工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

家具金物、供給源の先細り

キャビネットのデザインにおいて、最後に悩むのが引き手などの金具。
うちでも木製で自作して用いることも少なくないが、やはり本来のハードウェアでいきたい。
しかし現実には、アーツ&クラフツ、かつモダンティストと言った、少しわがままなデザインに合うものを探すのは至難。
国内で探そうとしても、あまりピッタリとくるものが無いというのが実状。
そうした状況下、救いになってきたのが「HÄFELE社」の金具群だった。
この“だった”というのは語尾の間違いではなく、明らかに過去形としてのものだから。
HAFELE引き手
「HÄFELE」という会社の製品は自社制作のものも多いだろうが、その膨大な商品群の多くは他の零細製造会社のものなのだろう。
その中にはとても良いデザインでかつ良く作り込まれた引き手が多かった。
長く家具の世界で生きてきた人の多くは既にボクの言わんとするところは分かってくれているだろうと思う。
クラシカルなデザインをソースに、これをモダンなデザインに昇華させたようなものがいくつものシリーズでカタログに納められていた。
そのいくつかについてこれまで使用してきたが、いつの頃からか、そうした商品群はカタログから削除され、廃番となり、それに替わりミニマルデザインというのか、あまり使いたいとも思われないようなものばかりがカタログを占拠している。
暫くは余分に買い込んでいたものが在庫されているので対応できるが、大事に使っていかなければならないとともに、新たな供給源を探さねばならない。
あるいは金型はあるのだろうから、ユーザー側の大量の注文であれば再制作してくれるかも知れず、状況によってはそれも射程に入れるべきか。
ここ静岡は家具金具制作メーカーも多く、シンプルなものでまとまった数であれば制作してもらえ、以前も天板などを駆体に止めるためのクランク型のコマ金具を作成したことがあった。
ただこのところの家具産業の衰退という状況下、こうした周辺産業の事業撤退も相次ぎ、これまでのようにはいかなくなってくるだろう。
過日、依頼された古材の箪笥に用いる引き手のプレゼンテーションをしたのが画像上。下はカタログ(部分)
*参照
HÄFELE
HAFELEカタログ

バチッと静電気の季節(師走の日曜日はあわただしく‥)

普段の日曜はできるだけ工場を閉め、デスクワーク、休養ということにしているけれど、今日は普段以上の作業量。
若い頃の激しい労働の日々を思い出し、一人ほくそ笑んだね。
むしろこのような労働も充足感というか、身体も喜ぶみたいだ。
程よい疲れが、アルコールとともに身に染み渡る感じ。
ここ両日雲1つ無い天気が続き、乾燥も進んでいるようだ。
集塵機のホースにダストが逆立って張り付いているのが良く分かる。
触るとバチッだものね。
先日NHKの「ためしてガッテン」でも、この静電気対策というテーマが取り上げられ、しばし注目させられた。(こちらで番組内容紹介)
静電気対策としてはこれまで濡れたハンケチなどを介して触ればよいとか、車ドアキーの場合、キーで放電させてから触ればよいとか、いろいろと語られてきたが、実はとても簡単でより良い対策法があった。
木(Wood)を介せば、徐々に放電してくれるので、人体への影響はごく小さなものに減じて、感度の高い人にもとても良い方法なのだという。
具体的にはキーホルダーに小さな木のタブレットなどをぶら下げておき、これを介して触れば大丈夫。
この番組、ちょうど食事中ということもあり、良く視聴させていただいている(不作法でスミマセン)。
医学、栄養学、などの分野では最新の研究データに基づいた番組構成が組まれたり、番組の取材を通して、共同研究の結果、新発見の成果を産んだりと、何かと有益な内容もあったりするから楽しく付き合える。
1民間研究所も、番組制作費用を持つNHKの助力を得てより高度な研究を進められるという経済的な背景もあるのだろうか。
インフルエンザも蔓延しつつあるようなので、諸兄も忙しい日々体調には気をつけていただきたい。

“手作り家具”と機械設備(その2)

機械設備の考え方

機械を使わない木工家

木工家具を制作するための機械設備はどのように考えたら良いのだろうか。
今日は導入編として、機械を全くと言って使わないある木工家の話から始めてみようかと思う。

以前友人に伴われ、ある木工家のところへと表敬訪問したことがある。これはボクが独立起業して間もない頃の話しだから17、18年ほど前のことになろうか。
この木工家は美大を出て、間もなく文化庁の計らいで国内留学で木工芸を学ぶ機会を与えられ、専門誌に作品を発表するなど将来を嘱望される優秀な人であったようだ。
聞いてはいたのだが、訪問してやはり驚かされた。
彼が持っていた木材加工機械は‥、何もないのだった。
せいぜい電動の丸鋸、ボール盤ぐらい。

