工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

クラロウォールナットとの別れ

クラロウォールナット
台風接近 ! ここ静岡でも朝から不安定なお天気。
この後台風通過まで数日影響を受けると思われるので、晴れ間を見て倉庫での在庫確認をしちゃわねば、と出掛ける。
先週、阪急梅田に出品したクラロウォールナットのテーブルが売り上げられたのだが、数十分後に別のお客がどうしても同じものが欲しいという。
この原木からはすばらしい木味の板が何枚も採れた。これをここ10年ほど大切に使ってきたが、テーブル天板に使えるようなものはとうとうこれが最後。


製品に仕上がり、お客のところで次の生を送ってくれることは嬉しくもあり、一抹の寂しさを覚えることも確かなこと。
他の樹種では感じることのない特別の感慨がある。
恐らく同じ樹種で、これだけのボリュームで、同等の木味のものを見つけることは至難だろう。
あらためて、これまでこのクラロというとても貴重な財宝に見合う仕事を施してきたのか、深く検証を迫られるような思いもある。
この原木は地元で最大の帯ノコを持つ製材屋で製材したものだが、残念ながら限界を超える太さがあったので(1.4m)、泣く泣く、チェーンソーでクラロ特有のでっぱりを切り落としたという経緯があった。
現在この切り落としが残っていてとても良い杢が出ているので、美しいキャビネットの扉に使おうかと考えている。このことでせめてもの罪滅ぼしとさせてもらえればと思う。

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  • その後で、もう、使えないなぁってサイズの
    端材になったらください。
    以前頂いた楢の端材から綺麗なボールペンが
    出来ました。ちょっと落ち着いたら送ります。
    良材は最後の最後まで。
    最近、うちのミニログハウスのトイレなんですが
    おがくずコンポストトイレでして、旋盤の時の
    おがくず(広葉樹のみ)を利用することがわかりました。
    最終的には堆肥になります。
    うちの周りの畑に蒔きます。
    スモークチップになったり堆肥になったり。
    大活躍ですよ。

  • kentさん、そうでしたね。
    CLAROウォールナットは、貴重にしてちょっと入手困難な樹種ですのでねらわれてますね。
    これまでも端材という端材は全てストックしてます。抽手他、その大きさ、杢により使い回しています。
    ボールペン、お返事してませんでしたね。楽しみ〜♪

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