工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ナイフ交換と機械整備

プレナー

一仕事を終えれば、間を置くこともなく次の仕事へと進んでいくが、まず行うのが作業場の整理とともに機械の整備ということになる。

ダストを払い、油を差し、グリスアップ、そして必要とあらば調整もする。
同様に切れが甘くなった刃物の交換も重要。

今日は横切り盤の木取り用の60p 355 と、胴付き用100p 355、を更新し、プレナーの刃物も交換した。
ボクは貧乏性であるのか、刃物交換はさほど積極的に行う方ではない。
しかもこのプレナーの場合、超硬刃を使用しているので、かなり長期にわたって使い続けるということになり、機械管理手帳を見なければいつ交換したのか思い出せないほどに忘却の彼方である。

さらには刃こぼれしている部位を避けてまだまだ使い続けられるだろうという小賢しい解釈が優先されるのもしばしば。
しかし今回はそうした往生際の悪さを超えて、いよいよ交換の時期であることを迫っていた。

と、新しいジョインターナイフを箱から取り出し、防錆紙を剥がすと、ナイフの胴の至る所に錆が来ていた。

在庫管理が悪かったのだろうか。
先端のカーバイドチップは合金製なので錆は無い。

ジョインター

したがって切れ味には関係しないが、長期に放置しておくと錆が深まる怖れもあるので、サンドペーパーなどで、チップに触れないように気をつけながら処理する。

以前も刃物交換作業での要領に触れてきた(こちら)ので、繰り返すことも無いが、ダストを払い、場所によってはシンナーで洗浄し、刃物締め付け用の小ボルトなど回転部には油を差し、そうして高精度を維持し、快適な機械環境を整える。

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  •  写真を拝見しニヤリとしています。脇役が揃ってますね。
     うちの弟子は刃こぼれがあっても気づかないタイプ(2号)と少しでも刃こぼれがあれば即取り替えたいタイプ(1号)が揃ってますが、いずれ杉山さんのように達観(!)してくれればと思うときがあります。
     子供の頃、エンジンラッパ(マシン油注しをそう呼んでましたが、僕だけでしょうか?)が欲しくて欲しくて、工房に僕専用のものを置いてもらい、油をさしてさしてさしまくっていました。今でも油を注すという行為自体が好きです。
     僕の同級生達もあまねくそうでしたが、今の子供はどうでしょうね。
     自動車や単車も好きそうだけれど自分で構ったりはしていないようですね。

  • たいすけさん、いやはや、「達観」はただの買いかぶり。
    (ただ一般のSKHではなく、超硬チップはコスト以上に使えますのでお薦めです)
    たいすけさんはやはり〈門前の小僧習わぬ経読み〉ですね。
    私などは駄馬ですので、「達観」への道のりははるかに遠く、です。
    機械への愛着という要素は、モノ作りにおいて必須の要件ではないかもしれませんが、その心構え、あるいは好きこのむ、という資質の有無は制作結果に何某かの影響を及ぼすこともあるかも知れませんね。
    最近の車などはブラックボックス的要素が増えてきていて、なかなかアプローチが困難であるという問題もありますが、木工機械などはとてもシンプルですので、油まみれになってかわいがってやりたいものです。

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