工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

freud 社から《Doweler》リリース

Doweler1テクノトゥールズ株式会社さんからのメルマガで「イタリア・フロイド社製ダブルダボ穴加工機”ダボーラー”」という新しい電動工具のリリースを知った。
この工具を簡単に説明すれば、Lamelloのような機構をしているものだが、その駆動部には2本のドリルが取り付けられるところに大きな特徴を見ることができる。
いわばLamelloとDominoの中間にあたるようなものと言えば良いのだろうか。
ダボを多用した接合手法を取る人には大きな朗報になると考えられる。
例えて言えばJ・クレノフ氏のようなキャビネットメーカーだね。
特徴としてはやはり2本のダボ孔を正確に穿つことができるという機構にある。
定間隔(32mm)で2つの孔を穿つことができるというのは、1本と較べると明らかに性能における大きな差異が認められる。
1本しか開けられないドリルで複数本の孔をぴったり正確に開けるというのは至難なこと。
一度開けた穴を基準として、さらに連続した等間隔のダボ孔を複数開けることができるような機構となっているようだ。
恐らくはこれまで同等の機構と性能を持ったものは無かったのではないだろうか。
もちろん工業用には、そのための専用機械がたくさんある。
しかし工房スタイルではその設置は決して容易ではない。
上下の位置決めが任意に、かつ高精度に設定でき、その穿孔間隔もかなり高精度に維持できるようだ。
こうした電動工具でダボ打ち機械を代替させることができるというのは、大きな朗報と言って良いだろう。

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無線LANセキュリテーは大丈夫ですか?

太平洋岸一帯、豪雨に見舞われたね。
一時は滝のような降雨だった。皆さんのところでは被害はなかったでしょうか。
さて今日は家庭内の無線LANのセキュリティーの問題について触れてみたい。
無線LANを介して他人がコンピューター内部にアクセスし、パスワードを盗み、なりすまし、フィッシング詐欺などの犯罪へと結びついてしまう。
うちのネットワークは以下のよう。
    ┌─ Power Mac
    ├─ iMac        ┌─ MacBook Air
モデム ─┼─ 無線ルーター ──┼─ iBook
    └─ DVDレコーダー  └─ iPhone 
モデムからLANハブに繋がり、そこからデスクトップ2台と、DVDレコーダー、そして無線ルーターがぶらさがっている。
この無線ルーターとは、ラップトップ(ノート型)が2台と、iPhoneが交信。
(ブラウザによっては、上の図の罫線レイアウトが崩れていると思われるが、カンベンね)
今ではある程度のヘビーユーザーであれば、一般的なローカルネットワークの姿だろう。
うちは自宅と工房は別棟ではあるものの、隣接しているのでこの無線LAN環境がふさわしいのだが、例え一軒家ではあっても1、2階を隔てた部屋の環境でネット接続するというのは比較的一般的なものだろうから、多くの家庭が無線LAN環境の恩恵を受けていると考えられる。
さて、以前も無線LANのセキュリティーの問題については隣人のコンピューターがボクのMacと共有されてしまっていた、という驚きをエントリしたことがあったが今回はiPhoneの家庭内でのWi-Fi接続の環境構築にあたって、あらためてこのセキュリティー問題を考えさせられた。
ボクはちょっと見逃したのだが、数日前NHKの報道番組で、この無線LANのセキュリティー問題が大きく取り上げられたそうだ。(無線ルーターの件で尋ねたNECのサポートに電話して判った)
この報道内容については、ネットで検索したものの良く掴めなかったのだが、恐らくは時系列からして次の記事に準じた内容であったかも知れない。(違っていたらごめんなさい)
▶IT media News 「WEPを一瞬で解読する方法」を研究者グループ発表 プログラムも公開予定」

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ドラフターの未来は ?

