工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

でかい

wardrobe

ワードローブ、やっぱり組み立て作業がなかなかにしておおごと。
でっかいからね。
サイズ(1,100w 640d 2,000h)もさることながら、材種は重厚なミズナラで、柱は1.5寸厚×3.5寸幅の互平、羽目板も7分板の無垢材だからね。重いわけだ。
しかし接合部がさほど多いわけでもないし、いずれも2枚ほぞなどで堅固な仕口にしているので、嵌め合いはしっかりしているせいか、特大のショックレスハンマーでバシッと打ち込めば圧締も不要なほどにビシッと決まってくれた。
(ほぞも1枚だと抜けやすいが、2枚〜だと倍以上の接合強度が得られ抜けにくいので、さほど圧締に依存しなくても構わない)
でもまだまだ道半ば。
扉、抽斗など、未だ木取りすら取りかかっていない。
お天気が不安定で、無垢材も困惑中。

春の嵐

ツタンカーメンのエンドウ豆

すさまじい豪雨だった。
昨夜半から未明にかけ、強い風を伴う豪雨に見舞われる。
皆さんのところは大過なかっただろうか。
この雨でボクが心配したことの1つに、ツタンカーメンのエンドウ豆が大丈夫だったか、ということ(お気楽なものですな)。
というのも、開花してまだ2週間も経過していないというのに、早くも実を付け始めたので、そのかよわい実が落ちやしないかと気を揉んだというわけだ。
ご覧のようにさやが真っ黒に近い赤紫色。まだ次々と花が咲き出しているというのに、早生まれの者達が、さっさと実を付け始めている。
知らないうちにちゃんと受粉しているんだね。
(まるで昨今の日本の若者たちを見ているよう 爆 )
ここまでくればもう、豆ご飯にありつけること間違いなしだね。

小型インパクトドライバー・BOSCH vs マキタ

小型インパクトドライバー、BOSCH vs マキタ
一昨日ホームセンターに所用で出掛けた折り、新しい電動工具が目にとまったのだが、これにはちょっとびっくりさせられた。
それは昨年春頃に発売されている別のメーカーによるものと瓜二つのデザイン、スペックだったからだ。購入意欲もあるので、少しここで紹介しておこうと思う。
その似ているというのは、以前このBlogでも取り上げたことのある、BOSCHの小型インパクトドライバーである。(「小型インパクトドライバーはまだ続く」
まずはじめに、何故この小型のものに関心が向くかと言えば、主要には家具の扉の吊り込みにこれがとても有効であるためだ。
#1の木ねじの頭を舐めないためにはインパクト機構は必須だからね。
昨年6-7月頃に新発売されたBOSCHの「GDR 10.8V-LI 」というピストル型の小型インパクトドライバーについて、簡単に仕様から再確認しておこう。

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FESTOOL社から新機種リリース

昨夜、週末ということもありちょっと海外通販のサイトを覗いてみた。
というのもこのところやや円安に振れているようであるものの、ここ10年ほど続いたレートに較べればサブプライムローンなどの影響によるアメリカ売りの結果、ドルが大幅に安くなっていることに違いはない。つまり対米為替差益があるので、個人通販もこの時期を逃せないと考えたから。
さてところが、不安は的中。お目当てのFESTOOL社のものは小幅ではあるが米ドルだとほとんど全てが値上がっている。
つまりユーロ高が反映しているために、円高の恩恵は相殺されて帳消しだ。あちゃ 。
仕方ないから、いくつかの資材など小物をプチッ。
ただ、大物として1つプチッしちゃいそうなものが新たに見つかった。
これだからたまには覗きに行かないとダメだね。
FESTOOL社から、魅力的ないくつかの電動工具がリリースされていることに気付かされたのだ。
以下、簡単に新たにリリースされたいくつかの機種を紹介しよう。
・MFK700(トリマー)
・OF2200(大型ハンドルーター)
・MFT/3 (ワークベンチ)

