工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

古材の活力

古材今朝は古材の再製材をしたのだが、たいした材積でもなかったのに大変だった。
檜の柱1本。1尺×10〜12尺の梁が4本。
50年を経て、歪み、反りが出ていて、虫害も少なくなかった。白太は全て喰われているといっても良いだろう。
ただ逆に50年ばかりだと、松のほうはベトリとヤニは元気だった。
ほぼ想定通りの荒木取りができたので一安心だ。
この後、環境に晒してシーズニング。乾燥は十分であるものの、割ったり裂いたりすればやはり木は動く。そして含水率の勾配があるので、これを解放させてやらないとアブナイ。
古材b針葉樹ではあまり家具制作をしたことは無いのだが、目の通った檜の美しさ、画像のように松の板目のおもしろさは大いに活かして木取りをしたいところだ。
少し悩んでいるのはフィニッシュ。塗装の方法だ。
針葉樹、ヤニ対策は重要なので、よくよく検討しないとイケナイ。ラッカー、ウレタン系だと良いシステムがあるが、そうした樹脂系のものは使用したくない。
いくつかテストを重ねて最良の方法を探し出さねばならない。

今あらためて「柳宗悦」の言説を

ソウル、イルミン美術館(「東亜日報」、旧社屋)で《文化的記憶 柳宗悦が発見した朝鮮と日本》という企画展が開催されているようだ(「朝日新聞」12/02夕刊)。
新聞リードのところを引用する。

日本人として朝鮮の美や文化を愛し、戦前、王宮正門「光化門」を取り壊そうとした朝鮮総督府に異議を唱えたことなどで知られる民芸運動の先駆者、柳宗悦の生涯と作品を紹介する韓国では初めての本格的企画展がソウルで始まった。朝鮮の美を「悲哀の美」としたことから韓国では柳に否定的な見方があったが、功績を再評価し、韓国人の手で新たな「柳像」探ろうとする試みだ。

柳宗悦が韓国国内にあってどのような評価がされているのかについてその詳細を知る立場にないのだが、本企画展を日本側からサポートしている新聞社の記事なので、概ね引用のようなところなのだろうと思う。
これは韓国人一般の日本と日本人へのある種のバイアスの掛かった視座を背景とするところから、柳もまた免れなかったということがあるのかもしれないし、柳による朝鮮の陶芸に代表される美術工芸品への「悲哀の美」という定義も、朝鮮人から批判されても仕方がない「要素」(いわゆる「植民地史観」から抜け出ていないという)を孕んでいなかったとも言い切れないだろう。
無論1910年代という時代背景の中での言説という制約抜きに評価することもできないということもまた事実だろう。
いずれにしても日本、朝鮮の関係史を語るうえで欠かすことのできない人物であり、業績であったと言うことだけは確かなことだ。
ボクもこの現在の仕事に打ち込むようになった前後から、柳宗悦の著書のいくつかを読み進めたこともあったが、これがなかなか難解、難渋であり、仏教哲学から説き起こす手法でのその思想哲学を解読するには浅学過ぎるものだった。
しかし、にもかかわらず柳の言説に深く惹かれるのは「民芸運動」の提唱者であり、実質的にも運動の指導者であったということに留まらず、やはり「日朝関係史」に深く刻み込まれている「柳像」からのものであることは少し書き留めておきたい。

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古材の活用

古材
建築解体材から家具を製作する、という話は決して珍しいことではないかもしれない。
伝統的日本家屋で豪邸となるとかなりの良材が使われているので、古材とは言え材種によってはは新たに求めることが困難なものなどもあるだろうから、むしろ“希種材”として尊いものになる場合さえあるだろう。
今回の古材は松であったので、必ずしも希種材というほどのものでもなかったが、しかし家主の代々の血を繋いできた家屋への格別な思い入れを推量すれば、やはりこれもまた希種材と言えるものだ。
昨今では在来工法による建築資材でさえもいわゆる新建材が用いられる時代だろうから、古材の活用など望むべくもないというのが現状だ。
画像のように、大黒柱、梁など数本の構造材、そして6分、7分の天井板がかなりの枚数預かってきたが、この後構造材の再製材、天然乾燥(シーズニング)などを経て、来春にはこの古材活用による家具制作へと移行していく。
座卓、小卓、水屋、ワードローブ、等々、いくつもの家具が出来るはずだ。
そのためには製材前の適切なスミ付け、つまり古材ならではのいくつかのリスクを回避するための洞察力が要求されるだろう。
松材は針葉樹の中では仕事のしやすい材種かもしれない。以前杉材でかなりの台数の座卓を製作したことがあった。杉の家具もなかなか良いものだが、これが意外と仕上げが難しい。春目、冬目の繊維の堅さの差異が顕著で、鉋の刃は常にシャープに研ぎ上げておかねばならなかった。
松材はどうだろうか。節には要注意だろうね。節へのアプローチでは応力が大きく反応する。それと、ヤニ対策か。既にかなり枯れて来ているので新材ほどではないが、やはり配慮してやらないとダメだ。

