女性木工職人
思わぬ再会
熱風が吹き、車道には陽炎が立つ真夏の街中を車を走らせるのは、よりエンジンからの排熱を撒き散らすようで罪深い。
ここ数日、断続的に見舞われた雷交じりの雨も止み、戻ってきた盛夏の中、いくつかの所用で静岡市内に車を走らせた。拭漆の依頼もその所用のうちの1つだった。
今回の依頼先は塗師屋というのではなく、伝統的な和家具を専らとする木工所なのだが、無理を聞いていただくことにした。
それまで依頼していた塗師屋は高齢でリタイアしてしまったための、新たな取引先の開拓である。
木工所とはいえ、民家を作業場に仕立てただけといった感じの作業場。
静岡の街中には、こうした小規模の木工所は少なくない。
服部の傾斜盤、手押し、プレナー、縦軸盤、ダブルソー、超仕上鉋盤、その程度の基本の汎用機を設置しただけのシンプルな作業所だが、恐らくはこの構成で事足りるのだろう。
逆に、外には所狭しと6分板が立て掛けてあり、作業所内より、こちらの光景の方が、いかにも木工所然とした佇まいを見せているのだった。
数年前に知り合ったこの木工所の職人に笑顔で迎えられ、親方のご子息に案内を請う。
漆を塗ってもらう座卓などの説明を終え、歓談している隣の部屋では親方が座り込み、何やら削っており、その隣には組み上がった家具のメチ払いをしている中腰の一人の若い職人。
女性だ。
More »








木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
