浜岡原発「永久停止」を決議:静岡・牧之原市議会
既に各メディアが大きく伝えているように、今朝の牧之原市議会(当地隣接市)は「近い将来間違いなく起こるとされている東海地震の震源 域真上に立地している浜岡原子力発電所は、確実な安全・安心が将来にわ たって担保されない限り、永久停止にすべきである」との決議案を賛成多数で可決した。
ボクはこの牧之原市議会および牧之原市長の慧眼と英断に深く敬意を表したいと思う。
ご存じのように浜岡原発はこの5月の菅前首相による全面的な稼働停止要請を受け運転停止している状態。
しかし中部電力は防潮堤などの増強を果たしつつ、再稼働へ向けた環境整備に奔走しつつあるところだった。
設置地元自治体、御前崎市と隣接する牧之原市のこの決議は重い。
恐らくは今後地元他市への波及も必至の情勢と言えるのでは無いだろうか。
因みに静岡県知事・川勝平太氏は今月12日の記者会見において「使用済み核燃料が処理されるめどが立つまでは再起動すべきではない」と述べている(参照:読売新聞2011/09/13)。(日本では使用済み核燃料の処理の見通しは全く立っていないことを考えれば、その意味するところは明確)
外堀から内堀まで脱浜岡原発へと埋め尽くされる勢いと言って良いだろうね。
浜岡原子力発電所に関する決議
東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所事故は、国でいう ところの「原子力発電は安全である(止める・冷やす・閉じ込める)」と いう神話が根底から崩れ去り、我々に大きな衝撃を与えた。事故から半年 が経過しても、いまだに事故原因はもとより事故の全容も掴めず、事態の 収束については目処もつかない状況である。
福島第一原子力発電所の周辺地域では、多くの住民が避難を余儀なくさ れ、自宅に戻ることもままならず、職や財産を失い、家族とも離散し、長 き年月をかけて築いてきた文化や歴史、住民コミュニティは、すべて崩壊 してしまった。
また、放射性物質による汚染も、内部被爆等により将来を担う子供たち への健康被害の影響が非常に心配されているところであり、農畜産物の出 荷や企業活動などについても、地元はもとより全国各地で深刻な影響を及 ぼしている。牧之原市においても、基幹産業である茶葉から放射性物質が 検出され風評被害を含め甚大な被害を受けたところである。
本来、一度の間違いも許されない原子力発電であるにもかかわらず、こ のような重大事故が発生した事実を鑑みれば、我々は、まず第一に市民の 生命・財産を守っていくことを考えなければならない。
そのためには、近い将来間違いなく起こるとされている東海地震の震源 域真上に立地している浜岡原子力発電所は、確実な安全・安心が将来にわ たって担保されない限り、永久停止にすべきである。
以上、決議する。
平成23年9月26日
静岡県牧之原市議会