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春は微温な気分で

楢
今日の仕事も快適にシアワセな気分で努めることができた。
工房内のオーディオプレイヤーから流れる「Buena Vista Social Club」に身を委ねたり、ヒッキー(宇多田ヒカル)の「Flavor Of Life」にエモーショナルな気分を高揚させられたからということだけではない。
乾湿計の針は30%台を指していた。
この時季なので、決して過乾燥という感じではなく、とても気持ちの良い陽気であったが、木工を生業にする者としてはとてもありがたい日々である。
今日はしたがってオイルフィニッシュ塗装を進めることができた。
Top画像はワードローブ・帆立部分、塗装途上のもの。(クリック拡大)
間口1,100、奥行き600、高さ2,000という比較的大きなサイズのものだが、帆立部分は框組、上下2分割で羽目板を収めているが、いずれも1枚板。
框の材は15年以上も前に全国広葉樹特別記念市で落札した、70cmを越える最上級のミズナラから木取りしたもので、柾目がストーンと通直しているすばらしい材。
一方画像で鮮明なように羽目板の方は、とても雅味のある木目が特徴的ないわゆる地楢(ジナラ)だ。
200年を越えるような樹齢のもの。
末口80cmを越え、長さも5m近いものだったが、これも地元の市で落札したもの。
下半分は虫害がひどく、それが嫌われあまりプロの人は投票しなかったのだろう。
でもボクはその原木の年輪に刻まれた樹齢とともに、かなりヌカ目でもあるために杢が期待できる木だと読んだ。
製材してみればいささか“あて”気味のところもあったが、なかなか木味の豊かな材だった。
これまで楢材の飾り棚などに限定して大切に使用してきた。
今回、このワードローブを制作依頼してきた首都圏のお若いカップルが、ぜひこの楢材でと、たっての頼み。
正直、ボクは一瞬我を失うほどに動揺した。
ワードローブのようなボリュームにふんだんに使われるのでは、これをもってこの滋味深い楢材は全て使い尽くすことを意味していたからだ。

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ミズナラ・ライティングビューロー

楢ライティングビューロー
昨日に続いてのライティングビューロー。
今日は先に納品済みのミズナラ。
仕様の基本ほとんど昨日記述した内容と同様。
ご覧のように塗装はダークオーク調に着色してのウレタンフィニッシュ。
これはクライアントからの要望によるもの。
そもそもミズナラという白木の材種では、オイルフィニッシュの良さは出せないので(オイルフィニッシュという塗装方法は元々濃色材向けのもの)、こうしたウレタンフィニッシュは悪い選択ではないと考える。
撮影は汚い工房内でのものであって、照明も適切にはできず、背景もめちゃくちゃだったので、とりあえず背景を別のものに入れ替えた。
ま、一応アーカイブとして撮り残しておいた、というところ。

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ウォールナットのライティングビューロー

ライティングビューロー1
ある大手の保険会社からの受注で制作したミズナラのライティングビューローとともに、このブラックウォールナットのものを制作しておいた。
既にWebサイト「木工家具の工房悠」には楢材とともにマホガニーのライティングビューローを置いてあるのだが(こちら)、依頼主は家具関連サイトへの検索でこれにたどり着き、白羽の矢が立った、ということのよう。
あまたある家具関連サイトから選んでいただいたことは光栄なこと。
しかしこれはライティングビューローというものはあまり制作されることが少ないせいか、ネット上では意外と良質なものが探し出せなかったからなのかも知れない。
このブラックウォールナットの方は既に納品されたミズナラのものとは材種だけではなく、サイズ、お宮(内部の仕切り部分)のデザイン、鍵の構成、など、いくつかの違いはあったものの、基本的フレームなどでは共通部分が多いので、加工生産性も高まり、結果、制作費用の低減に繋がっている。
なお、同じ材種でやれば、木取り(木拾い)において、より良質な選択が可能となるだろうから、如何に受注制作とはいえ、こうした手法は有効である。
販売力があれば一定のLOTでの制作も可能となり、よりコストを押さえることができるようになるが、しかしある限度を超えるあたりから品質管理における別の問題が出てくるだろうから難しい選択ではあるね。
仕様など簡単に紹介しておこう。

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Webディレクター・中村勇吾

昨夜のNHK総合・「プロフェッショナル仕事の流儀」のゲストはWebデザイナー、中村勇吾さん。(NHK対象サイト
Web潮流の最先端がどのようなものであるのか、関心はあるもののほとんどウォッチしていなかったが、この中村勇吾さんが制作したサイトは驚きの連続。
あれこれ語る前に、このNHK番組のために作られたちょっと遊び感覚のページを。(NHK番組サイト
ソースを読もうにも、そうしたスキルのないボクには解読不能ながら、Flashプレーヤー+XMLを基本として、彼ならではのプログラムが組み込まれているのだろう。
ボクが中村勇吾さんの仕事を知ったのは、たまたまUNIQLOのサイトに行ったときのこと。
クールでインタラクティブな仕掛けが散りばめられ、Webアクセスの無条件の楽しさが伝わってくるものだった。
へぇ〜、Webでこんなこともできるんだ、と見入ったもの。
最近話題になったのはNECの企画である「植樹プロジェクト 」、あるいは「Honda Sweet Mission」などだが、
amaztypeちょっと遊んでしまったのが次のサイト。
「amaztype 」
amazon扱いの本の検索ツール。
検索語の文字形状に、検索された本の全てが次から次へと積み重なる、動的経過はスゴイの一言。
Web上には多くのクールなサイトがあり、楽しめるが、中村勇吾さんのFlashは全く趣を異にする。
ともかくWebアクセスにおける楽しさを提供し、その結果としてクライアントへの関心を呼び覚ますという仕掛けは、とてもスマートで格好良いの一言。
世の中、やたらとクリエイターどもが増殖しているようだが、真にクリエイトしている人に出会うのは楽しいものだ。
彼はこの世界では全くの独学でスタートし、企業デザイナーとして安定志向するのではなく、何ものにも依拠しない独自のスタンスがまた彼の業績を産んだ重要なポイントかもしれない。
とりわけIT社会では個人の天才的とも思えるひらめきと才能、そしていくつもの困難を乗り越える強靱な精神力を継続して発揮できる人が頭角を現すことで顕著な世界だが、そうしたことは他の創造的な分野においても大きく変わるものでは無いだろう。
日本から発信される真にクリエイトな才能が枯渇する中にあって、中村勇吾さんの業績が世界から高い評価を受けていることはとても嬉しいこと。
■ 中村勇吾さんのサイト