包丁さばきは まだまだ 汗;

刺身
週末は恒例の生鮮食品の買い出しへ。今日は比較的近いマーケットにした。
お魚コーナーには初冬の佇まい。
カキになまこ、たらにカニ。
手が出たのは比較的型の良いイナダに鯖、そしてスルメイカ。いずれも鮮度抜群のものだった。
無論イナダは3枚におろして刺身だね。でも大きいので食べきれず、半身は3等分して焼き物用だ。
イカは…、家人は刺身にして欲しいとの要望だったが、イナダで既に皿はいっぱい。さてどうしたものか。と、思案の結果、塩辛と決まった。家人のリクエストにも応え、1/4を刺身にしてやった。
このスルメイカ、真っ黒い肌を見せていたので鮮度は間違いないと思い“塩辛”と思いついたのだが、案の定さばいてみれば内臓もとても綺麗だ。
墨袋を丁寧に取り去り、わた(肝臓)を包丁でえぐり出し、これを少し叩くことで繊維を断ち切り、天然塩で締める。
身の方も数?幅に切る。今日はげそも入れちゃった。これもワタとは別個に塩を振り貯蔵瓶へ。1日置いてわたと混ぜる。
酒や味醂、あるいは生姜で味付けするという方法もあるが、ボクは天然塩だけ。
塩の濃度?いい加減だねぇ、塩梅という奴だ。
4.5日後には発酵も進んで日本酒の友になってくれるだろう。
いつものことだが、程よく発酵する前についつい無くなってしまう。
鯖も鮮度が良さそうだったが、今日は2枚におろし焼き物用とした。どちらかといえば筒切りにして味噌煮にすることが多いのだが。
イナダともかく魚は可能な限り切り身など求めず、1本ものでいく。鮮度はもちろん、1本を捨てるところなど無く、様々な用途に使えるところが良い。
そこのご婦人。普段切り身など買っているのだったら、明日から転向して、夫に包丁を持たせよう。
桂剥きイナダも鮮度抜群。適度に脂がのり、旨そう。
無論ツマの千切り大根もかつらむき、からだ。
素人の包丁さばきではあるが、不揃いでも新鮮なものができるので自身でやるのに限るね。
コツ、ですか?全ては包丁の切れ味。そこそこの鋼のものを用意し、しっかり研ぎ上げることかな。木工屋にとっては当たり前の手業というわけだね。
結果は…。無論、初冬の海の幸を十分に堪能させてもらったのだった。
今日は少し疲れる仕事をしたこともあるが、日本酒も進み、いささかほろ酔い機嫌でのゆるゆるエントリで失礼つかまった。ヘヘ。