ボクはただ目を丸くして、その木工家の静かな語り口に耳を傾けるだけだった。
そのほとんどの加工工程は手工具、道具でやってしまうのだという。
言うなれば修行僧のように木工という世界と向き合っている人だった。
わずかに20年という時間を遡るだけのものでしかないのだが、そうしたストイックな作家活動というのも存在し得た時代であったのかも知れない。
無論これは過去形で語るしかない。

その後、風の便りでは木工家としての生き方を捨て、その腕を買われて別の業界へと転職していったとのことだった。
この木工家を取り巻く生活経済事情などで、転職の背景を語らすこともできるかもしれないが、そんなことはボクにも、恐らくは彼自身にもあまり本質的意味のあることではないように思う。

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“手作り家具”と機械設備

先のサンディングに関わる記事は執筆者の思いとは遠く、あまりコメントも寄せられることなく沈んでしまっているが、これはそのまま評価として受け止めるとしても、サンディングを離れて機械設備一般について少し考えてみよう。

これは難渋な文体に付き合っていただいたようであるacanthogobiusさんから寄せられたコメント「個人工房での機械をどのように位置づけているのかポリシーが少し解った」というものにインスパイアされたものである。

ところで、このBlogで相互Linkいただいているユマニテという人がいるのだが、あくまでもBlogを介した関係でしかないので面識もなければ、プロフィールもあいまい。また独立経営している木工家ではなく、どうも椅子の試作、制作を基軸とした業務内容の木工所に勤められているキャリアの職人さんのようだ。
この木工所は彼のBlogでは明記していないが、ただボクが知らないだけで、どうも首都圏の業界ではとても有能で力のある椅子制作のノウハウを持ったところとして有名なのだそうだ。

決して彼の方からLinkを求めてきたわけではなく(かえって迷惑かも知れないしね)何故Linkしたかといえば、以前このBlogにコメントをいただいてから、彼のBlog(■■木工所のに−さん奔走す■■)を通して、ただただ仕事の内容がおもしろく、良いスキルを持って、常に新しいデザインにチャレンジしている志がうれしいからだろうね。
もとより、Blogに綴られている仕事を離れたオフでの日常にも若い知性というものを感じさせられ好感を持つ。ハンドルネームもだけどね。

さて、あなたの椅子造りは“手作り”なのでしょうか、との問いをユマニテさんにぶつけてみれば、何と応えるだろうか。ハハハと笑い飛ばすだけじゃないかな?

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お天気レーダーとにらめっこ

キャビネット制作途上なのだが、このところ天気が優れない日が続き、少しストレス気味。
11月は記録的な小雨で推移したようだが、これを取り戻すかのような師走の天気だね。
昨日あたりから回復してきていたので、今日は一気に組み立て作業を ! と、意気込んで朝を迎え準備に勤しんでいたものの、あれれ、お空には雲が広がり、湿度計の針は雨への兆しを知らせている。
ヤバッ‥‥。
あわててMacから気象レーダーを確認すると、伊豆半島には薄い雲が広がっているものの、この辺りにはそれらしい雲はない。
さて‥、と天気予報を確認すれば、夜半辺りから降水確率が50%を越える数値を示している。
まいったね。
組み立ては乾燥した大気の状態で行わないと、いずれ乾燥してくることで接合部が切れていく、胴付きが甘くなるなど、障害の原因になりがち。
仕方ないから、段取りを大きく変更。組む予定の部材はしっかり養生しつつ、影響をおよぼさない他の作業へと移行する。
これで組むのが2日ほどずれ込むかな。トホホッ
てるてる坊主、作ってみようか。
下画像は、先日散策した旧古河庭園(東京)
(何か、絵はがき様でつまんない写真だ。小雨で色も冴えないし)
古川庭園
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国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)の行方

今日、11日は「京都議定書」が採択されて丁度10周年にあたる。【1997/12/11に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)で採択】
奇しくもインドネシア・バリ島、ヌサドゥアでは「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)」が開かれ、いわゆる「ポスト京都議定書」の枠組みが作られようとしている。(今週、金曜日まで) 
一方昨夜ノルウェー・オスロではアル・ゴア前米副大統領と、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」へのノーベル平和賞授賞式の様子が外報にきていた。
しかし皮肉なものだ。COP3京都議定書採択にあたって当時の米国副大統領ゴアが大きな立役者となり、そしてこの度ノーベル平和賞を授賞したその時に現米国政府は、ポスト京都議定書・新たな枠組み作りへの最大のブレーキと成り下がってしまっている。
なお日本だって10年前には議長国として採択に最大の努力を傾注した話しは今や過去のもの。
常に米国の顔色を窺いつつ、あいまいな姿勢で自らの「京都議定書」を反故(ほご)にしようと企んでいるかのよう。これには国際NGOから強く牽制されている。
また昨夕のNHK「クローズアップ現代」では前日までバリCOP13に参加していた亀山康子さん(国立環境研究所 主任研究員)をゲストに迎え「シリーズ地球温暖化 / 森林破壊を食い止めろ」とタイトルされた内容で構成されていたが、これは個人的にはとても衝撃的な問題だった。
自身の認識の浅さを突きつけられるとともに、地球温暖化をめぐる問題解決の困難さをあらためて知らされるものでもあった。

