工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

アジサイ 2題

ガクアジサイ1
晴れになるとの今日のお天気の予報は1/3ほどの精度だった。
晴れ間が覗いたのはお昼過ぎの一時期。
管理不十分で反張してしまった板は、いつもやるように膨らんだ方向へ太陽光線の恵みを受けさせ反りを正そうとしたのだが、間もなく頼みの太陽は厚い雲の中に隠れてしまう。
梅雨であればこうしたお天気の気まぐれも受け入れるしかないじゃないですか。
毎年のようにupする我が庭のアジサイ(ガクアジサイ)も5分咲き。
ガクアジサイ2下は先日お邪魔した顧客の庭に咲いていた小さなヤマジサイ。顧客夫人同様かわいらしくて綺麗だ。
週末、名古屋のイベントで連夜の酒席のためか、体調いささかすぐれず、仕事も少し早じまい。
そこへ友人の木工家が訪ねてきて先の「暮らしの中の木の椅子展」図録を手に、コンペ結果への批評などでしばしやりとり。
話しは椅子のデザイン、品質、および市場性から見た検証と、コンペ結果との齟齬におよぶ。

「木工家ウィーク 2008・NAGOYA 記念フォーラム」に参加して

フォーラム
本Blogをスタートさせて間もない頃であったと記憶しているが、2005年名古屋丸善ギャラリーでのChairs展(谷進一郎、高橋三太郎、村上冨朗、デニス・ヤング各氏)での出展作家とボクを含む木工家の交流はこの6月初旬の「木工家ウィーク2008NAGOYA」の一連の企画となって、まずは成功裏に結実し、次への展望を切り開く礎として確認されたことはとても喜ばしく思う。
企画に少し関わった者として、まずは簡単ながら報告しておきたい。
本企画は名古屋栄地区のいくつかの会場において木工家具を中心とする複数の展覧会が同時期に設定され、相互に連携し、相乗効果をもたらすことを想定してのものであったが、企画者の思惑を超えるところで地域的拡がりを持つ木工家、および関連する様々な各界各層に波紋をおよぼしつつ、決して1つの思いに収斂するものではなかったものの、しかし木工への熱い思いを託すにふさわしい成果をもたらしたと言えるだろう。
先に本件企画へ向けての個人的な思いを本Blogで晒し(「木工家ウィーク 2008・NAGOYA」へのご参加を)、また公式Webサイトにおいてもメッセージとして表白させてもらった(木工へ)ので、その意味付けについては繰り返しは避けたいと思うのだが、収斂されずとも様々に交錯する思いというものは、ただ1つ「木工への志し」として集約され、共通の意志として確認されたことの意味は少なくないものがあるだろう。

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バウハウス展(東京芸術大学・美術館)

上野の森
きのうの都心も梅雨の中だった。
新幹線車窓からは相模川を渡る辺りから雨も強くなっていた。
六本木で所用を済ませ、午後早い時間帯に上野公園口に出る頃には雨も止んでいた。
JR上野駅、上野公園口から南北に縦断する東京芸大美術館の上野の森の往復は、まとわりつく湿った大気も、むしろ開放的な広大な緑の公園での散策で気持ちよく感じさせてくれる。
その後、新宿へと移動し、軽めの遅い昼食をとり外へ出れば副都心の超高層ビル群は雨で煙っていた。
上野の森、東京芸大美術館では「バウハウス・デッサウ展/BAUHAUS experience, dessau」が開催中。
これだけの規模で展観するのは、セゾン美術館での「バウハウス1919-1933展」(1995)以来だそうで、またバウハウス・デッサウ財団所蔵のコレクションをかなりの規模で借り出して展示されるのは、世界初のことだという。

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iPhone、上陸近し?(SoftBank Mobile発表)

ボクのケータイ、現機種は使い始めて早50ヶ月に届こうとする、旧型infobar「杏仁豆腐」、やっと更新できるかも、と期待していた来週初めのApple社WWDC(Worldwide Developer Conference)での iPhoneの国内キャリアとの契約発表への期待だったが、今日のソフトバンクの発表によれば、「‥‥今年中に日本国内において「iPhone」を発売することにつきまして、アップル社と契約を締結した‥‥」とのこと。(AFP BB News
テキストにしてたった2行のプレスリリース
「今年中に‥‥」??、さらに先延ばしされそう?
だが待てよ、今年中とは2008年12月31日までのいずれかの日ということであり、したがって06/09(日本時間では06/10)も今年中の範疇に入るということでは変わるものではないよね。
フム‥‥、
SoftBank Mobileということは想定の範囲だが、ただ判りにくいのはdocomoの広報によれば「弊社も期待していただけに、残念な結果だ。弊社でも導入できるように検討していきたい」というコメントを出しているとのことだが、SoftBank Mobileの独占的な契約ということでもなく、いずれは複数のキャリアに提供される可能性を含む、ということなのかもしれない。
06/09のWWDCでは3G対応のiPhoneが発表されるとの噂がまことしやかに語られているようで、これは日本国内での無線規格に対応してくる事を意味し、残るはApple社の厳しい契約条件をどのキャリアが飲むのか、ということに問題は絞られていた。
まずはSoftBank Mobileに、その未来が託されたということになったわけだが、経済界、IT業界ではこれでSoftBank Mobileはどの程度にシェアを伸ばすか、というのがもっぱらの関心事のようだ。
昨年来、机の上にiPhone貯金箱を置き、せっせと500円玉を入れてきたので、ぎっしりと重くなっている。
ぜひお金が腐る前に、あるいは貯金箱からあふれる前に、いやいや、ボクのinfobar、裏ぶたがはずれかけてきちゃってるし〜。
ジョブズさん、孫さん、お願いしますよ  ≦(._.)≧