酒器は小川幸彦 作  皿は雑器の砥部

家具職人の要諦はスピードだぁ

数日前テレビ東京関係者から電話が入る。
「TVチャンピオン・家具職人選手権(仮)」、なるものへのエントリー要請だった。
しかしどうもこの番組企画は詳細が判然としない状況での依頼のようでもあるし、また当地域では「TV東京」系列放送局は無くどのような番組かも知らなかったので即答は避け、企画書ができたら提示してもらうように回答しておいた。
さっそく同日夜半にメールでの依頼がある。
内容は電話での依頼と同様、企画詳細は不明なもの。
「企画内容が決定次第、あらためて回答したい」旨の返信を送る。
翌日「企画書」が添付されたメールが入る。
しかしその「企画書」なるものも、概要を示しただけのアバウトな内容。
かろうじて本文でおおよその番組企画(予定)が示されていた。
収録日が2週間後に迫っている、
★優勝賞金50万円☆、(おぅ !)
第1ステージ:椅子の早作り
第2ステージ:隙間家具の制作
ファイナルステージ:リサイクル家具職人チャンピオンMさんとの対決
だって。ふむムム。
知りたい、審査員のプロフィール、使わせてもらえる機械設備、などは不明なまま。
ともかくも家具制作のチャンピオンを決定する審査基準の最優先順位がスピードとあれば、熟練職人のボクとしては負ける気はしない。
しかしネェ、これとて適切な機械設備があってのこと。
同様に例え要請されたものであってもひでぇものを作るのは許せない。さて‥‥、
そこで最終的にチャンピオンの覇を争う最終相手のリサイクル家具職人チャンピオンMさんがどのようなものを制作しているのかを見れば、その審査基準も見えてくるだろう、ということで検索してみた。
ある、ある。日曜大工のそれですな。あるいはたたき大工の仕事。
ホゾなど施しているとも思えないような仕事だし、デザイン的に見るべきものがあるわけでもない。
これではまともな家具製作をするような環境も与えられなければ、また必要な時間さえも与えられないのだろうなという判断にいたった。
50万円は惜しいけれど‥‥、(苦笑)
そのようなスタイルのものを得意とする人もいるだろうからエントリーしてみればおもしろいかもしれない。
可能であれば与えられた厳しい条件下ではあるが、高品質で良いデザインのものを見せて貰いたい。
しかし何だ。TVカメラの前でエネルギーあふれる若い職人に混じってボクのようなものが老躯にむち打って鋸、鉋を振り回すのは美しいとはほど遠いものだろうし、企画内容を問いただす前に断るべきだった、といたく反省している。
そもそもチャンピオンと銘打った家具制作の覇者をスピードと隙間家具で決めてしまおうという、”神をも畏れぬ“TV局の企画には他のほとんど全ての番組がそうであるように、目先の珍しさを取り上げともかくも視聴率を稼げれば OK ! という論理で貫かれているものだね。
家具制作職人の研ぎすまされた道具、腕に秘められた練度、美しい身のこなし、などの尊さも TVカメラの前に立てばたちまちそれら全ては消費の対象になってしまうのか。

S邸への李朝棚納品とマホガニー

李朝棚
この春に制作依頼されていた家具がやっと納品できた。マホガニーによる李朝棚。
画像の左はもうずいぶん以前に制作納品させていただいたもの。
右が今般あらたに制作したものだが、正面の扉、抽斗の配置などは依頼者の要望に依るもの。つまり既に使っていた3層の李朝棚のデザインと同じイメージで希望する収納を満たしたいという、やや無謀な話だ。
でもそうした無茶も受け入れ、解決するのが注文家具屋の務め。
ただ問題は塗装がウレタンクリヤで仕上げるということ。
かなり以前に納め、塗面は納品時と較べれば、退色などもあるだろうから、これに合わせ、かつ経年変化で同じように馴染んでくれるような塗装を施す、というこれまた無茶な注文だ。
しかし昔から世話になっている地域でも最高の塗装技能を有するA氏に依頼することで見事に解決。ご覧のようにまるで一連の制作の如くに仕上がった。
職人というのはあらゆる要求に、暫し考え込みながらも、ニコッと笑って「分かった、やりましょう」と頷くものなのだ。
ところで問題はこのS邸の飼い猫ちゃん。納品の時もじゃれつき、脚にまとわりついて大変だった。初対面であるにもかかわらずこの小さな主、猫好きなことが分かるのか、離れようとしない。
それはどうでも良いことだが、問題は設置された家具が痛むこと。
脚の爪研ぎ、あるいは粗相。いや、この猫はちゃんとしつけがされているので心配はないか。
今回、久々にマホガニーでの制作であったが、厚板も含めまだまとまった在庫もあるので、このマホガニーで一度各種家具でのシリーズものでも作ってみたいと思う。
今の時代、残念ながらマホガニーは人気がないから「何、コレ、ラワン?もしかして‥」なんて言われかねない。
言ってやろう。「冗談じゃねぇ、こちとら真性マホガニーだい。文句あんのかい」、ってね。
この材種の良さというものは刻んだことのある人には良く分かると思うが、その良さを生かしたデザインと仕事で人気復活を賭けてみるのも、家具職人の務めか。
棚の木彫「童子」は地元の木彫家、前島秀章の作品(前島秀章美術館

