工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

どこまでいくのかドル安‥‥

ドルの一人安は留まる様子がない。
対ユーロでは史上最安値を更新し続けている。主要国通貨だけではなく、新興国通貨に対しても拡がってきている。
米ドルという“基軸通貨”そのものの地位が大きく揺らいできているということは底知れぬ経済的混乱と激動の時代への兆候ということなのだろうか。
このドル安は原油高騰の元凶の1つでもあり、庶民の生活へも大きな打撃となって現れて来つつあるが、もっと怯えているのは日本経済の屋台骨を形成する輸出産業だろう。
鬱々とするばかりでは精神衛生上も良くないだろうから、何か良いことでもないかと考えれば、ドルに対する円高となれば米国からの個人輸入でも考えてみるか、とばかりに木工関連の通販サイトを漁ることになるが、実はあまり欲しいものが出てこない。
この際、大きな買い物でも、と思うのだが、欲しいものが見あたらないのだ。
これって、どういうこと?
確かに設備も、道具も既に充実しているということの証ともとれないことはないものの、意欲の減退、ということであれば、そりぁちょっと‥‥、尋常ならざる傾向を示しているということにもなり、いささか複雑な思いではある。
ただ全く欲しいものがないというわけでもなく、欲しいものがなかなか探し出せないというのが正しい。
1つ具体的に明かせば、Shaper(縦軸面取り盤)のカッターが充実していないので、これをターゲットにしようと考えている。
しかし米国の通販サイトにはそもそもこのジャンルのアイテムが少なく、あったとしても軸径がまったく合わないものばかり。
ボクのShaperの軸径は日本の一般的な規格である1″(=25.4mm)なのだが、この規格のものが探し出せないのだ。みんな小さい径ばかり。
暫くはネットでの覚束ない捜索がつづくことになりそうだ。
しかし一番のドル安、底値はいつになるんだい?
そんなこと、誰に聞いても本当のところは解りゃしないよね。
えいやっと、自分で買い時を決めるしかない。
しかし冒頭の“底知れぬ”危機への兆候とやらをのほほんと等閑し、まったくお気楽な木工屋であることよ。
*Shaper(縦軸面取り盤)について:
工房スタイルのところではこの機種を導入しているのは数少ないかも知れないが、椅子などいわゆる曲物(くせもの)を多く手がけるところではぜひ導入を考慮したいものだ。
機能性、切削性能はとても高い。例えば100mm幅の椅子の笠木を成形切削する場合、たった1度の加工操作で目的の形状がかなりの切削肌の水準でで求められる。
高い機械だろうから、ちょっと‥‥などと臆しているようでは職業木工家の看板は下ろした方がよいかも知れない。
わずかに数10万円の機械の導入をためらい、しこしこ南京鉋で削っているようではね‥‥、
いやいや、そうだったね、「手作り木工」ということを忘れていたっけ(苦笑)
無視してください。

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  • artisanさん、お金の使い道がなくて困っているようですね。
    羨ましい!(笑)
    今のうちに少しドルを買われたらいかがですか。
    いずれまた円安にもどるでしょうから。
    もしくは、ほしい物ができた時に買っておいた安いドル
    で決済することも可能です。
    円高は個人輸入の他にも色々利点もあると思います。
    原油も円高になれば安くで輸入することができます。
    輸出立国の日本としては円高ー株安ー景気減速の図式が
    出来上がってしまっていますね。

  • acanthogobiusさん、こんにちは。
    三連休、木工三昧でしょうか。
    本記事、誤解を招く内容(使い道の無い金?)であったかもしれず(苦笑)、いろいろと資金活用方法のサジェスチョン、ありがとうございます。

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