工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ちょっとお節介なおやじ

今日は中国製子供向け自転車のハイテク化にちょっと戸惑ってしまった。
資材調達で地域で一番の規模(東京ドームと同じぐらいの敷地)を誇るホームセンターに出掛けた時のこと。
買い物を済ませ、レジに向かったのだが、レジ担当の女性店員がカウンターから外に出て、自転車を購入した10代前半の少年2人とともに首を傾げながら思案にふけっているではないか。
時折前輪を回したりしているのだが‥‥。
レジに並んだボクを認め、あわてて店員は清算手続きを始めてくれた。
しかしどうも気になって、ちょっとお節介なボクは「どうされたのですか?」と声を掛けたら、「この子が買った自転車のライトの付け方が分からないんですょ」との困惑気味の声が帰ってきた。
少年2人も困ったような顔つきだ。
ボクのお節介にも、迷惑そうな顔を向ける。
ハブダイナモ?? その自転車のヘッドライト部分を確認すると、ライトから伸びているコードは荷台取り付けステーに巻かれながら、前輪ハブへと向かっている。
ハブを見ると異様に太いではないか。これは明らかにハブにダイナモが組み込まれている機構と見定めた。
さて少年と店員が試みていた方法でもあったがペダルを手回ししながら前輪を回転させても点灯しない。 ??
どこかにスイッチがあるがずだよねぇ、と探すもそれらしき部品は見あたらない。
もしや、と思い、ヘッドライトのボデーの底を確認すれば、やはり小さな窓があった。(画像からも判別が付く)
これを指で隠しながら、前輪を回転させると‥‥、光束が放たれた。
少年はここでやっと笑顔になってくれた。店員からも申し訳なさそうに何度も礼を言われる。(いえ、あなた方も何から何までサポートしなけりゃならないから大変だよね)
ハブダイナモ+光センサー付きのオートライトだったのだ。
へぇ〜、最近の自転車はこんなにも進化しているのだ。ちょっと感動しちゃった。(知らぬはボクばかり?)
この少年の信頼を勝ち得たのだからとばかりに、せっかくだからと、この少年に発電と点灯の仕組みを教えてやりながら少し話をした。
この4月で中学校に上がるのだという。入学の祝いに自転車のプレゼントがあったのだろう。普通だと父兄に伴われて買いにくるのだろうが仲の良い友達を連れてやってきたのだ。「もうお前も中学なんだから、これぐらいの買い物は自分で行きなさい」などと言われながら。
最近はこうした大型ショッピングモールに限らず、店員の数はとても少ない。自転車を扱いながら、専門とする店員がいないのだ(たまたまいなかったのかな?)。
少年の行動半径を飛躍的に伸ばす自転車という希望に満ちた買い物は、ぜひ適切な乗り方などを指導しながら販売するといった態勢の整備を望みたいと思うな。
「かっこいい自転車だね、走りっぷりも良いだろうから、クルマには十分気をつけるようにね」と笑顔で言い残し帰路に就いたが、確かボクも自分の自転車を初めて買ったのは同じく中学入学の時だったな、と思い起こしたのだった。(うちはビンボウだったので新品ではなく中古品だったかな)
ネットでググったらこのハブダイナモについての良い解説ページがあった(こちらから)

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  • をぢさん、やるじゃん。
    持って生まれた知的好奇心と、研究熱心さの勝利だね。
    >せっかくだからと、この少年に発電と点灯の仕組みを教えてやりながら少し話をした。
    そう、そうこなっくっちゃあ(伊達に○○科を卒業したわけじゃないもの)。自らの頭を使って考えようとしない、胡乱(うろん)なマニュアル万能的現代少年には、をぢさんのような進歩的節介人が、教えてあげなっくっちゃ。
    そういえば、むかしのラヂヲ番組にこんなのがあったなあ。
    《暗いと不平をいうよりも、進んで明かりをつけましょう》
    いいなあ、をぢさんの歩いた後は、どんどん明るくなって。

  • 風に吹かれて さん、あなたからお褒めに近い言葉を聞くのは希なことですので、これは大事に残しておきましょう。
    でもこの点灯システム良いと思います。
    意外と若者(少年を含む)の自転車での夜間走行では無灯火が多い。
    彼らはクルマの運転の経験が無いと言うこともあるでしょうが、走行車両から見た場合の自転車の無灯火走行の危険性にもっと敏感であっても良い。
    この自動点灯システムはそうしたリスクを回避できますね。
    貼り付けた解説ページによれば、ダイナモ回転からの負荷は気になるものではないようなので大いに普及させるべきと思ったね。
    お節介は今に始まったことではないが、ボクは街中で少年などに声を掛けるのは少なくない。今の時代、ヘンなをぢさん、とばかりに見咎められかねませんがね。(苦笑)
    少年、少女は、我らが社会にとり、希望、未来、明日、夢、無垢、ですからね。
    地域コミュニティーの回復を通したオトナ社会への信頼の醸成は日々の言葉掛けから‥‥。

  • ほのぼのした風景が浮かんできますねぇ
    >少年の行動半径を飛躍的に伸ばす
    希望に満ちた新しい世界が広がるでしょう

  • kokoniさん、コメントありがとうございます。
    ボクの初乗りは、ガールフレンドの住む町までだったかな?(ウソでしょう、って?)
    その後は伊豆半島1周とか(15の頃)、京都まで(19才)とか、少し行動半径の大きさのケタが違っちゃったこともありましたね。

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