『On Late Style』(晩年のスタイル)
エドワード・サイードと大江健三郎
エドワード・W・サイードの著作に『On Late Style』(邦訳:『晩年のスタイル』)というのがある。
タイトルからしてお判りのように、最晩年のものだ。
親交のあった大江健三郎は、ノーベル文学賞受賞後における自身の著作スタイルに、このLate Style、Late workを意識的に取り上げた時期があり、この対話をボクも興味深く受け取っていたことがあった(当時、朝日新聞の文芸欄に往復書簡が掲載されていた)。
そして、卑近な事例で恐縮なのだが、やがてはこの『On Late Style』は、ボク自身の問題として自覚するようになってきた。
木工職人の晩年にふさわしく、円熟した仕事に打ち込み、その資質にふさわしく社会にも受け入れられる、といった風に?
いや、サイード、あるいは大江の語る『晩年』とは、決してそうしたものではない。
むしろそうしたことに背を向け、社会への違和であったり、変調をきたす時代精神への反骨を飽くなく問い続けようとする〈若々しい精神〉を尊ぶ、というものであったはず。
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木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
