工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

機械整備で年越しを

fence

フェンスの直角度をチェック !


今日29日で仕事納めとした。

まぁ一旦仕事を終え、工場の大掃除、の“まねごと”をしたというところ。
決して大きな工場でもないので、所狭しと機械、材料が置かれた状態にあり、加えて様々な切り落とし、端材が散乱。

これらを整理していくわけだが、なかなか当事者としては思い切った処理ができない。
‥‥これは次の機会に利用しよう‥‥、この材種は貴重だから‥‥、この木目は捨てるに忍びない‥‥、などとひとりゴチながらの作業はまったくもって効率が悪い。
「断捨離」[1] というのが流行語になっているらしいが、ボクらにこそ必読書なのかもしれない。

さてところでこうした折節、木工所では掃除よりも重要なことがあるんだ。
木工機械の整備だね。
内部に堆積したダストを落とし、回転部へのグリスアップ、摺動部への注油、あるいは刃物の交換など、来期へ向けリフレッシュさせてやる。
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❖ 脚注
  1. 「断捨離」(だんしゃり)とは、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」をもとに生まれた言葉。(やました ひでこ 著)
    開かずの段ボール、ギチギチのペン立て、積ん読本…モノを断ち、ガラクタを捨てれば、執着も離れていく。(amazon.com、紹介より) []

会津・豪雪の報を聴きながら

年の瀬のこの時期、これまでもそうであったかも知れないと思い起こすこともできるが、自衛隊出動による除雪という事態までの豪雪はやはり記録的だ。(毎日jp・画像一覧

昨年から数回、この会津坂下(あいづばんげ)地区を訪れているので他人事のようにも思えず、一刻も早い除雪と通行開始を願いたい。
国内でも指折りの温暖な地域に住んでいると、豪雪地域で暮らす人々の苦難は想像の域を出ない。
かろうじて、豪雪とは言い難いものの標高700mの松本平で3度の冬を過ごしたことで体感的なものが少し蘇る程度。
彼の地ではー14℃という極寒の日があったが、積雪はせいぜい30cm止まり。

しかしその程度では雪国の人々の身体に染みついた雪との関わりと、そこから形成される心性あるいは身体性という領域のことなど理解できるわけもない。
シンと静まりかえった夜の静けさの中で、時折ドドッと屋根から崩れ落ちる塊がもたらす音の心細さも、早朝踏みしめるカサッ、カサッという雪の感触も、パチッ、パチッと弾ける薪の身体にしみいる暖かさも、身体記憶とはなり得ない。

ボクのように辛抱がきかず、忍耐が無く、胆力に欠ける者とは逆に、この地の人々は優れて肝が据わっている。
まさにエートスとして形成される大きなファクターが、この雪ではないだろうか。

確かに田中角栄の日本列島改造以降の開発で、大きくこの地の人々にも手がさしのべられ、生活環境も変貌してきただろうけど、DNAレベルでの身体性、心性が根元から溶解していくものとも思えない。

彼の地の人々と酒を飲み交わし、数日という単位での居留であっても、そうしたことに考えを巡らされてしまうのも事実なのである。
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Happy Christmas ! (War Is Over if you want it)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=CbKsgaXQy2k[/youtube]

http://www.IMAGINEPEACE.com

2011年・年賀はがきの印刷シミ

年賀はがき

年賀はがき・カーボンオフセット

25日まで投函すれば元旦に届くというので、昨夜慌てふためきデザインをした。
そして先ほどおうちプリンターで印刷しはじめて気がついた。
白地が生きるデザインだったのが徒に。

裏の白地に緑色のシミ様のものがたくさん散らばっているじゃない。
物によってそのシミの位置も大きさも様々だが、ほとんど全てに付着している。

この年賀はがき、「カーボンオフセット」[1] というタイプのもの。
先月中旬に郵便局を数軒廻ってやっと手に入れたはがきだったのに。(発行枚数がとても少なく入手が難しかった)

さっそくネットで同様の報告があるかも知れないと検索すればいっぱいでてきた。
ボクが購入したものの固有の問題というわけではなく、一律こうしたものであるようだ。
その多くはクレームを指摘するもの。