木工家のギルド的紐帯への憧憬

信州木工会
谷進一郎さんを初めとする信州木工会の面々が「工房探訪」ということではるばると訪ねてくれた。
前日から東海地域を訪ね歩いての来訪。
名古屋・宮本木工教室、蒲郡・井崎さんの工房、そして静岡へと。
ボクが松本在住の頃より活発に活動していた組織で、松本市内での展示会を通してその動向を注視していたが、その後事務局、メンバーの変遷などもあっただろうし、活動内容の変移もあったかもしれない。
事実、10名近い訪問者で知己の方は谷さんを除けば一人だけで、その組織構成員の大きさもあるのだろうけれど、ボクの「信州が第2の故郷」という思いも、近くはない彼我の距離と、時間の経過というものの容赦ない断絶というものを思い知らされるものであった。
しかしなお、国内広しといえど、信州木工会のようなギルド的組織というものはあまり無いのではないだろうか。
これは単にその地域に構成員が多いからというものでもなければ、産地形成の土壌があったからというものでもないだけに、よりその組織の意味するところは大きいものがあるように感じ、このエントリーのタイトルのように同じ木工家として憧憬を覚えるものになっている。
会の活動内容はそのWebサイトにいけば詳細に触れることもできるはずだが、単なる親睦団体というものではなく、技術交流、研究発表、合同展示会の開催、など木工文化の担い手として広く社会的に開かれた多彩な活動を展開している。
こうした組織というもののその多くは圧力団体であったり、行政からカネをせしめるものであったりと経済的思惑での繋がりという性格を色濃くにじませるものであるだろうが、この会はそうした卑俗的なものとはほど遠い、純朴というか、木工こそ我が人生 ! 、という者達の集まりなので、時代と共にその活動内容での変遷はあっただろうけれど、継続的に息の長い、かつ止むことのない活発な活動を継続しているという希有な組織なのではないだろうか。
さて、うちでの交流はさほどの時間的な配分もなかったので、信州の木工家たちの制作システムと、うちのスタイルの違いを重点的にお話しさせていただき、少しでも制作活動での示唆を与えられればと言う観点から進めさせていただいた。
時間的な制約もあり、やや一方的な解説になってしまった嫌いがあったが、この記事に触れていただいて疑問、ご意見などあればぜひ補足したいと思うのでメールなり、コメントなりでアクセスしていただければ大変ありがたい。
どうか今後も木工界の明日への道を展望する先駆けとして会の発展を祈念したいと思う。
なお、今回のコーディネート、世話役を担っていただいた谷進一郎さんにあらためてその労をねぎらいたいと思う。ありがとうございました。
信州木工会

充電式電動工具の進化を目の当たりに。

マキタ
充電式の電動工具が出回り始めたのはボクが木工を始めた頃とほぼ同じであったように記憶している。
それまではドライバーと言えば普通の手回しのものか、あるいは職人が“ヤンキー”と呼称していたものでハンドル部分を上下にストロークさせ、これを回転運動に変換駆動させるものだった。
ここに充電式の電動ドライバーが出回り初め、独立前の修行中ではあったがさっそく購入し、その利便性に大いに助けられたものだった。
その後、独立して間もなくのこと、インパクト機構のあるものが普及し始めたが、最初はその進化にさしたる差異があるものとは捉えず、導入は少し遅れた。
しかし先にエントリーしたバッテリー能力が損耗したその機種を導入したときは、インパクト機構のすばらしさに目を見張ったものだった。
頭つぶれのリスクが少ない。
セルフタッピングネジの打ち込みが簡単、などとてもありがたかった。
そして数日前に届いたリチーム・イオンバッテリー14.4Vのインパクトドライバー「マキタ TD130DRFX」はすこぶる付きに快適な機種だった。
これまで永らく使用してきた古色蒼然たるものと比較しても詮無いことと笑われそうだが、無視して(笑)簡単ながら使用感を記してみる。

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中国経済の過熱化と木工家の悲哀 ?

