工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

会津・豪雪の報を聴きながら

年の瀬のこの時期、これまでもそうであったかも知れないと思い起こすこともできるが、自衛隊出動による除雪という事態までの豪雪はやはり記録的だ。(毎日jp・画像一覧

昨年から数回、この会津坂下(あいづばんげ)地区を訪れているので他人事のようにも思えず、一刻も早い除雪と通行開始を願いたい。
国内でも指折りの温暖な地域に住んでいると、豪雪地域で暮らす人々の苦難は想像の域を出ない。
かろうじて、豪雪とは言い難いものの標高700mの松本平で3度の冬を過ごしたことで体感的なものが少し蘇る程度。
彼の地ではー14℃という極寒の日があったが、積雪はせいぜい30cm止まり。

しかしその程度では雪国の人々の身体に染みついた雪との関わりと、そこから形成される心性あるいは身体性という領域のことなど理解できるわけもない。
シンと静まりかえった夜の静けさの中で、時折ドドッと屋根から崩れ落ちる塊がもたらす音の心細さも、早朝踏みしめるカサッ、カサッという雪の感触も、パチッ、パチッと弾ける薪の身体にしみいる暖かさも、身体記憶とはなり得ない。

ボクのように辛抱がきかず、忍耐が無く、胆力に欠ける者とは逆に、この地の人々は優れて肝が据わっている。
まさにエートスとして形成される大きなファクターが、この雪ではないだろうか。

確かに田中角栄の日本列島改造以降の開発で、大きくこの地の人々にも手がさしのべられ、生活環境も変貌してきただろうけど、DNAレベルでの身体性、心性が根元から溶解していくものとも思えない。

彼の地の人々と酒を飲み交わし、数日という単位での居留であっても、そうしたことに考えを巡らされてしまうのも事実なのである。

さて、一転して我が暮らし。
晩秋から最近まで、iPhone4などで撮り貯めた中から数枚を貼り付けてみる。
木工とは無関係のものばかりで、悪しからず。
どちらかと言えば食い意地が張った物が中心。

ではいよいよ押し迫ってきた年の瀬ですが、寒さにめげずにお過ごしください。

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  • 普段は只見に住む木工仲間が年越のために上京しているので
    今晩、忘年会の予定ですが、1メートルを越える雪で只見の
    留守宅のことが気になるようでした。

  • >只見に住む木工仲間が年越のために上京
    以前もその方の話しがありましたね。

    忘年会で盛り上がっている頃でしょうか。
    大晦日から新年に掛けさらに強い寒波が、との予報もあり懸念されます。

    (いつもとは異なるIPアドレスだったようで、認証手続きが必要だったようです)

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