工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「ドロワーテーブル」加工のポイント

「工房 悠」サイトをメンテナンスしていて、月初めにupした新作テーブルのページが、少し寂しいと感じ、構造の一部のディテールを少し付加させることにした。
これは「ドロワーテーブル」というものだが、天板下の幕板部分にシルバーなどの整理、保管のための抽斗を設けた構造となっている。
このエントリーでは、製作工程でのポイントをについて若干触れてみたい。
特段、変わったことをやっているわけではなく、プロの職人であればありふれた事に過ぎないが(汗;)。
また、今回紹介することが最善ではないかもしれないし他にももっと良いプロセス、手法があるかもしれない。
さて前置きはこれほどにして…、
このテーブル加工の何を紹介するかと言うと、抽斗の入る幕板部分の加工についてだ。
基本的な考え方を示せば、あくまでも一枚の板の如く構成することである。
画像 2 の前板部分の木目の流れで見て取れると思う。
ドロワーテーブル1


ドロワーテーブル2
ドロワーテーブル3
【木取り】
通常の幕板の時とほぼ同様に木取るが、板幅、長さはノコのアサリ分やや余裕を持って木取る。
【加工】

  1. これをまず図3の、A、B、C+X+D の3つに割く。
  2. 割いたところをプレナーなどでさらさらと鉋掛けする(Max1mmほどの削り代←出来るだけ少ない方が望ましい)。
  3. 中央の C+X+D 部分をそれぞれ切り分ける。
  4. 抽斗前板X部分を除き、接合し直すのだが、できるだけ元通りにするために、接ぎ合わせ部分はビスケットなどで位置決めすることが望ましい。
  5. 接合時には前板部(X)も挟みながら軽く長手方向からも圧締を加えてやることが重要。(前板は上端をあらかじめ少しだけ削っておくと良いだろう)
  6. 後は通常通り進めればよいが、今回の抽斗スリ桟は吊り桟方式にした。

【参考まで】
これは一例だが、他には前板部分を字義通りに刳り抜く方法がある。
丸鋸、手ノコなどを使いこなし抜けばよいだろう。
ただノコのアサリ分消失してしまうので、ここは通常は前板の木端、木口に別の板を張り合わせて対応させる(「紐を巻く」と呼称する)

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