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❖ 脚注
  1. 〈カーボンオフセット年賀はがき〉:1枚55円でそのうち5円がカーボンオフセットのた
    めの寄附金。
    これにより約1.25kgのカーボンオフセットができる。
    郵便事業株式会社(日本郵便) がマッチング寄付金としてはがきの寄附金と同額の5円を寄附するので、合わせて合計10円の寄附金がつき、約2.5キログラムの排出量を取得。
    家庭部門の年間一人当たり削減目標は 120 枚のカーボンオフセット葉書で達成。
    地球環境への二酸化炭素の増減に対 して中立的となるカーボンニュートラル、あるいは実質的に二酸化炭素排出量ゼロのカー ボンフリーの状況が達成。 []

ホゾ取盤の効用

ホゾ取り盤

4軸ホゾ取盤


画像は4軸ホゾ取盤という木工機械。
個人工房でこうした機械を設置しているところは多くないかも知れない。
しかしある程度のボリュームでのキャビネット制作、ドアの制作などにはその能力を使いたいもの。
ぐぁんばる家具屋はもちろん、建具屋には必須の機械というわけだ。

ホゾ建ての無垢の家具を量産するためのもので個人工房には無縁な機械、などといった見識しか無いような御仁には意外かも知れないが、小Lot生産を旨とするところにも有用な使い道があることは知っておきたい。

一般には框組(かまちぐみ)の仕口を加工するためのものとして開発された機械だが、椅子などの、いわゆる曲者(クセモノ)と言われるような複雑なホゾの仕口成形に大いに活躍してくれる。
ボクの導入設置への動機もそうしたところから。

通常ホゾ加工は丸鋸昇降盤を使って行うものだが、椅子などにおいて角度処理が必要であったり、被加工物が円弧状であったりと、異形なものへのホゾ付けは困難を伴う。

こうした時、このホゾ取盤では適切な治具を用いることで、高精度に、安全に、簡単に、高能率に加工を進めることができる。
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クラロウォールナット、素材の力

clarowalnut

clarowalnut Burl杢

かつて若かりし頃の話しで恐縮だが、あるグループ展へ出展した時のこと。
そこは大都会の郊外に位置する個人オーナーのギャラリーで、工芸全般の企画に熱心なところだった。

出展メンバーは、知人の木工家、陶芸家、ステンドグラス作家と、バラエティーに富んだ構成。

会期中、立派な体躯の50年配の来客があり、ある出品物のところに一直線で向かい、しげしげとそれを凝視。
立ち位置を変えたり、下からのぞき込んだりしながら、時にほくそ笑み、時に腕を組み、そしてギャラリー主人とふたこと三言。
そして、会場にいたボクのところに来て曰く。
「これはどのように入手したの?」と、

聞けば、ジョージ・ナカシマの家具のファンで、オフィスにはいくつものコレクションがあるとのこと。
知人からこの会場にクラロウォールナットのテーブルが展示されていることを聞きつけ、やってきたのだという。この材木はどのように入手したのかが気になる様子。

しばし、原木の入手から制作に至る話しやら、ナカシマの話しなどを交わし、帰って行った。
その翌日、このクラロウォールナットのテーブルを購入したいとの連絡が入る。
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年の瀬のWordPress強化あれこれ

年の瀬ですね。
皆さん風邪引いていませんか?
今冬は昨年とは大きく様相が異なるようで、インフルエンザの話しがあまり報じられませんので、安堵している身体弱者も多いのでは。(厚労省流行レベルマップ

本格的には年が明けてからのことでしょうけれども。
昨年の場合はH1N1[1] が世界的に蔓延し、これが通常の季節性インフルエンザを駆逐してしまっていたという経緯でしたが、注意を怠ることなく、「栄養摂取」「暖かくして」「手洗い励行」「咳エチケット」でいきましょう。

先週、近くに住む母親のところに出掛けたところ、体調悪化させて床に着いていた。
聞けばインフルエンザの予防ワクチン注射直後に悪化させたらしい。

強く言い聞かせて来ましたよ。
もう2度とそんなもの受けないようにと。
孫たちと同居しているならいざ知らず、外との過度な接触が無い生活をしている老人には副作用での体調悪化の方がよほど質(たち)が悪い。

皆さんも注意してくださいね。

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❖ 脚注
  1. 2009年春頃から2010年3月にかけ、H1N1亜型というインフルエンザ(流行性感冒)が世界的に流行 []