ドラフターのデジタル角度表示のヘッド部分にトラブル …>_< … 液晶の表示が不安定、表示ができない、などの不具合が発生。 業界Topと考えられるMUTOHのWDN-A1という機種。ちゃちなものではなく、ちゃんとした本格的なものだと思うのだが‥‥。
もう既に17年ほど使用してきたものだが、他には全くトラブルもなく、快適に使用してきただけに何とか修復させたい。

さっそくメーカー、武藤工業株式会社に修理依頼。
連絡先をGoogle検索して気付いたのが会社組織の改編。

まずMUTOHホールディング株式会社というところに統括され、その傘下にこの「武藤工業株式会社」という会社が組織されているが、他には「ムトーエンジニアリング」、「ムトーエンタープライズ」他、欧米4個所の海外法人を含め統括されているようだ。
「武藤工業株式会社」はCAD関連の周辺機器(プロッターなど)、ソフトウェアなどを対象とし、今回の修理対象のドラフターは「ムトーエンジニアリング」というところの扱いになるのだそうだ。

数日後、この名古屋営業所からエンジニアがやってきてくれた。
挨拶もそこそこにさっそく症状をチェック。電池フォルダーの液漏れなどでの接点不良を確認するぐらいで、結局工場でないと詳細な点検はできないとの判断。
持ってきてくれた互換品を付け替え、デジタル表示部を含むドラフターのヘッド(心臓部)を持ち帰っていった。

さてところが、付け替えてくれたこの互換品。デジタルではなくアナログ表示のもの。
メーカーはケチでそうした互換品を持ち込んだものではなく、現在の仕様のものがこれなのだという。
つまりデジタル表示のものは現在製造されてなく、アナログのみなのだという。

これは既に10年以上も前に切り替えられたものだと言う。
果たしてユーザーにとり、これはどのように解釈すればよいものか。

さっそくこのアナログ表示のドラフターで操作したものの、やはり具合が悪いじゃん。
やだよ、やっぱいデジタルじゃ無いと。

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木取り(その3)

木取りを材料という見地から考えてみようと思う。
どういうことかと言うと、木取りというものは当然にも与えられた木材によって大きく規定付けられてしまうことはお分かりいただけると思うが、この木材の獲得というものを木取りの観点から考えようというものである。
ボクもそのうちの一人だが、多くの木工家、木工職人が原木を探し求め、これを自ら立ち会いの下で製材する際には、高揚感もあるとはいえ、むしろ強い緊張感に包まれることの方が大きいかも知れない。
これは数年後に制作する家具の部材として、どこにどのように用いるのかをあらかじめ想定して臨むことはもちろんのこと、しかし実際に帯ノコを入れてみなくては、その木理、欠陥などは読み切れず、したがって現場で求められるのは瞬時の判断と、洞察力ということになる。
仕事の現場というものは、リズムが無いとイケナイ。
製材機の動き、製材の親方の操作のリズムに合わせて、うなりを上げる製材機の大音響の中、手指で厚みを指示していく。
無論、家具制作において求められる一般的な材料の規格に準じて製材することも多いのだが、しかし時には具体的な固有の家具を想定したところで、ここは1.5寸の厚みで2尺の幅は欲しい、とか、6分の厚みの鏡板を柾目で獲っておきたい、とか、とりあえずフリッチ状に4寸の厚みで柾目で獲っておく、といった製材屋泣かせのことをするということもあるだろう。
つまりこの時点で既に木取りの工程に入っているのである。
ボクがブラックウォールナットの大きなテーブルを作るとき、その脚部には3.5寸ほどの厚み(≒105mm)のものを使用するというのも、そうした想定での製材をしているからに他ならない。
市場でこうしたものをスポット的に求めるのは、適わない相談だからだ。
これは単に板厚の問題だけに留まるものではない。
以前にもソファの時に記述したことだが、背の枠の数10本の格子、断面サイズは24×42mm、これを全て柾目で統一している。
これは幅広で1.6寸ほどの板目を割いていって獲ったものだ。
つまり断面が綺麗な柾目になるような目通りの良い幅広の板目の材であったから可能となったもので、柾目材から獲ろうとしても意外と歩留まりが悪く、結果、木理も揃わなければ、材色も揃わない、という結果を招くかもしれない。
この場合あえて板目を割くことで望む柾目を大量に獲るというのが、賢明な職人の方法となる。
前回も述べたことだが、扉、引き戸の框の柾目の板なども、こうした手法で獲るというのが賢明な方法となる。
これは杢板の場合にも同様なことが言える。
杢板というものは、板面に出ていれば、その紋様は異なった表情を見せるのは当然だが、断面にも出るというのが木という素材の持つ魅力であり、どちらを選ぶのかという楽しみでもある。
つまり何でもかんでも、板厚から始めるのではなく、幅の寸法の方から適切な材を探してくると言う方法もあるのだということは知っておきたい。
また同じようなことであるが、例えば椅子の貫のような細い部材の場合、これもまず幅の方から、あらかじめ材の厚み決め(プレナー加工)をした後に、薄く割いていき、この残り2方をプレナーで決める、というプロセスを取ると言うことも頻繁に行われることは知っての通りだ。
これはそれだけ作業性が良く、生産性もかなり高くなるということに繋がるだろう。
ただ注意したいのは、材内部の含水率の傾斜が無いと言うことを前提とするので、状態によっては適合しない場合もある。