中国の飛躍的な経済的発展は日本国内への産業に功罪様々な影響を与えている。
今日はいつも切らすことのない家具金物が在庫の底をつき、納品で出向いた街の金具屋で購入する。
「こんにちは〜」と店のドアを開けるやいなや、いきなり社長曰く、「もう、金具屋、めちゃくちゃだよ」「これを見てよ」と、出されたのが銅など非鉄金属の素材価格の推移の表だ。
わずかに3年ほどで130%の値上がりを示している。
この金属素材の高騰は中国経済の過熱化によるものだといいうことは誰しも認めるところだろう。
昨今、ニュースでは異様な事件が多発していることを報じている。
マンホール、チェッカープレートなどの金属製品が市中の路上などから盗まれる。
個人住宅の玄関の金属製門扉も盗まれる。
挙げ句の果てには、大規模開発のニュータウン、新設工場などに敷設されつつある電力ケーブルがドラムごと、あるいは敷設してしまった地下埋設のダクトから強引に引き抜かれる(重機で引っ張ってしまうようだ)などという事件も起きているというのだ。世も末だね。
こうした金属需要をめぐる異常事態というもがは零細業者で締められている家具金物製作メーカーを苦しめているであろうことは容易に想像できるところだ。
いかに素材価格が高騰しても、これをそのまま商品価格に転嫁するというわけにもいかないのが実態だろう。
結果、廃業に追い込まれるメーカーも数多く、廃業しようにも借金を抱えにっちもさっちもいかなくなっているメーカーもあるのだという。
今日求めたのは「綱島製作所」(T.T.S)の丁番。うちの丁番の定番製品。国内メーカーのものでは最も信頼性の高い高品質なもの。真鍮製だから銅、亜鉛の高騰の影響を受け、既にかなりの値上げになっていた。
元々からしてかなり高価な丁番であったが、購入するときは100枚単位、あるいは50枚単位で求めていたのだったが、しかしこの高騰ではそんな単位では買えない。
でもだからと言って必要に応じた数量で求めていたのでは年々、いや月々の単位で値上がってしまうだろうから賢い買い方ではない。
どうすりゃいいのさ。木工家にもまるで相場師のような才覚まで求められる時代状況なのか。
家具に用いられる国内広葉樹の良木の需給が年々逼迫していることは何度が触れてきたが、関連する様々な素材の需給も同様のようで、なかなか困難な時代へと入ってきていることは間違いないところのようだね。

土場作業の“快楽”

土場
日本列島、大荒れのようだ。
太平洋側は昨日の大雨とはうって変わって、快晴。しかし風がムチャクチャ強い。
そんな中、今日は材木の乾燥土場、倉庫の地盤整備で汗を流した。
地主が土地活用の用途を変更するにあたってついでにうちの方もやってしまおうという企み。
しかし土場整備とは言っても簡単な作業ではない。
枕木はそれぞれに水平を確保しなければならないので、この作業はなかなか難儀なこと。
材木の山はわずかに5山ほどだったが、ほぼ終日掛かってしまった。
仕事柄体力はあるが、腰痛持ちの身体にはいささか過負荷な作業だった。
しかしこうした作業としてはタイミングの良い時季だった。これが春から夏の時季だと、材木にとっても良くないし、暑さで体力の消耗も激しいだろう。
ボクは今さらこうした土場の環境を変えるつもりもないが、後進にアドバイスすれば、土場の枕木はH鋼などで一定の大きさのパレット状に造っておくことだね。そうすればフォークリフトで簡単に移動も可能だ。
やはり少しばかり締めただけのグランドは不当沈下してしまう。
もちろんベタコンを打てばなお良いだろう。
作業を終え次なる制作に資する材木を積み込んで帰宅。
年内に納入せねばならない受注品も多く、忙しい時期になってきた。
少し余談めくが、こうした肉体労働というものは決して嫌いでは無い。
労働は辛いが、身体にほどほどの負荷を掛け作業することで、身体は喜ぶというのであろうか、ある種の快楽さえ覚えることは誰でも経験的に知っていることだと思う。
近代における概念では労働は苦役ということになるのかも知れない。
自営業でのもの作りという形態からも性格づけられるのかも知れないが、過酷な労働で身体に疲労を与えてもなお身体は喜び、心も少しハイな気分になる。
今夜は「山谷ブルース」でも口ずさみ、一献傾ければ明日も快調に励むこともできるだろう。
    * 画像背景は豊かな茶園を擁した牧ノ原台地