもののようであるが、しかし本格的な寒さはこれから。
いわば冬至は冬の入り口で、この後、小寒 → 大寒(01/20頃)へと厳しくなっていく。
ぜひ寒さに負けずに立春を迎えていただきたいと思う。
既にA[H1N1](豚インフルエンザ = 新型インフルエンザ)罹患はピークを超えつつあるようだし(IDSC:1、およびIDSC:2)、これからの時期、懸念されている季節性のインフルエンザの罹患報告の方は、何と激減しているとの報が出てきている。(NHK
これは国内だけではなく、米国、豪州などでも同様の傾向という。
しかし予防を怠らず、忙しい師走を乗り切りたいものだ

鉋イラスト

さて、ここから本題。
めったに使われないものだけれども、ないと困る道具というのもたくさんある。
この攻鉋(せめかんな)もそうしたものの1つ。

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BOSCHのLEDバッテリーライトは使える

LEDライト

昨日来の伊豆東方沖地震では、多くの知人、友人から電話、メールなどで見舞をいただく。
当地でも確かに震度1〜3ほどの揺れを感じたところあったようだが、我が家(=工房)周囲ではほとんどといって揺れを感じることはなかった。
この8月の東名高速道を崩壊させた「静岡沖地震」の時は、さすがに大きな揺れがあり快眠を妨げられ慌てふためいた。(2009年8月11日午前5時07分)
飛び起きてまず気付いたのが停電。最初の行動は懐中電灯を手に取ることからだった。
MINIマグライト(LED)が比較的寝床の近くに置いてあったのでその後の対応に困るということはなかった。(画像、黒く細いボデー)
一家に1台、2台と持っておきたいのが懐中電灯だが、最近ではもっぱらLED(発光ダイオード)のものが一般化してきているようだ。
今日も妻が自転車を更新したいというので、まずはネットで調べ上げ、然るべく資料を取りそろえ、自転車屋へと出向いたのだが、ヘッドライト、バックライトはほとんどがLED仕様となっていた。ハブダイナモ式のオートライトという奴だが、かなり普及してきているらしい。
ペダルへの負荷などほとんど感じさせず(省電力)、かつ高輝度で明るい。
あるいは更新される交通信号機なども、もっぱらこのLEDに切り替わりつつあるようだ。
日中でも輝度が高いので視認性が高く、より安全だ。
まだまだ‥‥、ボクのMacBook Airの液晶ディスプレーのバックライトもLEDだし、最近更新されたiMacも同様。
コントラストが取れ、明るくてありがたい。システム環境設定で輝度を半分ほどに絞らないと目に悪いほどだ。
さてところで、日亜化学の株価はどうなっている?
この日亜化学と特許を巡って200億円を争った青色発光ダイオード発明者のプロフェッサー中村修二氏はノーベル受賞者候補ってホント?
最近では住宅内で用いられる電灯を、このLEDランプへ、という話題も出るなど、ことほど左様にLED話題は尽きないのであるが、
LED

さて冗長な前振りになってしまい申し訳なく思うのだが、今日の話題は懐中電灯のLED化。

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メディアなどから見るJames Krenov氏の訃報(続々々)

JK没後三月と少し。

1981年にスウェーデンから居を移したC/R(College of the Redwoods)があるFort Braggの冬はどのようであろうか。

さてその後久々にWeb上でJK関連情報を漁ってみると、いくつかの重要と思われる情報が上げられていた。

1つは「Video of the Memorial」
Video of the Memorial《Memorial: James Krenov – October 31, 2009》というビデオが公開されていた。(こちらから)
10月末日(没後7週目・JK氏の誕生日に当たる)に行われた「クレノフを偲ぶ会」といった趣向の集いをビデオ収録したもの。

最前列には奥さまのMrs.ブリッタ、娘さんのティナ、ご長女?お孫さん?などご遺族の姿が見える。
ご覧のように印象的なのが、Mrs.ブリッタのこぼれんばかりの笑顔のステキなこと。

パリでの出会いから始まった長年にわたるJKとの随伴。そしてこの地で見事に見送ったことからくる安堵からか、スピーチの方々からの哀惜の言葉がもたらす充足感からか、良い相貌を見せている。

C/R、Fine Woodworking ProgramをJKとともに支えてきたスタッフ、そして生徒たちによるスピーチの数々。

近況をよく知る立場の人に言わせれば、最期の数年はかなり過激な爺さんになり周囲を戸惑わせた、ということだったようだが、そうしたことも含め近親者からのスピーチは、JKの人と‘なり’を知るのに良いビデオになるだろう。(言葉の壁を越えねばならないので簡単ではないのはボクも同様だが)
この日は黒い愛猫が寝そべるのではなく花が飾られていたようだが、演台代わりにされていたのは長年JKが使用してきたワークベンチなのだろう。

なお、このビデオの紹介とともにC/R・Fine Furnitureサイトでは、JKに関する情報が簡潔に整理されているので、関心のある方々はアクセスされたい。(James Krenov October 31, 1920–September 9, 2009

以下に再掲する。
Krenov Cabinets on Display
C/R時代に制作されたものと思われるキャビネットの数々が収められてる

A biography
そのまま

Students remember
弟子(C/R生徒)の方々からのメモリアル

A collection of quotes from the class of 1993.
Collected by members of the class of ’93
137の片言隻句を集めたもののよう
英語力の問題からか、良く分からないものもいくつかあるが、含蓄を感じさせるものも少なくない。

* その他の関連情報サイト
「James Krenov Remembered: Memorial for World-Renowned Woodworker in Fort Bragg」
Fort Bragg 地元の情報誌サイト、といったところか?

* C/Rの“姉妹校”サイト(British Columbia)「Inside Passage School of Fine Woodworking」も必見

Inside Passage
なお、先に(「メディアなどから見るJames Krenov氏の訃報」(続 )で紹介したOscar Fitzgerald氏による2004年の長時間のインタビュー記事(スミソニアン博物館・ Archives of American Art, Smithsonian Institution、所収・「Oral history interview with James Krenov, 2004 Aug. 12-13」)だが、JK著『A Cabinetmaker’s notebook』の翻訳本『木の家具制作 おぼえがき』を著した三ツ橋修平 氏により訳出され、公開されているのでご案内しておこう。

■ 「K Factory」(小山 亨 氏)→ こちら

■ 「Ryohei’s Woodworking」(宮本家具工房)→ こちら

* 関連エントリ記事
James Krenov氏、訃報(追記あり 09/11)
メディアなどから見るJames Krenov氏の訃報 (09/14)
メディアなどから見るJames Krenov氏の訃報(続 09/21)
メディアなどから見るJames Krenov氏の訃報(続々 10/09)