工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

デジタル角度計

デジタル角度計

先々月から2回に渡り海外から電動工具などを取り寄せた。
いずれも興味深い品々で、近く紹介したいと考えているが、まだその準備も十分ではないので、同梱してもらったツールの1つから取り上げよう。

今日紹介するのは〈8” Wixey™ Digital Protractor
デジタルの角度計だ。

ネット上で良く紹介されているマグネット付きの四角いコンパクトなものとほぼ同じようなものとも言えるかな。
まずは定盤に置いてゼロ設定し、傾斜した刃物などにマグネットで固着させて傾斜角を求める、という簡単で高精度なものだ。
デジタル表示であれば、読みの段階、視認における誤差も避けられるので優れたツールといえるだろう。

今回輸入したものは自由定規的な機構に角度計を付けたものと言えば分かりやすい。
バーはアルミだが、マグネットの働きもある。
したがってコンパクトな角度計と同様の使い方ができるとともに、マグネットが使えない非金属、木部が対象でも使える汎用性が高い代物と言えるだろう。

製造における機械精度も悪くないようで、仕上げも良質だ。
0.1度単位での表示ができるので、木工においては十分な性能と言えるだろう。

画像は椅子の笠木の傾斜を手押し鉋盤で調整するための計測。
まず定盤の上でこの計測器を折りたたみ、ゼロ設定のボタンを押す(マグネットでピタリと吸い付く)。
12度傾斜のカットを行うので、[90+12=102度] にバーを傾斜させ、そのレベルにフェンスを合わせる。
こうしたところはコンパクトなデジタル角度計の方が簡便で十分なのだがね。
ちょっと事例が良くなかったかもしれない。

汎用性はWixey社のサイトで確認して欲しい(苦笑)。

このところ為替が円高に推移している。
円高と言われてはいても、問題はドルへの信頼喪失が元凶であり、世界経済の混迷、衰退の表象ということで、今後の推移を注視せねばと思っているが、海外からの買い物となれば割安感もあるので、買い控えていた道具入手のチャンスということでもあるだろうね。
今回の〈8” Wixey™ Digital Protractor〉は60ドルほどだった。

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  • 同じ物を私も便利に使っています。
    予備のボタン電池を揃えておくのが良いと思います。

    ところで、工業的な考え方からすると、セッティングした角度で
    加工できないといけないのでしょうが、時々そうならずに苦労することがあります。
    手持ちの機械精度がそこまで付いて行かないこともあるでしょうし、
    機械のセッティングがどこか間違っている、もしくは甘いのかもしれませんね。

    • acanthogobiusさん、さすがに目の付け所が良いですね。

      傾斜の加工も様々ですが、狙い通りに結果がでませんと頭を抱えてしまいますよね。
      誤差が出る理由も様々でしょうが、
      意外と基準が出ているはずの定盤、フェンスなどの平滑性、並行度などの精度劣化もあり得ます。
      摺動部分の機械的緩みなども影響しますね。

      木工機械の場合、加工精度に関わる整備を完璧に行うのは難しい面がありますが、
      とことん追求すればほぼ満足のいくレベルで設定できるはずですね。

      acanthogobiusさんは、この円高で次は何を狙っていらっしゃるのかな?

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