工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ogee:ヒョウタン

flame

ogee flame


家具制作において、面形状をどのようなものにするか、ということは、もたらす表情を決定づけるものだったりもするので徒や疎かにはできない。
建具のフレーム内部の見込みに施す面形状も同様。

現代はあまりクラシカルな面形状は古くさく感じるので好まれず、できるだけシンプルに考えるというのが通例だし、ボクも切り面、小さな坊主面でシャープに上げるということが多い。

今回はこれを逸脱してogee、いわゆるヒョウタン面を取ってみた。
以前、開業時の頃、イギリスアンティーク家具ショップの特注家具をかなりのボリュームで請けていた頃に作った傾斜盤用のヒョウタン面カッターがあり、これを使った。
いくらも使っていないので、良く切れる。
全く同じ面形状でルータービットも作ったので、曲面成型も可能だ。

でも今後もあまり使う機会は無いかも知れないね。

親方も良くぼやいていた、
‥‥ これなんか、1回こっきりだよ。君にあげるよ‥‥、なぁんてことが良くあった。

面取りカッターという世界は、そのほとんどは図面を書いて、業者に作ってもらうか、
あるいはハイス刃であればグラインダーで器用に自分で作ってしまう、というのが洋家具職人の一般的なスタイルだ。
超硬刃が一般的になってからは、基本的な面形状のものは既製品として出回るようになっているが、大手メーカーのカタログにこうした面形状のカッター類のリストが無いのは、そのほとんどが受注制作というスタイルを取っているからだ。

さて、面はともかくも、前回の鉄砲玉阻害。
画像のように円弧状の曲面成型の過程で完璧に除外できた。ホッ ‥‥ 。
これは学習机と合わせた掲示板(一部)。
ホワイトボード+コルクボード

今日はこいつのカットで火花を散らしながらの作業だった。
切れが止んだチップソーを横切り盤に取り付けてホワイトボード(薄い鋼鉄製)をチ〜ンという金属音を放ちながら、時折火花を散らせながらカットしたのだが‥‥、
木工屋の機械設備を前提として考えた時、他の方法があったのだろうか。
まぁ、無事にキレイにカットできたので良しとしよう。

ところでSt. Valentine’s Dayでもらったチョコも良いけれど、
負けず劣らず、この画像のブラックウォールナットの色調も良いと思わないかい。
あえて色名を付ければ、やはり〈チョコレートブラウン〉だね。
ブラックウォールナットの基本色だ。

hr

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