工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

太郎ちゃん、マンガばかり読んでいないで‥‥

「マンガばかり読んでいないで、少しは勉強もしなさい」
どこの家庭にでもある年端もゆかない子供への母親の叱責だが、総理の母親から漏らされる嘆きとなると苦笑してばかりもいられない。
というのも、麻生首相ご本人による、このところ相次ぐ所信表明演説、講演、記者会見での漢字の誤読
▼踏襲(とうしゅう)→「ふしゅう」
▼頻繁(ひんぱん)→「はんざつ」
▼未曾有(みぞう)→「みぞゆう」 
asahi.com
日本経済新聞
日本の漢字は確かに難しいし、政治家に全ての漢字を正しく読み書きできることを求めるのは酷。
せいぜい酒場でのネタ、床屋政談のネタに扱われる程度で済ませばよい話しではある。
このボクのBlogでも恐らくは多くの誤字脱字があるだろうしね。
(しかし取り上げた事例はあまりにも水準以下だとは思わないかね‥‥)
支持率が20%台になっていると言われるブッシュさんも、超弩級の失言癖、英語力がないことでさんざん話題になったことでも分かるように、国語力の無さというものは洋の東西を問わず政治家特有の性癖なのかもしれない。
ま、それでも政治的なセンス、洞察力、世界観、倫理観、指導力において優れたところががあれば少々の誤読など構いはしない。
太郎ちゃん、かわいい‥‥などどより親密度が増す要素に転化するかもしれないし。(ん? んなわけないか)
あるいはまた狸穴の高級ホテルのバーでシングル1杯2,000円也のスコッチを楽しみ豪遊しようと、そんなことにはボクには興味はない。貴族趣味と、政治的力量とは本来関係しないだろうからね。
(ただそこでの話題が『ゴルゴ13』だけでは、バーテンダーには同情するね)
ただやはり上述した政治家として求められる最低限の資質があるとはとても思えないところにボクらの悲しみがある。


つまり簡単な漢字がまともに読めないということが常識の無さとして解釈され、政治指導者としての資質の文脈で語られてしまうと、事はそう単純に擁護してやれるほど楽観的にはなれないということだ。
麻生首相による定額給付金という“政策提言”も、「きっと下々の民は喜んでくれるに違いない。これで支持率UP間違いなし、自民党政権も安泰 ! 」と自画自賛しているのかもしれないしね。
その程度の政治センスしか持ち合わせていないというのが大方の見方だ。
ましてや国際政治、外交方針も『ゴルゴ13』で勉強しているとなってはちょっと尋常ではないけどね。(日刊スポーツ
クレー射撃でオリンピックに出場という経歴の持ち主。『ゴルゴ13』に思い入れがあるのは分かってあげたいけど。
いっそのこと、さいとうたかおさんに外交の指南役になってもらったら?
しかしこのような御仁を御輿に担がねばならない民の悲しみは深いぜ。
彼は麻生財閥3代目の当主。
少しでも近代史にアクセスする意志があれば、麻生財閥が残した戦前からの負の遺産を考えるとき、とてもまともに対峙できる人ではないことがすぐにでも分かるのだが、そうした問題を問うという真っ当なメディアは日本では既にもう死滅しまっている。(意図的に隠している)
関連して付け加えれば、先の麻生首相による所信表明演説原稿はお友達の朝日新聞記者に書いてもらっていたらしいと専らの噂だ。
今頃この記者は漢字にふりがなを付け忘れたのはまずかったと反省しているのだろうか。
ナベツネ=中曽根(+他、政権中枢)の連携はつとに知られたところだが、それを批判する朝日もさほど違うものではないことをここには示されている。
首相一人を俎上にするのはかわいそうかな。
航空幕僚長による無知蒙昧で歪みきった歴史観が明らかになったばかりだが、あの忌まわしき戦前の帝国主義、軍国主義的価値観を連綿と伝えているのが自衛隊制服組のTopであったというわけだ。
つまりは政権中枢をはじめ権力構造の多くは似たようなもので頭の中はまったく戦前のまんま。
辞職させて糊塗しようとしても、事あるごとにほころびが出てくるだろう。
今、オバマの圧勝に見られるように世界は大きく歴史的変革の時期に差し掛かろうとしている。
このままだと恐らくは俺たち日本だけがひとり取り残されてしまうだろうことは必定。
つまり求められているのは政治家、自衛隊だけではなく、そうした腐臭ふんぷんたる現状を容認し祭り上げている俺たちの意識の有り様だということになりはしないか。
(‥っと、麻生辞書によれば、「踏襲ふんぷんたる‥‥」でなければいけなかったか (v_v) )
多極化する世界(米国一辺倒では立ちゆかなくなる)の中で、ボクたちの占めるポジションを打ち固めるのにどうしても必要なことは、歴史における負の遺産を越えて未来をたぐり寄せるための真の勇気だと信ずる。

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