工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Dominoによる接合強度試験(準備)

Domino1
画像はご覧のように椅子の制作途上のものだが、Dominoを用いての接合である。
これは実はうちのプロパーな椅子ではなく、椅子の構造試験のための与えられた設計仕様に基づき制作しているもの。
与えられた課題では通常の枘構造で1台制作すれば良いのだが、せっかくの機会だからというワケで、Domino接合での構造強度試験をやってしまおうという企み。
Domino2FWW誌新刊#203「JOINERY SHOOTOUT」によれば、このDominoの試験結果はあまり芳しく無いようなのだが、接合に要求される要素というものは、単に接合強度だけというものではなく、位置決めの精度であったり、加工性であったりと、複数の要素が絡んでくるので、これらを総合的に評価されねば実践的となものとはならないと思うのだが。
試験方法も、椅子という家具の中ではもっとも過酷な使用環境にあるものに、果たしてどの程度適合するのかも良く検討されなばならないしね。
いずれまた結果を報告できると思うので乞うご期待というところだね。
PS:ここ数日の初夏のような陽気からは一転して、強風が吹き荒ぶ一日だった。
  しかも、傾斜盤で加工している最中に停電。電灯、動力ともに停電。架線が強風で切断したか、変電所に異変があったか。(1.5時間ほどで回復)

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  • はじめまして、Dominoの強度試験の結果とても興味があります。詳しい結果報告を楽しみにしております。

  • mu-さん、ようこそ、です。
    >Dominoの強度試験の結果とても興味があります
    mu-さんもギリギリと念力を掛けていただき、待ってください。

  • 強度試験、興味がありますが
    もし、結果満足のいくものであった場合
    全てこれになるのでしょうか?
    技術とか熟練とか入り込み余地は段々減って来る
    のでしょうか?

  • 私も結果と同様、探究心の着地点が気になります。
    墨の精度が命、ってことになるのでしょうか・・・?

  • acanthogobiusさん、
    >全てこれになるの
    あり得な〜い。
    昇降盤での枘加工、角のみ盤での枘孔加工の環境と技量があれば、Dominoの活躍の場は極めて限定的です。
    なお、今日試験場へと持ち込んだのですが、強度試験は来月にずれ込みそうで、したがって結果報告はかなり先になりそうです。
    無名さん、
    >墨の精度が命
    いくつかの求められる要素のその1つが墨付けであることはその通りですね。
    Dominoはかなりの精度で攻められますが、機構上、やや難があります。

  • こんにちは、
    私も非常に興味がありますが、もし良ければ一つ教えて下さい。椅子の強度試験はJIS S 1203準拠と思われますが、この中には、いろんな方向での荷重テストがありますので、被試験品が一つでは全部の内容をテストできないと思われますが、どのようにされているのでしょうか?

  • 松本さん、お詳しいですね。お役人さんですか?
    お説の通り、JIS 〈S 1203〉「家具ーいすおよびスツールー強度と耐久性の試験方法」という奴ですね。
    まずは座面と背もたれの静的強度試験をやり、予算と時間があれば、それぞれの耐久性試験をやろうと企んでいます。
    材種などが異なるものの、10名ほどの制作参加者がいますので、複数試験するようになります。

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