工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

送り寄せ蟻吸い付き桟

送り寄せ蟻
猛暑日が続いている。
こういう気象条件下では木への影響はどうなのだろうか。
工房の寒暖計は30度を大きく超える数値を示しているが、乾湿計は体感とはちょっと違い意外と低い値示す。50%前後。
例えば今日の作業、「送り寄せ蟻吸い付き桟」の加工調整については、とてもナーバスになる。
木は必ずや痩せてくるので冬場の乾燥した環境下で調整する際にも細心の注意をもって臨むものだが、湿潤な大気の季節ではなおさらのこと。
したがって桟の木取りはあらかじめ痩せを想定してのものとなる。
具体的には板目は避け、良く乾燥した柾目で木取ることで寸法精度の経年変化を極力避ける。
吸い付きの嵌め合い調整は極力堅めに行う。
それでも少々の痩せは避けられないので、その場合にさらに打ち込むことで嵌め合いを強くするための蟻桟の移動距離の余力を見込んでおく(テーパー加工)。
なお、参考までに記述しておきたいことがある。
「送り寄せ蟻吸い付き桟」の構成だが、ボクは画像のようにブロックごとに欠き取ることはしない。通している。
これは解説は不要だろうが、蟻桟がブロックであることで、首根っこからもげてしまう(繊維破断)ことを避けるためだ。

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