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木工家具制作におけるサンディング (終)

サンディングバナー
終えるにあたって
サンディング工程は家具制作において欠かせないプロセスであるが、必ずしもその重要性が正当に位置づけられていないのでは、というのが本稿執筆の動機であったが、不十分のそしりを受けるものでしか無かったとは思うものの、少しはその意図するところは伝わったかも知れない。
いわゆる工房というスタイルを旨とする制作現場において適切にサンディングを施すことの難しさにはいくつか理由があるだろう。

  • 高精度の機械設備の設置が困難であること。
  • 高品質な素地調整というものへの認識が浅いということもあるかもしれない。
  • 塗装システムがオイルフィニッシュというということでの、素地調整への要求度の低さがあるかもしれない。
  • 単品生産というスタイルであるために生産性追求へのインセンティヴが低い。

これらは一方の長い歴史をもつ家具製造メーカーの塗装システムにおける1プロセスとしてのサンディング工程と較べれば歴然とする。

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手帳更新の悩み

年も押し迫り、来年の手帳をどうするかちょっと悩んでいる。
ほとんど全ての人々が「手帳」というものを使っていると思う。
ビジネスマン(ウーマン)から、プロフェッサーから、専業主婦から、職人から、そして子供まで。
当然にもそのタイプは多様だ。
ボクも人生のそれぞれの時期の活動内容に応じていくつもの手帳を使ってきた。
いわゆるシステム手帳なるものが普及しつつあった頃にはいち早くこれを導入して使ってきたように記憶しているし、様々なリフィルを探しに銀座伊東屋、渋谷東急ハンズに足を運んだものだった。
しかし、あの上質な本皮のカヴァーに何でもかんでもファイルした結果の厚さも当時としては魅力的なものではあったが、数年使い続けるとそのボリュームに辟易することに。
また木工房というどちらかと言えば汚い環境で気軽に使えるものではなかったので、その後通常は「タナベ経営」というところの「ビジネス メモリー」というタイプの手帳を愛用してきた。

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IMAGINE PEACE

昨夜頂いたユマニテさんからのコメントの「アイスランド ピースタワー」

この10月9日(ジョンの誕生日)にアイスランド/レイキャビクに完成し、とりあえずジョンの命日の今日まで点灯中とのこと。(年末にも点灯)

場所はここ。
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先の記事で「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」サイトを紹介したが、ここに『イマジン・ピース・タワー』へのヨーコのメッセージがある。
詳細は「IMAGINE PEACE」が良いだろう。

同サイトの除幕式のビデオを視ると、オノ・ヨーコの介添人のような形でリンゴ・スター、ジョージ・ハリスンの妻オリビアが元気な様子を見せてくれている。

“オノ・コード”による「I LOVE YOU」の点灯サインというのは良く分からないけれど。

なお今朝のNHK FM「ウィークエンドサンシャイン」(ピーター・バラカン)は、やはりジョン・レノンの歌(Power To The People )から始まったが、そこでも紹介されていた映画『PEACE BED』をLinkしておこう。
サブタイトルに「アメリカ vs ジョン・レノン」とあるようにFBIにマークされ続けていたジョンの真実を描いた力作のようだ。

ところで光のタワーが注目されたのはGROUND ZERO。
次のLinkはマンハッタン島のGROUND ZEROを望むGTVRです。(Quick Timeのフォーマット。マウス動作で任意に変化させられるパノラマ画像)
こちら

いずれ、このアイスランド ピースタワーも撮影され公開されるだろう。

NHK 本日放映「出張!北欧モダン デザイン&クラフト」

■ 12月7日pm8:00〜8:45 NHK総合
  迷宮美術館「出張!北欧モダン デザイン&クラフト」
・番組内容
「北欧モダン デザイン&クラフト展」の会場で人気の北欧デザインの魅力に迫る。収蔵総数1200脚・世界一の収集家が語る“家具の芸術”デンマーク名作イスの秘密。
・詳細
家具・照明から食器に至るまで、いま、北欧のデザインが大人気だ。
素朴ながらモダン、現代日本の暮らしにもしっとりなじむその色と形。北欧デザインが生まれた背景には、極北の厳しい自然と長い冬を心地よく過ごす人々の知恵があった。
「北欧モダン デザイン&クラフト」展の展示品を見ながら北欧デザインの魅力に迫る。
後半はデンマークの名作イスを紹介。“家具芸術”の秘密を、収蔵数1200脚の世界一の収集家が解き明かす(NHKサイトより)
【出演】稲川 淳二, 香坂みゆき, 3 2 6,
【司会】段田 安則, 住吉 美紀,
【語り】奥田 民義,
【解説】イス研究家・北海道東海大学教授…織田 憲嗣
  
* 関連記事  「北欧モダン  ─ デザイン&クラフト ─」展
■ 「北欧モダン  ─ デザイン&クラフト ─」展 公式サイト