卯月・4月

暦は替わって卯月4月。
昨日までの雨とうって変わって晴天。しかし寒い。
4月とも思えぬ木枯らしのような強い風がうなり声を上げ身体を震え上がらせる。
4月は新年度、新学期の始まりということで、慌ただしい中にも、淀んだ空気を払い清新な気持ちにもさせてくれる。
うちではこれといった新たなことがスタートするわけでもないが、木工界でも新たな職場に入社する人、関連する美術学校などに入学する人、あるいはまた訓練校の生徒としてのスタートを切る人もいるだろう。
これらの未来ある人に少しばかり先輩風を吹かせるとすれば「Do your Best ! 」と言っておこう。
経済的には過度に成熟しきった拝金主義の蔓延する現代日本において、あえて正当な評価を下されることの困難なこの世界に挑む若者は貴重な人材とも言えよう。
もちろん、あらかじめそうした覚悟ができている人ばかりではないだろう。
翻ってみれば、ボク自身からしてそうだったから言うのだが、さほどの能力、才覚があるわけでもない者が継続してやり続けることは易しいことではない。
多くの試練を乗り越えるだけの信念と、弛まない努力、あるいは社会人としての自覚と成長といったことなども継続のファクターとなろう。
長じて、少しは木工のことも分かってきて、相応の評価も受けられるようになるだろう。
モノ作りという職域ならではの継続する時間が醸す練達の技は何物にも代え難い貴重な資産だ。
そうであればやはりこの世界へのチャレンジャーには、ただDo your Best ! と声を掛けるしかない。
ところでこのBlogのアクセス解析をすると、閲覧される記事で常に上位にくるのが「訓練校」関連記事だ。(右メニュー・カテゴリー、「木工 訓練校情報 LINK集 」)
これは木工の職能を身につけたいと希望しアクセスしてくる人がかなりの数で存在することを示すものだろう。
アクセスしてきた人がその後どのような経緯を辿ったかなどは知るよしもない。
Web上のBlogという公的空間のものあれば、それもまた致し方ないこと。
ボクの知らないところで何か記事から示唆を受けて、次への行動へと誘い未来へ向けてのステップを歩み出すことに繋がったとすれば嬉しいし、逆に思惑とは異なる世界だと気付かされ、離れていった人も少なくないはず。
彼らから責任とってくれよ、と言われても、済まなかったねとしか応えようもない。社会というものはそのようなもの。
ルサンチマンも次へのステップへのエネルギーにできる人は心配する必要はないだろうし、自己嫌悪に陥る人であれば、人生は長く、自分にとっての適性などは死ぬまでに見つけ出せれば良いのでは、と応えるだけだ。
春、4月。モノ皆萌えいずる季節。一歩前に !
画像は、先週末の近くの河原の桜並木。
ソメイヨシノ

ディテールとエッジ

知人の木工家から、あるお尋ねがあった。
1つのテーブルのデザイン、ディテールがどうなっているのか見せて欲しいとのこと。
隠すほどのものでもないし、以前撮影していた画像が見つかったことでもあるので、ここで明らかにしておこうと思う。
下の画像は、テーブルの脚部、ディテール。(天板はまだ接合されていない状態)
テーブル脚部4本脚を幕板で結合するというごくありふれた構成のもの。
脚部デザインは、いわゆる“四方転び”の仕口で、“テリ脚”となっている。
四方転びそのものはイージーなものでしかないが、これを画像のような断面を持った造形を作り、これに仕口を施すのには、少し思考における自由度、加工プロセスの難易度も重なり、なかなか楽しい仕事になってくる。
木工家としてのボクのデザイン的アプローチとは、無論、目的とする調度品としての機能を十分に満たし、生活空間の快適さに少しでも寄与できるものを志向するのは当然としても、いわゆるデザイナー的アプローチのそれとはいささか趣を異にする。
ボクたちは木工の練熟した職人としての職能を縦横に発揮し、これを目的とする造形物に如何に対象化させるのか、という心配りを重視するという点においてデザイナーの思考スタイルとは少し異なる。

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