工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

卯月・4月

暦は替わって卯月4月。
昨日までの雨とうって変わって晴天。しかし寒い。
4月とも思えぬ木枯らしのような強い風がうなり声を上げ身体を震え上がらせる。
4月は新年度、新学期の始まりということで、慌ただしい中にも、淀んだ空気を払い清新な気持ちにもさせてくれる。
うちではこれといった新たなことがスタートするわけでもないが、木工界でも新たな職場に入社する人、関連する美術学校などに入学する人、あるいはまた訓練校の生徒としてのスタートを切る人もいるだろう。
これらの未来ある人に少しばかり先輩風を吹かせるとすれば「Do your Best ! 」と言っておこう。
経済的には過度に成熟しきった拝金主義の蔓延する現代日本において、あえて正当な評価を下されることの困難なこの世界に挑む若者は貴重な人材とも言えよう。
もちろん、あらかじめそうした覚悟ができている人ばかりではないだろう。
翻ってみれば、ボク自身からしてそうだったから言うのだが、さほどの能力、才覚があるわけでもない者が継続してやり続けることは易しいことではない。
多くの試練を乗り越えるだけの信念と、弛まない努力、あるいは社会人としての自覚と成長といったことなども継続のファクターとなろう。
長じて、少しは木工のことも分かってきて、相応の評価も受けられるようになるだろう。
モノ作りという職域ならではの継続する時間が醸す練達の技は何物にも代え難い貴重な資産だ。
そうであればやはりこの世界へのチャレンジャーには、ただDo your Best ! と声を掛けるしかない。
ところでこのBlogのアクセス解析をすると、閲覧される記事で常に上位にくるのが「訓練校」関連記事だ。(右メニュー・カテゴリー、「木工 訓練校情報 LINK集 」)
これは木工の職能を身につけたいと希望しアクセスしてくる人がかなりの数で存在することを示すものだろう。
アクセスしてきた人がその後どのような経緯を辿ったかなどは知るよしもない。
Web上のBlogという公的空間のものあれば、それもまた致し方ないこと。
ボクの知らないところで何か記事から示唆を受けて、次への行動へと誘い未来へ向けてのステップを歩み出すことに繋がったとすれば嬉しいし、逆に思惑とは異なる世界だと気付かされ、離れていった人も少なくないはず。
彼らから責任とってくれよ、と言われても、済まなかったねとしか応えようもない。社会というものはそのようなもの。
ルサンチマンも次へのステップへのエネルギーにできる人は心配する必要はないだろうし、自己嫌悪に陥る人であれば、人生は長く、自分にとっての適性などは死ぬまでに見つけ出せれば良いのでは、と応えるだけだ。
春、4月。モノ皆萌えいずる季節。一歩前に !
画像は、先週末の近くの河原の桜並木。
ソメイヨシノ

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  • 桜満開ですね。そうですね。4月に新生活をスタートした人達は一ヶ月もすれば理想と現実のギャップに直面する事でしょう。でも才能やチャンスや境遇なんて「継続し続ける事」の前には何ほどの事もないでしょう。『継続は力なり』
    もし岐路に着く途中、「もうだめかも」と思ったら、風とともに去りぬのスカーレットのように「明日の事は明日考えよう」とちょっと思考をニュートラルにしてほしいと思う。

  • 満開です。
    そうですね、継続のエネルギーが無くては、何ものも産み出されません。
    最善を尽くし、ひたむきに、ですね。

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