ランバーコア、補記

ランバーコア
ランバーコアというものも様々あるようで、昨日取り上げたものは拡大画像のように、芯材に直接単板を接着したものとなっているが、むしろ一般には単板ではなく、薄い普通合板が接着してあったり、あるいはその上から突き板を接着したものが多いようだ。
よく見かけるシナランバーなどはこれ。
昨日触れた、経年変化による凸凹もこのような普通合板が貼ってあれば、その影響も少なくなると言うもの。
しかしやはりより自然木に近いもの、という要望に応えようとすれば、合板を用いない、ダイレクトな単板接着に魅力があると言えるだろう。
そのためには昨日のタイトルのように、より高品質な芯材を探してこなければらない。
ところでこうした木質合板については、我々高品質な木工家具を制作している立場からどのように捉えるかは、木工に対する考え方でかなり位相が異なっているだろうと思う。
ボクは昨日から記述しているように、むしろ積極的に使っていったほうが良いという考えかたに立つ。
これは本格的に木工に取り組むことになって比較的早い段階でドイツの技法書「Der Mobelba/Fritz Spannagelu」に触れたり、あるいはカール・マルムステンのスタイルを卒業生M氏を通して知ることが大きなきっかけだった。
「Der Mobelba/Fritz Spannagelu」で紹介されている制作概念図などはその多くがランバーコアを用いている。
何でもかんでも無垢でありさえすれば良い、高級だ、なんていうドグマ、嘘っぱちから解き放たれて、いかに高品質な木製家具を作るかは、その素材だけではない、デザイン、精緻な造り、オリジナリティーなど、様々な要素がそれぞれ高いレベルでの調和が取れた状態が重要なのだろう。
したがってそれを叶えるためには、時にはランバーコアでしかできない手法を取ることをためらわない、という柔軟な姿勢を取りたいものだ。
さらには木材資源の供給不足という非可逆的な時代状況を考えれば、ボクが用いる銘木の類は、ばんばか伐採して、ふんだんに用い無垢でござい、とばかりにふんぞり返っている時代は過去のものであり、今後も同様に持続できるなどとはゆめゆめ考えない方が良いのかもしれない。
時にはキャビネットなどには積極的にこのランバーコアなども取り込み、より高品質で、美しいもので世に問いたいものだ。

ランバーコアは良い品質のものを

ランバーコア1
ランバーコアは木質材として分類すると、JAS規格では〔心材特殊合板〕と称されようなのだが、一般的なイメージにおける合板という概念とは大きくその構造も、品質も異なるように思う。
数cm幅の挽き材を繊維方向に並行に並べ、集成接合させた、いわゆる集成材というものを芯材として、ここに両面から単板を練った(貼った)材料のことをランバーコアという。
以前、まとまった量で突き板を取るために製材されたブラックウォールナットのフリッチ材を入手したことがあった。
この中で良質で、スライサーで突いて柾目として取れるものを全て突き板にした。
近隣に専門業者があったので、ここで最高の厚さを、と依頼したのが0.8mmだった。
希望としては1mmぐらいは欲しいと思ったが、出来ないものは仕方がない。
一般に広葉樹の合板のフェィス(単板)は0.15〜0.2mmほど。
この厚みであれば合板として十分だ。
ただ合板として十分なものとは言っても、しょせん合板。
合板という近代的テクノロジーの良さも、しょせん合板としての嘘っぽさもそのまま兼ね備えている。
だがこれが0.8mmのフェィスを持ったランバーコアだと、表面の質感は無垢のそれとほとんど変わらない。
したがって一般の合板にはとてもオイルフィニッシュなど望むべくもないが、この厚いフェィスであれば十分にオイルフィニッシュの良さを引き出すことができる。
しかも積層合板とは異なり、釘も木ねじも、あるいは枘穴も穿つことが可能。(芯材の品質にも依るだろうがね)

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「スウェーデンで家具職人になる!」ikuruさんの著書

スウェーデンで家具職人になる!カール・マルムステンに留学していたストックホルム在住のIkuruさん(本BlogでもLink)による著書がこの度発刊。
ボクも発売日前にAmazonから発注したものの、他の本と数冊合わせて発注したことからなのか、まだ入荷しない。
したがって読後感とはいかないものの、ちょっと別の理由から、出版に纏わる関連することを記述しておきたい。
まず型どおりに彼のプロフィールから。

