工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Blog 継続の意味って ?

バナー

Blogのリニューアルをしたまでは良いのだが、そこであらためて木工職人としてのボクのBlog運営とは一体何なんだろう?という素朴な思いにとらわれるのも、WordPressの設置、データ移行、再構築という一連の作業からの疲労感からくる虚脱状態からのものなのだろうか。

確かにそれもあるだろうが、恐らくはもっと本質的なこれからのBlog運用における構想の建て方を考えた時の不確かさからくる迷いのようなものであるかも知れない。

Blogを設置している友人、知人ともこうしたことが話題になると「もう、一時のブームも去って、みんな疲れているんじゃない?」、
「オマエのくだらんBlogは自分の木工にとって、どれだけの意味があるのか、良く考えろ [ビシッ ! ]」、
「ちょっと書きすぎだよ、あんたは‥‥、読むのにどれだけ苦労させられていることか‥‥」

いろいろと言ってくれるじゃない‥‥。一つ、ひとつ、肯くしかない(爆)

木工というきわめてアナログ的な世界の仕事に日々従事する者が、こうしたBlogというツールのデジタル世界に戯れる、という営為とは、いったいどのような意味を持つというのか。

ボクなどの木工家具制作という生業では、受注した家具をシコシコ作り、たまに個展を打ち、“自己実現”の思いを果たす、という生き方でそれなりに充足した人生を送ることもできたはず。

ところがインターネットという現代的な情報メディアが広く普及し、誰でも廉価に環境整備ができ、その意志さえあれば世界にあまねく発信するツールを手にしたことによって、その生き方も変容せざるを得なかったのは必然だったのだろう。

つまり拙劣で非力なものであるけれど、個人が小さなメディアを獲得してしまったことがいかに革命的なことであったか。
こうした激しい環境変化を受け、モノ作りという1つの表現行為の随伴者として活用することの有意性に気づくのも当然のこと。

こうして、それまではただのワープロ、あるいは計算機でしかなかったコンピューターがメディアのためのデータを作るマシンとして活用されるようになっていく。

ボクも2001年に非力なMacからPowerBook G4に乗り換え、Web構築へ向け、グラフィックソフトを学び、Webオーサリングソフトと戯れ、そしてその年末に完成させた。

グラフィック関連ソフトを駆使し、GoLiveをぐにゅぐにゅいじり、目指すページを作り上げる作業は、完全な独学環境であれば苦悶以外のなにものでもなかったが、しかしその一方では欲望達成へ向けての快楽でもあったことも事実。

今日のタイトルバナーで例えてみると、

  • 背景画像を撮り、
  • 切り取り、
  • 透明背景にマスクで文字を置き、
  • 白で塗りつぶし、
  • 1px拡大し(輪郭)、
  • 黒で塗り、
  • ドロップシャドーを掛ける。
  • 別途、文字背景に置くための透明化した黄色の枠を作り
  • 境界をぼかし
  • それぞれを背景画像にレイヤーとして重ね合わせ、
  • 不透明度の調整を行う。

手描きだととてもめんどうくさいグラフィック作成作業プロセスも、こうしてわずかに10クリックほどで簡単にできてしまう。

しかも、これらは誰の助けも借りずに、独学で簡単に修得できる程度のスキルでしかない。
これが快楽でなくて何なんだ。

同様にWeb構築のスキルもそうした延長線上にあるといっても大きく間違っているとは思えない。

つまり誰もが持ちうる程度のマシン、ソフトウェアという環境があり、その意志さえあれば、ネット上でかなりの程度の表現行為ができてしまうということ。

Blog設置もその延長線上でもあると捉えることができるわけだが、むしろそれ以上に縦横無尽に語ることの許されるツールとしての特質に填ってしまったというのが正しい。

(この項、もう少し続ける)

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