工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

プリンターインクの憂鬱

ここ数日プリンター(インクジェットプリンター)のインクカートリッジの不調で印刷環境が芳しくなかった。
ボクのものは5年ほど前に購入したA4サイズの普及品。
うちの使用環境では十分な品質なので、特段更新しなけれならない理由もなく使い続けてきている。
これがインクカートリッジを交換した後に不調になってしまった。
カラーは5色なのだが、このうちの1つノズルからの噴出の調子が悪かったようだ。
一般にこうした症状ではノズルクリーニングという改善方法を試みれば、大概改善される。
しかし数回これを試みるも改善の兆しがなかった。
実はこれには明らかな事情がある。インクカートリッジの不良によるものだということ。
実は交換前まではプリンターメーカー(EPSON) の純正品を使用していて、その後、いわゆる「リサイクル品」といわれるタイプのものに交換して、不調になったという次第。
メーカーが異なればそのインクの性質も異なるので、不調になるのも当然。でも一度ノズルクリーニングをすれば改善してきたのがこれまでの経験則。
然るに今度だけはダメだった。
同じメーカーの在庫はこれが最後で、交換するわけにもいかず、やむなくメーカーと交渉。
メーカー曰く「リサイクル品なので、たまに不良品も出てきます。申し訳ありません。責任もって交換させてもらいます」とのこと。
この誠実な対応に気をよくし、あらためて数本購入することを決断し、その旨伝えると、「さっそく本日交換品1本分を加え、お送りします」ときた。
翌日間違いなくこれが届き、この届けてくれた運送屋が同時に問題のインクを引き取ってくれた。
さっそくテストしてみると快調であった。
さて教訓だが…、


今回の問題では「リサイクル品」の問題性も気づかされたが、同時に「リサイクル品」メーカーの誠実な対応に企業努力と、信頼性の高さを確認させてくれたものだった。
諸兄はインクカートリッジの購入はどうされているだろうか。
昨今、インクジェットプリンターの性能は驚くばかりに向上し、その価格も低廉傾向だ。
然るにだ ! インクカートリッジに投下されるランニングコストの高いことは何とかならないのだろうか。
ボクのような個人のファミリー使用環境においてもインクカートリッジの購入費用は数ヶ月で本体価格に相応する額に到達してしまう。
ボクなどは古くさい機種のものだが、新型機種のインクカートリッジはこれに較べかなり高いものに付くのではと思う。
これは、業界が実質2社の寡占状態ということに競争原理が働かないのか、企業間の不当な取引があるのではないかとも勘ぐりたくもなる高価格だ。
恐らくはこのインクで莫大な利益を吸い上げているに違いないだろう。
ネットサーフィンで、「リサイクルインクカートリッジ」があることを知ったのはさほど昔でもなくここ1年ほど前から。
その後下記のメーカーのものを恐る恐る使い続けるも、問題があったのは今回のみだ。
メーカーはこうした非純正品を使うと壊れるよ、とアナウンスしている

キヤノン製のオプション・消耗品(カートリッジ)は、キヤノン製品専用に開発されています。
性能を維持・安定して使用し、快適な出力環境を得るためにキヤノン製のオプション・消耗品をご使用されることを
おすすめします。
「純正品以外の消耗品のご使用は、製品本体への悪影響や印刷品質の低下等、製品本来の性能を発揮できない場合があります。
純正品以外の消耗品ご使用に起因する不具合への対応については、保守契約または保証期間内であっても有償となります。
(純正品以外の全ての消耗品が必ず不具合を起すと断定しているわけではありません。純正でない消耗品を使用する場合にはご留意ください。)
      キャノンWebサイトより

プリンタ性能を最大限に発揮するために、エプソン純正品のカートリッジおよびプリンタ用紙のご使用をお勧めします。純正品以外のものをご使用になりますと、プリンタ本体や印字品質に悪影響が出るなど、プリンタ本来の性能を発揮できない場合があります。
      エプソンWebサイトより

消耗したインクカートリッジは各社、それぞれ大型販売店などに回収Boxなどを置いてリサイクルしている。しかし再生されるのは駆体のみ。リサイクルプラスチックとして様々な用途に使われているという。(リサイクル率は数%程度)
残念ながら回収されたカートリッジにあらためてインクを封入して再販するようなことにはならない。もちろんこれは新たに製造するよりもコスト高になるかもしれないことは理解できる。
トナーカートリッジのリサイクル、再使用はされているようだが、インクジェット用カートリッジは何故かまだされていない。
こうしたことも高度工業化社会の矛盾ですか?
自己防衛策としてはこっそりと純正品ではなく、「リサイクル品メーカー」のものを使うことが賢明ということですか。
因みに件のリサイクル品の価格は業界でも安い方と考えられる「アスクル」と比較しても純正品の半額以下。
■ 再生品取り扱い店 株式会社 ワンステップ

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