工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

秋の兆しは突然に‥‥

加工途中
暦では既に7日に“立秋”を迎えているが、この二十四節気をみれば週末23日は“処暑”、つまりようやく暑さも鎮まる候となる。ようやく秋ですよ。
(今年の場合はいくらも盛夏の日がなかったが‥‥)
確かにここ数日、朝晩の空気が違ってきている。
ムッとするような暑さに変わり、吹く風にも涼しさを感じ、少し凌ぎやすくなってきた。
これは体感での変化の兆しだが、実はそんな悠長なことではなく、今日は仕事上で大きな障害として、このことを感じさせられた話しを少し‥‥。
ボクの仕事は可能な限りで精度を追求することを旨としているが、2日前に木取りした材料がひどく痩せてしまっていることに驚かされた。
50mm角のミズなら材が、何と0.1〜0.2mmも痩せてしまっていた。
そんなの大した数値じゃないじゃん‥‥、とはいかない。
2本のこの材料で框を組めば、合わせて0.4mmの短縮となってしまう。胴付きも何もめちゃくちゃ。
あわてて湿度計をみれば、何と40%を切るようなレベルを指しているではないか。
今日の当地、ほぼ快晴、気温は30度を超えていたはず。
猛烈な暑さと強烈に湿潤な大気は人の正常な生息を困難にするほどだから、秋の兆しはありがたいのだが、しかしその移行はスローであってもらわないと、困る。
いきなりはまずいよ。
今日は雨でもあるまいに、加工を終えた部材は一々分厚い毛布の下でオネンネしてもらいながらの作業だった。
このまま、この乾燥した大気で覆われていけば良いのだがね。
高校野球の決勝戦が終わるまでは、まだまだ暑さも続くだろうし、これからの時期というのは台風襲来の候となるので、これにも要注意だね。
画像は数日前から始めた小さな机の加工。
明日は一気に加工を終えよう。湿潤な陽気が再来する前に組んでしまいたいからね。
閑話休題
ところで‥‥、北陸、東北地方は梅雨明け宣言されていないよね。
このまま秋へと移行?
日照時間もとても短いようだしね。米の作況が懸念されますね。

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  • 「小さな机」もう少し見たかったですね。
    剣留めほぞの加工の跡が見えます。
    木口周辺の仕口も複雑そうです。
    これから9月に掛けては天候によって湿度が大きく変わる
    時期ではないでしょうか。
    「材が0.2ミリ痩せてしまって困るよ」なんて言う加工を
    私もやってみたいです。

  • acanthogobiusさん、この夏は楽しめましたか?
    画像は“仕事もしていますよ〜”というアリバイ証明みたいなもの。
    依頼主にそれとなくアピールしている、といったところ。
    加工途上の痩せですが、全てが均等に収縮するのであれば相殺されるので気にせずに済みますが、繊維方向が違ったり、収縮率も不均等ですからね。
    例え無理して組むことができても、┗(カネ)が取れなかったりします。
    精度追求というのは、品質追求とともに、無理と無駄を無くし、スマート、スピーディーに進めるための要諦でもありますからね。
    要するに余計なことはせずに済ますための肝。
    言い換えれば“プロダクト的なアプローチ”というワケですよ。

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