二枚ホゾの薦め

ホゾをどのように設計するかということは、木工家具の構造を考えるときいくつかの課題の中の重要な1つになるが、二枚ホゾを積極的に導入するということについては過去何度かこのBlogでも触れてきたところ。
今回のものは椅子の貫というかなり細い部材においても二枚ホゾを付けちゃおうという紹介である。
下の画像の「アームチェア大和」という椅子はこれまで100脚以上制作してきたうちの定番の椅子だが、ご覧のようにブラックウォールナットという広葉樹の中でも気乾比重≒0.63というやや重厚な部類に属する樹種ではあるものの、比較的軽く作られている。
多くの客が手にとってその意外な軽さに驚かれる。
“手作りの椅子”でござい、というジャンルのものではとても重く、日常ダイニングチェアなどで用いる場合、その使い勝手、清掃の際の移動などでかよわい女性の手には余るものも少なくないようだ。
そうであってはならないだろうという考えから、見た目は重厚ではあっても、可能な限りに軽くしたいものだ、ということで贅肉を削ぎ落として設計された椅子でもある。
したがってこのH型の貫も細身のものとなっている。
貫という部材は、椅子に限らずいわゆる主要な構造材ではなく脇役ではあるが、しかしそれが無いとちょいとまずいだろう、という名脇役。





ちょっと不鮮明な撮影になってしまったが、ロクロ脚、貫通ホゾへの割クサビ用スリットの機械加工の様子。
木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
