家具金物、供給源の先細り
キャビネットのデザインにおいて、最後に悩むのが引き手などの金具。
うちでも木製で自作して用いることも少なくないが、やはり本来のハードウェアでいきたい。
しかし現実には、アーツ&クラフツ、かつモダンティストと言った、少しわがままなデザインに合うものを探すのは至難。
国内で探そうとしても、あまりピッタリとくるものが無いというのが実状。
そうした状況下、救いになってきたのが「HÄFELE社」の金具群だった。
この“だった”というのは語尾の間違いではなく、明らかに過去形としてのものだから。

「HÄFELE」という会社の製品は自社制作のものも多いだろうが、その膨大な商品群の多くは他の零細製造会社のものなのだろう。
その中にはとても良いデザインでかつ良く作り込まれた引き手が多かった。
長く家具の世界で生きてきた人の多くは既にボクの言わんとするところは分かってくれているだろうと思う。
クラシカルなデザインをソースに、これをモダンなデザインに昇華させたようなものがいくつものシリーズでカタログに納められていた。
そのいくつかについてこれまで使用してきたが、いつの頃からか、そうした商品群はカタログから削除され、廃番となり、それに替わりミニマルデザインというのか、あまり使いたいとも思われないようなものばかりがカタログを占拠している。
暫くは余分に買い込んでいたものが在庫されているので対応できるが、大事に使っていかなければならないとともに、新たな供給源を探さねばならない。
あるいは金型はあるのだろうから、ユーザー側の大量の注文であれば再制作してくれるかも知れず、状況によってはそれも射程に入れるべきか。
ここ静岡は家具金具制作メーカーも多く、シンプルなものでまとまった数であれば制作してもらえ、以前も天板などを駆体に止めるためのクランク型のコマ金具を作成したことがあった。
ただこのところの家具産業の衰退という状況下、こうした周辺産業の事業撤退も相次ぎ、これまでのようにはいかなくなってくるだろう。
過日、依頼された古材の箪笥に用いる引き手のプレゼンテーションをしたのが画像上。下はカタログ(部分)
*参照
■HÄFELE




木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
