工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

蓮の花(+藤原新也の嘆き)

蓮
蓮の花。
今日撮らせていただいた(コンデジ)のは黄色だったが、この後、ピンク、紅色などいくつかの色のものが咲くのだという。
バスタブのような大きな容器に水を張り数株植えただけのものが、水面を埋め尽くすほどに増殖したのだと、この家の人は言う。
昨年はヤゴ(トンボの幼虫)が大量に繁殖したようだが、どこから侵入したのか、蛙に全てやられてしまったとのこと。
蓮の写真もいろいろだが、ボクの印象としてはやはり藤原新也の蓮に尽きるように思う。
これは古代インドでのヒンドゥー教の神話においても蓮の花「蓮華」はシンボルであり、また多くの仏が「蓮華」をかたどった台座に鎮座しているように、宗教的な意味合いが色濃く、藤原新也はそうした特徴を見事に切り取って見せてくれているからだ。
(彼のサイトにも1枚の蓮の花が納められていたはず)
ところで今朝の朝日新聞のOpinion欄には、藤原新也による「秋葉原事件」についての論考(語り)があり、いつものことながら彼の独特の切り口での鮮やかな論評(社会的、文化的側面からの)を見せてくれ、ボクとしては少し異論もあるものの、深く同意するところが少なくなかった。
彼は加藤某が現場を秋葉原に定めた理由、それは犯行がケータイやカメラの映像機器の群がる中でのものでありネット配信されることを意識した行動だろうと言う。
自分と同類の人々がいるアキバで「無理心中しようとした」と。
この辺りは藤原独特の感受性によるもので、ただちに頷けるものではないが、次の家族の風景の変容、そして日本という国が米国主導の新自由主義への道を選択し、派遣制度という名の「人をモノのように扱う戦前の〔人買い〕のような制度がのうのうとこの民主主義の時代に闊歩している不思議」を指摘し、「若者の犠牲と不幸の上に立って国内総生産を維持する国というのは一体何か。」と断じていることへは強く同意したいと思った。
これまで多くの論者が派遣制度に象徴される過酷な労働現場と、そこから派生する様々な問題ー格差社会、社会の荒廃、民主主義そのものの脆弱化‥を指摘してきたにもかかわらず、政府当局者は全く聴く耳を持たなかったが、アキバ事件を受け、多くの犠牲者が出て初めて見直し論が出るという、この皮肉。「剣はペンより強し」という逆転を嘆く藤原の憂いは深い。
(asahi.comにはこの記事は探し出せなかったが、近く藤原新也自身のサイトに再掲されるかもしれない)
下の画像は藤原新也風に、少しレタッチを施した蓮花。
(全然そうじゃないって。ウム、そうだよね。)
*注 明日はちょっとめずらしい花の画像を届けることができるかもしれない。
蓮レタッチ

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