工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ねじの話し

ネジ
家具製作においてはしばしばハードウェアを用いることも必要となる。
飾り金物(ハンドル、丁番、鍵など)の他、機能金物も重要。
一般に木工家具では接合部分に「木ねじ」が多く用いられるが、時にはボルトナットなどのいわゆる金工、あるいは建築などに用いられる金具なども使われることがある。
その種類たるや、星の数ほどのものがあり、普段木工関連のハードウェアに接しているだけでは解らないことも少なくなくその選択に迷うことも多い。
ありふれたものであるとか、少量であれば、最近ではホームセンターでのこの分野の品揃えも豊富になっているので、こうしたところで事足りることも多いだろう。
昨今ではホームセンターも大手のチェーン店では専門業者対応型ともいうような品揃えになりつつある。
品揃えという面だけではなく、スケールメリットを活かしての大量仕入れ、旧来の流通経路をショートカットした仕入れでの廉価販売というコスト面でメリットは大きい。
しかし特殊なものであったり、ある程度まとまった数量が必要であったりコストを押さえたい、ということになると、それはもう専門業者にアタックすることが必要になる。また専門的な商品知識、周辺情報などに接することが出来るのもこうしたところでのメリットだ。
しかしいちいち商品について訊ねるわけにもいかない。でもあまたあるなかから希望のものを探し出すことは困難だね。
そこで、ジャ〜ン !
「ねじのカタログ」登場。
ねじの総合カタログだ。


ねじ カタログ発行は ??、良く分かんない。クレジットが無し。
これは近くのねじ専門業者で買い求めたもの。したがってこの業者のラベルが貼ってあるものの、編集、発行元は不明。
ネジ、ボルト、ナットの全てはもちろん、特殊なものも、周辺関連部品まで網羅されている。900頁近い厚さだ。
求めたい方は近くの業者に尋ねれば入手可能だろう
もう2年ほど前のものだから価格も忘れた。1,000円ぐらいだろう。
因みにボクが求めたのは
株式会社 池田ネジ商会。(自社サイトではないが…)
ここは徒歩でも行けるほどの距離にあり、いつも世話になっているありがたい存在だ。小ロットでもいやがらずに探し出してくれる。
店頭では女性従業員が多いが、その商品知識は豊富で、ほとんどたちどころに倉庫の奥から探し出す。
しかしこのカタログを眺めていると、その種類の豊富さに圧倒されてしまう。
同じ機能、サイズのものでも、素材、仕上げの違い、微妙な補助機能があったりと、日本の工業製品の末端部分でもすばらしい業務内容で展開されていることを知ることが出来て、嬉しくなってくる。
まぁ、これは少年の頃のプラモデルを楽しむ心理に近いだけなのかも知れないけど(苦笑)。
少し話題が変わるが、今ある必要に迫られて、縦軸面取り盤、ホゾ取り盤などで使うカッターブロックの入手を検討しているが、特殊なものなのでその仕様等の分析が必要であれこれとメーカーサイド、機械屋との折衝をしている。
大きな製造メーカーとは異なり、工房経営というスタイルでの機械の管理運営はこうした特殊なものの導入などではやはり情報の伝承、共有という点での難しさが出る。これを補うには大きなメーカーの工場長などと懇意になり、教えを請うことなども重要だ。
機械屋は所詮機械屋。木工の機微についての専門的知識を求めるのは無理というもの。
木工家の皆さん ! 機械刃物についての情報を1つ。
縦軸面取り盤のカッターブロックは現在、「カネフサ」、「ライツ」および「松岡カッター」から求めている。
(以前も何度か触れたね)
それぞれ得意な分野があるので、よく検討して決定されたし。
ボクは「ライツ」のものが多いが、ただシャンク径が大きすぎることが多い(日本では25.4mmだがドイツは30mm〜だ)ので要注意。
しかしそのラインナップは豊富で、信頼性も高いと見て良いだろう。
因みに「松岡カッター」のものもドイツからの輸入のものが少なくない。
ところでこうしたカッターブロックだが米国から輸入している業者は無いだろうか?どなたか有益情報ください(シャンク25.4mm以上であればOK。アマチュア向けSHAPERだと細いシャンク用のものがほとんど)。

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