工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

高齢化と生産性の関係

このところ納期が間近に迫った仕事が重なり、大童の日々が続いている。
いささか疲労がたまり身体の“切れ”も良くないようだ。
ボクは仕事は早いほうだと考えているが、若い頃と較べると少しパワーが減退しつつあるのは間違いないだろう。
昔は連日深夜までの業務が続くことも希ではなかったが、今ではそうした無茶はしなくなった。
一定のボリュームのある天板の鉋掛けを何枚も何枚も掛け続け、途中鉋の刃の“裏”が無くなり、裏打ち、裏だしをしながら夢中になって掛け続けたなどということも幾たびあったことか。
そうした無茶はしなくなった替わり、失敗も少なくなり、仕事の精度も高まり、品質は高まってきたことも確かなこと。
先日「障害保険」の更新があった。
100万円、5年満期の貯蓄型傷害保険に加入しているのだが、昔は怪我も多く、その度入院1万円/日、通院5千円/日、の保険を支給され、さらに更新時には数十万円の配当金があった。それがこの5年間、全く怪我もせず、支給など受けていないのに、配当どころか、新たに数万円の追加保険金を納めねばダメになってしまった。
クルマの任意保険同様、外資系の保険に切り替えようとかと真剣に考えてしまったが、保険屋の兄ちゃんとの長年の付き合い上、目をつぶって更新することにした。
悔しいが傷害保険を支給されないのは悪いことではない。
こんなボクでも学習能力はあるのか、怪我もしなくなったし、高精度な加工も出来るようになった。
部品例えば画像のような框モノの加工でも高精度になっているだろうし、無駄な動きもなくなり、淡々とした進捗の中にもここ一番のところではしっかりつぼを押さえつつ進める。
結果、この“面腰”の仕口でも組めば留め部分がビシッと決まり、寸分の隙もなければ見付部分メチも極小に留まる。その後の仕上げも無駄なくラクに進む。
人間、老化というものの侵犯が無ければ、どんどん技量は上達し、仕事も早く生産性も高まっていくのだろうけど、残念ながら思いとは裏腹に老化は徐々に身体を蝕む始めるのだろう。
画像下は仕上がり目近のAVコンソール(TVボード)。
中央はAV機器収納部分(下部はAV機器を載せるスライド部分)。左右はCD(DVD)収納抽斗。
こういうAV機器収納については熱対策が肝要なので、構造としては框組みが良い。背板は基本的には框組に無垢の羽目板がキホンだが、AV機器部分はパンチングの合板にする。上部天板にも熱逃がしの孔が必要だ。スライド部分はランバーコアを用いる。
AVボード

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