工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

充電式電動工具の進化を目の当たりに。

マキタ
充電式の電動工具が出回り始めたのはボクが木工を始めた頃とほぼ同じであったように記憶している。
それまではドライバーと言えば普通の手回しのものか、あるいは職人が“ヤンキー”と呼称していたものでハンドル部分を上下にストロークさせ、これを回転運動に変換駆動させるものだった。
ここに充電式の電動ドライバーが出回り初め、独立前の修行中ではあったがさっそく購入し、その利便性に大いに助けられたものだった。
その後、独立して間もなくのこと、インパクト機構のあるものが普及し始めたが、最初はその進化にさしたる差異があるものとは捉えず、導入は少し遅れた。
しかし先にエントリーしたバッテリー能力が損耗したその機種を導入したときは、インパクト機構のすばらしさに目を見張ったものだった。
頭つぶれのリスクが少ない。
セルフタッピングネジの打ち込みが簡単、などとてもありがたかった。
そして数日前に届いたリチーム・イオンバッテリー14.4Vのインパクトドライバー「マキタ TD130DRFX」はすこぶる付きに快適な機種だった。
これまで永らく使用してきた古色蒼然たるものと比較しても詮無いことと笑われそうだが、無視して(笑)簡単ながら使用感を記してみる。


まず手にした感触から。
軽い。実に軽い。仕様を見ればバッテリー込みで1.4Kg。
バッテリーは14.4Vだよ。つまりセルが14個も繋がっているのに。Li.ionだから軽いの?かな。
バッテリー装填の底部とヘッドの重量バランスが良いから、使用感としてはさらに軽く感じるかも知れない。
これまで使っていたものと比し、はるかに軽いし、またヘッド部の長さ、ボリュームは半減している。これは狭い空間での作業を伴う家具製作者にとってはうれしいことだ。
次に駆動能力、パワーだが、140 N・Mという数値だが、このあたりは良く分かんない。しかし同種他機種クラスの中で最大のものらしい。
確かにパワフルだ。
次のバッテリー性能だが、Li.ionという最新のセルが搭載されていて、そのすぐれた性能についてはモバイル電子機器などへの搭載などで実感済みのところだ。
電気容量についての実感は今後本格的に使う中から体感できるだろう。
またこのバッテリー部の本体取り付け機構が以前のマキタのものと較べ、格段に進化しているように伺えた。ボタン1つで手軽に接合、解放が可能だ。
また付加機能として、ヘッド部正面にLEDライトが付いていることもありがたい。一応付けましたよ、というレベルのものではなく、十分に実用性のある照度だ。
これはLEDの著しい進化の恩恵だろう。
実は岡崎の展示会でのお客様にマキタの本社研究開発部に籍を置く人がいて、少しお話しさせていただいたのだが、この分野では世界的にマキタが他を圧倒する技術蓄積があるのだという。
ボクはさほどの理由があるわけではないが、所有する電動工具にマキタのものは多くはなかった。
しかしこの度のインパクトドライバーの導入への比較検討と、導入後の試験的操作からして、時代の先端を行くメーカーであることに何らの異論を挟むものがないことに強く自省させられてしまった。
なお最後に価格であるが決して安いものではない。
でもそれだけの価値はあるだろう。
ボクは、ウフフ、ネットサーフィンしてほぼ半額近い値引率のところを探しだしゲットしちゃった。(^^)v
なお末尾ながら本件購入への決断は先のエントリーへのコメントを寄せてくれた「木工房オーツー:大江」さんのアドバイスが大きかったことを明かし、ここに感謝します。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • こんにちは
    i am korea woodworker mania.
    文よく見ています. ありがとうございます

  • monjiさま コメントありがとうございます。
    コリアの方のようですね。
    記入していただいたURLでは残念ですが繋がりませんね(サーバーまでは正しいようですが)

  •  TD130D導入されましたね。いくらかでもお役に立ててうれしく思います(すっかり私はマキタの回し者みたいになってしまっていますが「いいものはいい」ということで他意はありません)。一緒に写っているドリルはナショナルみたいですね。私が1989年に最初に入れた充電ドリルは日立のものでしたが、同じように大きかったです。それに比べるとTD130Dは雲泥の差があります。
     セルは1個当たり1.2Vだと思います。7.2V、9.6V、12V、14.4V、18V、24V……と、1.2Vのちょうど倍数になっています。リチウムイオンのセル個体そのものがニッカドやニッケル水素よりはかなり軽いですね。
     私は手持ちの充電ドリル類を昨年からすべてマキタの14.4Vリチウムイオンのものに切替中でして、TD130D×1、ドライバドリルDF440D×2を現在使っていますが、たいへん快適です。詳しくは自分のHPにも載せていますので、よろしければどうぞ。
       http://www.e-o-2.com/daydesignneucq.html

  • 日立 インパクトドライバー

    プロ・玄人向けの電動工具、インパクトドライバー。新型やメーカー商品情報。マキタ、日立、ナショナル、比較の手助けに。

  • 大江さま ご丁寧な解説ありがたく思います。
    ボクは昨年末にインクジェットプリンターを更新するにあたって熟慮の結果、複合機を選択しましてその利便性に助けられています。
    しかし本件のような仕事に深く関わる工具であれば、やはり単機能の最高峰機種を選択するというのが“正統派”、ということですね。
    ありがとうございました。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.