工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

新茶の季節

茶畑
週明けからの花散らし雨もようやく止み、春らしい暖かい日和でした。
写真のお茶畑は工房近くの牧ノ原台地のものです。拡大写真のように茶葉はぐんと伸びています。
この「牧ノ原台地」は全国有数規模の一大産地です。
天候回復してきましたので、県下の初摘み(ハウスものではなく、露地もの)は今日だったようです。早いですね。しかし平年に較べると1Weekほど遅いようです。
しかしまだまだ一部の畑だけで、大規模の1番茶の摘み取りは初取引が4月21日ですので、今週末あたりから本格化されるはずです。
新茶
今日はお茶についていくつかの情報と気になることなどについて・・・。
皆さんは普段どのようなお茶を飲んでいるのでしょうか。またギフトなどでも使われることの多いお茶ですが、どのようなものを求められますか。


【静岡茶というブランド】
静岡茶と言いますと、全国的にも名の通ったブランドです。静岡市の名店街に行きますと老舗の小売店が軒を並べて商魂たくましく商っています。
ボクのところではこうしたところでは買いません。どこから買うかと言いますとお茶農家から直売していただいています。
これは価格での選択というよりも、茶葉への信頼性に依るものです。
数年前、近隣の新興お茶会社の茶葉が添加物の問題でメディアをにぎわしたことがありました。
静岡県の条例では、お茶に添加物を混入させることは禁じていますが、違法に添加物(化学調味料)を入れて味をコントロールしていたのです。
また香典返しなどで頂くお茶には、あまりにも不自然な鮮やかな色を発するものなどもあり、これは明らかに着色しているものなのですね。
このように静岡茶のブランドを揺るがすようなこともしばしばです。
またさらには産地表示の問題もあります。
静岡茶はブランド名ですが、残念ながら他地域の茶葉をかなりの程度ブレンドして売られていることも良く知られたことです。
地元の人には失礼かもしれませんが、静岡と同規模の生産地が他にもあることをご存じでしょうか。鹿児島です。「鹿児島茶」といわれてもピンときませんでしょうから、「静岡茶」ブランドにOEM提供で販売しているのです。
商品表示の問題ですが、製造業者にモラルを求めるのはやはり限界があるのでしょう。
また、ブレンド技術はなかなか巧妙で、古茶をミックスすることもあり得ます。
こうした消費者には見えないところで、様々な人為的処理がされているのが実態です。
こうしたことを避けたいが為に、茶農家に直接販売して頂くのが安心ということになるわけです。
なお、価格ということからしますと、お茶の種類ですが、「荒茶」を求めることは賢明なことです。これは茶葉を選別する前の、つみ取られた状態のものをそのまま製造されたものなので、価格もこなれていて味も安心できるものです。
商品表示の法的規制は年々シビアになってきてはいますが、まだまだ流通経路で作為的に誤魔化されることの多い商品ではありますので、よほど注意しませんと本来の良いお茶を入手することは困難になってきているのが実態です。
【ペットボトル茶について】
最近のお茶の話題の一つとして、茶葉の需給が逼迫してきているということがあるようです。これはペットボトルのお茶の需要が伸びている、ということによるものです。
茶農家にとっては喜ばしいことでしょうし、子ども達にとっては甘味料たっぷりの清涼飲料水を飲むよりも、よほど健康にいいでしょう。
しかし、問題がないわけではありません。
TVのニュースなどで様々なところでの会議場が写し出されていることがありますが、テーブル上には各個にペットボトル茶が必ずと言って置いてあります。
問題はこのペットボトルです。
何故問題なのかと言いますと、石油工業製品であるペットボトルの素材と、そのリサイクルの問題です。
ここでは詳述は避けますが、決してお奨めできる茶飲料文化とは言えません。
会議に出されるお茶は給湯室で入れ、湯呑みに入れて出しましょう。男女雇用機会均等法の下、お茶汲に女性を使うことはありません。自ら買って出ましょう。
【THERMOS 携帯マグ】
ボクはペットボトルのものは極力買わないように心がけていますので、車で移動する場合には保温携帯型のマグを使います。
写真のものは[THERMOS]のものですが、ホームセンターで1.000円で求めました(安売りしていた)。片手で口を開けられ、そのままゴクッといけますので、使用感はとても良いです。運転中もこれなら飲料できます。マグ
ペットボトルという安易な快適さは本来の味を損ないますし、環境破壊に一役買っていることに気づいて欲しいものです。有限な資源である石油をこのようなものに用いて良いのだろうかという設問には正当な理由があります。
(因みに、PETはリサイクルされてフリースなどの素材になるから良いだろう、というのは半分は正しく、後半分は間違いです。フリースのそのほとんどはバージン素材を使っています。これは再生フリースのほうがコスト高になるからです。1部<パタゴニア>[参照]などが積極的に活用しているだけです。回収されたPETのそのほとんどは廃棄物として埋め立てられているのが現状です)
またまた辛口の記述になってしまいましたが、お茶文化は素晴らしいものです。近隣の茶産地では癌罹患率が少ないことが報告されています。子どもの頃からがぶ飲みしているからだそうです。冗長になりましたので詳述は避けますが他にも様々な効用が発見されているようです。
どうぞぜひ美味しく淹れてがぶ飲みしてください。
■関連サイト
(社)静岡県茶業会議所の(Q&A)は、なかなか読ませてくれます。
http://www.wbs.ne.jp/bt/chacha/
・知り合いの茶問屋で、お茶文化の普及に奮闘している葉桐さんのサイトです。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • こんにちは!
    お茶考証参考にさせていただきます。
    新茶のシーズン今から楽しみです。
    ところでブログの右側CD紹介のところ・・・
    “ナッシングス・イン・ヴェイン”ってどうですか?
    SALIF KEITAの“MOFFOU”にも感じたこと・・・などの文字が
    みえるのですが。上記のCDは3年前に買ってお気に入りのCDなのです。artisanさまのコメント次第でポチっとおしてしまいそうです。

  • aiさんのミュージックフィールドワークも広いんですね。
    サリフ・ケイタもユッスーと同じく西アフリカのポップミュージシャンですね。
    しかし出自がかなり異なるようですので、そのせいか歌の世界も違うようです。
    ユッスーが好きなのは、西アフリカ特有のリズム楽器をバックに力強い歌声を響かせてくれることは勿論ですが、詩の内容が日本人がとうの昔に置き忘れてきた希望と夢のあるプリミティブな世界があるからです。
    どうぞ公式Webサイト
    http://www.youssou.com/
    で試聴され、気に入ったらクリックしてください(^_-)-☆。
    桜前線、そちらには今週末くらいでしょうか。
    aiさんの手になる美味しいお弁当作って、楽しんでください。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.