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欧州の近代工芸とデザイン ―アール・デコ―(MOMAT)

東京国立近代美術館 工芸館では現在《ヨーロッパの近代工芸とデザイン ―アール・デコを中心に―》という企画展が開催中。
アール・ヌーヴォーが近代デザインの曙(あけぼの)であったとすれば、アール・デコは時代も下り、いわゆる大戦間(1910年代の第1次世界大戦と1930-40年代の第2次世界大戦の間をこのように呼称する)の一時期にフランス・パリを中心に展開したモダンな装飾デザインを総称するものと言って良いのだろうが、ボクが受ける印象ではデザイン史からすればアール・ヌーヴォーほどの位置づけがされていないように思われる。
上京した際に時間があれば「東京都庭園美術館」(旧朝香宮邸:1933年建設)の企画展などに訪れることも多い。
都内では有数のアール・デコ様式の建築、室内装飾が観覧できるところだ。
企画も工藝、ジュエリー、絵画などアール・デコ様式のものはもちろんのこと、アール・ヌーヴォー様式の優れた作品に触れることができたものだ。
ファサードのルネ・ラリックのガラスレリーフはその象徴と言えるだろう。
今回の企画展ではポスターが中心の展開ということだが、「ピエール・シャローの書架机・椅子」や、ガラス、陶器、磁器(富本憲吉によるものなども含む)など収蔵工芸品も多数展示。
ところでこの時代のインテリア・家具デザイナーとしては、建築家のル・コルビュジエ、そして彼の下で才能を開花させた日本とゆかりの深いシャルロット・ペリアンなどは決してアール・デコとは位置づけられないし、また同じくあの鉄を巧みに取り入れたバルセロナチェアで有名なミース・ファン・デア・ローエ、あるいはラミネートの曲面加工のアルヴァー・アールト(フランク・ロイド・ライトも?)も同時代の優れたデザイナーだ。
要するに時代を席巻したデザイン運動というよりも、パリを中心に花開いた装飾工芸デザインという位置づけか。
ところでこの大戦間という時代は、1929年の世界大恐慌に至る短い期間ではあったが、ドイツ・ワイマール共和国に象徴されるように、民主主義の安定化とともに大衆文化が花開く豊かな時代でもあったことにより、デザインもまたこうした大衆文化を促進させるものとしてモダニズムを一層強めることになっていったのだろう。
時代はしかし大恐慌に続くナチス支配によるファシズムの台頭、そして全面的な第2次世界大戦へと突入していく中で、こうしたデザイン運動は崩壊していった。(ナチスによるバウハウスの閉校:1933年)
参照
東京国立近代美術館 工芸館 展覧会情報

豪雨、一転 夕焼け

夕焼け

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太平洋南岸に居座った前線は当地にも強い雨風をもたらしたが、予報より早く午後早い時間帯で雨も止み、夕刻には雲も消え、西の空は夕焼けで染まった。
(画像は工房脇から西を望む)
田植えが終わって1週間ほどだが、この地域は一級河川、大井川に500mほどのところ。
恐らくは大昔は河川敷だったところだろうと考えられ、稲作に供される用水の水質も良く、毎年秋にはとても良い米が収穫できる。
とはいうものの、休耕田も目立つというのは他の地域と変わりがない。
穀物高騰の国際市況を考えれば、今一度稲作の奨励をすべき時かも知れない。
森と水の日本列島、古来より米を主食としてきた民族として米食を見直すべき時かも知れない。

梅雨入り間近

モンシロチョウ
九州南部、四国地方から梅雨入りの報。
当地の平均的な梅雨入りは6月8〜10日頃。
あと2週間ほどだ。
画像は梅雨入り前に栄養補給をと、庭の花々の周りを飛翔するモンシロチョウ。
花はラベンダー
梅雨入り前に何とかいくつかの制作の見通しをと、スケジュールしたものも滞ることもなく予定通りに進捗している。
梅雨は極東に広く見られる気象現象。
地球各地に見られる雨季とは異なり、しとしと、じめじめとした大気と細い雨脚が特徴だが、これも日本の風土、ひいては日本人のエトスへのなにがしかの影響を与えていると言って間違いないだろう。
梅雨のない北海道の人々の気質は、やはり少し本州以南の人々とは違って見えるのはボクだけだろうか。
心臓の芯まで、あるいは脳髄までもがカビで侵されそうなこの季節。
北海道に移住する勇気もないボクにとっては受難の季節である。
今週初めのNHK「クローズアップ現代」は「シリーズ“水危機”」として、バングラデシュでの地球温暖化による海面上昇が井戸水を侵し、アメリカ南部、オーストラリアの干ばつは水の奪い合いへと発展している現状などが報告されていた。
森と水の島、日本列島の豊かさをあらためて考えれば梅雨の禍々しさを呪うのは、やはりとんでもない悪態でしかないということだ。