COP16から見える時代潮流

議定書延長見送りを評価する日本の経済界

先月末からメキシコ・カンクンで開催されていたCOP16[1] 及び京都議定書第6回締約国会合[2] が11日未明に終了した。
会期は10日までだったけど、「カンクン合意」文書が採択されたのは日付が変わり、午前4時だったという。
最近同じような光景があったな、と思い返せば、先の名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で我らが松本環境相の採択宣言も会期末を超えた未明のことだった。

国際会議などというのは事務レベルで調整済みのものが本会議にかけられるという了解が全く通用しなくなっているというのが昨今の状況であるらしいね。

会場で賞賛されたのは困難な会議運営を務めた開催国メキシコ外相の手腕についてのみであり、合意内容へは全く良い評価が下されなかったという。
最大の懸案であった「京都議定書」の失効を控えての「延長」問題を含め、全ては棚上げされ、次回南ア・ダーバンへと先送りされた。

この結果にほくそ笑んだのは誰あろう、我らが日本の経済界[3]
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❖ 脚注
  1. 気候変動枠組条約第16回締約国会議 []
  2. COP/MOP6 []
  3. 毎日jp:COP16:経済界は評価 議定書延長見送り []

ワークベンチ、その活用事例

Tail vise

Tail Vise

ワークベンチ、いわゆる作業台に関する記事については過去何度も上げてきているが、体系的な記述での投稿はいまだ取りかかれずにいる。

怠慢との誹りを受けるのは甘受せねばならないけれど、根が無精なせいもあるが、工場でのワークベンチ周りの整理やら、撮影やら、さらには広く資料検索をした上でのテキスト記述やらと、多くのことをクリアさせずには結実しないので踏み切れないというところだね。

現在、Blog移行に伴う作業として、記事のアーカイブを少しづつ整序しつつあるところだが、あらためて思うこととして、1テーマで10回を超える(それぞれ1回の記事も少なくないボリュームで)投稿を重ねるカテゴリーもあったりと、良くもまぁ、ここまでやれたもんだと、我ながら呆れるほどなのだが、また同様のことを行うのかと考えると、さすがに少し腰も引けてくる。

さて、そんなわけで今回もこれまで同様の断片的なものでしかないのだが、ワークベンチの活用法の話しでお付き合い願いたい。

画像複数枚はいずれもワークベンチの作業の一コマ。
汚いワークベンチと見られてしまうかも知れないが、20数年も酷使し、オーナーである自分にとってはいとおしい奴なのでお許しいただきたい。
ただ確かに傷だらけではあるものの、ワークベンチとしての機能は何ら損なわれているわけではないことは言っておこう(苦笑)

今回はいずれもうちのスタッキングスツールの最終仕上げ工程でのもの。
座枠に脚部ほぞを差し込み、クサビ止めし、乾燥後の仕上げ削りなどをしているところである。
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iWood4 という工芸品 Vol.2

iwood4

iWood 4 ブラックウォールナット材


デジタルガジェットを自然素材の木材加工品でパッケージする、という行動形態はどのように解釈すべきなのか。
デジタル機器を手にした時の冷たさ、よそよそしさ、親しみの無さ、マシン然とした佇まいへの違和感。
これらを中和し、人と親和性のあるものに装う、といった人間特有の受容のあり方を見ることができるよね。

ただAppleユーザーの少なくない人々が、その美しいデザインと佇まいに魂を奪われてしまっていることからすれば、そのような行為は理解しがたい逸脱かな。ははは。

数日前、ローズゴールド製フレームに約500個、合計100カラット超のダイヤモンドが貼り込まれたiPhone 4のケースが500万ポンド(約6億6,320万円)で発売されたと言うが(こちら)、Top画像はそれではなくiPhone 4対応の新しい〈iWood〉の方。
オランダはminiot社製造によるものだね。

ボクもAppleユーザーの端っこにぶら下がり、iPhoneを愛玩する一人ではあるのだが、外観を隠すという掟破りをしたのには理由があるんだ。
この〈iWood〉があまりにも美しく、工芸的クォリティーを獲得している事へのリスペクトゆえの事として許してもらうほかない。
さほどカネには執着心がないので、ダイヤがちりばめられた「iPhone 4 Diamond Rose」よりもスタイリッシュと見ているからね(やや強がりかな)。

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