工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

秋真っ盛り。

烏瓜
スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、と様々に形容される秋ですが、ボクに言わせれば、やっぱり仕事の秋、木工の秋ですわ。
大気が乾燥していて、暑からず、寒からずの陽気であるため、体調がごきげんであるとともに、木も快適のようで暴れたりしない。
おとなしくしてくれているので管理がラクチン。
でもこんな条件の良い時季はほんの一時。あれよという間に季節は移ろう。
今年の個展がこのような時季に準備できるのはありがたいことだ。
今日は先に記事にしたCLAROの卓の脚部加工。順調にいっている。
先のBlogをご覧になった東京方面の客から、ぜひこれを見たいという電話が飛び込む。個展に出品する前に決まっちゃうかも知れないな。
もう同じ原木からの板の上質なものの在庫は無い。

蔓切れてはね上りたる烏瓜  高濱虚子

画像は工房脇の名も知らぬ木に巻き付いて、毎年この時季に楽しませてくれる朱色の烏瓜の実。(昨年もupしたっけ 苦笑)

《関連すると思われる記事》

                   
    
  •    《秋。どこかで石英の鳴る音がしてゐる。》
    これは、井上靖の詩集『北国』のあとがきにあるもので、
    氏の友人が、旧制高校時代に作ったものだそうです。
    いかにも《秋》の空気をぴたりと表現していて、うまい。
    烏瓜の写真、いいねえ。夏の夜、白いひげの花を咲かせて
    いたやつが、こういう橙色の実に変身するんだからねえ。
    「らくちん胡桃の板」及び「CLARO天板鉋掛けの妙」
    の写真(三脚で自動シャッターですね)、artisan さんの
    仕事ぶりがよくうかがえます。
    いい季節になりました。
    >やっぱり仕事の秋、木工の秋ですわ。
       《秋。どこかで鉋を掛ける音がしてゐる。》

  • 風に吹かれて さん、名句を感謝です。
    >《秋。どこかで石英の鳴る音がしてゐる。》
    分かるような感じがします。
    鉋、と掛けたのではイメージが損なわれますがね。

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.