木取りへ(番外コラム)

ところでO氏が語っていた松本民藝家具の木取りであるが、最近それらの工場との行き来は無いので不明であるが、以前お邪魔した折りに思ったのだが、年々材質の劣化という問題に苦労されているのでは、という感じだった。
国産の広葉樹についてはほとんど全てにおいて同様の傾向があるのだが、ボクが松本民藝の工場に世話になった頃と較べると、その品質には雲泥の差があるように思う。
当時、ミズメであっても、ウダイ樺(真樺)であっても、丸太は60cm以上のものが当たり前のように流れていたが、今やそうした幅広のものは希有で、もっぱら40 – 50cm以下のものが主流。したがって白太も多く品質の低いものが主体だ。
ところで材木屋に聞いた話しでは、最近の職人はミズメは加工仕上げが大変だからというので、忌避されるということもあると聞くが、本末転倒な話しではある。
確かに手鉋で適切に仕上げるのは、最も困難な部類に入る樹種だ。しかしこれは同時に適正に仕上がることができるならば、実に美しく、絹目光沢のある独特の艶を出してくれ、ほれぼれとする結果を産み出すという代償でもあるのだ。
ま、それだけに、ボクのようにミズメ、真樺をふんだんに使うものとしては心して掛からねばバチが当たるということになろうから、身も引き締まるというものだ。

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木取りへ(その2)

今日は木取りの方法、そこで求められる考え方について少し記述してみようと思う。
木取りについて語ろうとする時、様々な角度から論ずることができるし、またそれぞれ考え方も一様ではなく、その工場、工房における制作スタイル、そのめざす品質において異なってくるだろうから、自らの基準を定め、これに準じて行えば良いだろう。
したがってこれから少し紹介しようとするうちの木取りの方法がどれだけ参考になるかは、それぞれが置かれた環境、あるいは考え方次第だが、一定の有効性を認めることができるならば嬉しく思う。
なおこれはO氏も語っているように職業とする木工の現場でのことであり、生産性、コスト意識というものが考え方における重要な要素となっていることはあらかじめ確認しておきたい。
つまりアマチュアの領域で家具制作される方にそのまま援用できるものではないかもしれないし、また逆に工藝品を対象とする場合には、また異なった考え方に準じるということもあるだろう。
なお木取りというものが加工工程においてどのような位置づけがされるものなのかについては次のような事例をあげれば理解していただけるだろうか。
一般に工場などの中規模、大規模の木工所での木取りに従事する職人は、工場長、親方などといった熟練した職人、あるいは経営側に属する人が担うということが多い。
つまりこれは言うまでもなく、木取りというものが、制作される家具の品質、および生産価格に大きく影響してくることによる。
それだけ木取りという工程が重要だということだ。

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クレーメル &lt; ピアソラ &gt; ・・アルゲリッチ

このBlogで相互にLinkさせていただいているkokoniさんがギドン・クレーメル(Gidon Kremer)によるピアソラ(Astor Piazzolla)演奏のアルバムを2回にわたって紹介していた。
ボクも発表当時にその2枚を購入し楽しんでいたし、今もiTunesの再生回数の項目を見れば比較的高いレートを示すものとなっている。
あらためてこの2人に関わるデータをネットで狩猟しているが、その結果他にもいくつかのアルバムがあることを発見したりと、アルバムリリースの12年前の軽い衝撃にも似た興奮を覚え、より近しく感じさせてくれた。
ここまでクレーメルがピアソラに耽溺している背景に一体何があるのか調べてみたいとあらためて感じている。

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木取りへ

食後Macの前に座り、急ぎのデスクワークが無い限り少しの時間いくつかの決まったサイトを中心にネットサーフィンするのが日課となって久しいが、ここ数年はRSSフィード+RSSリーダーのおかげでこの日課もずいぶんと合理的になり、短時間に済ますことが出来るようになった。
RSSリーダーにブックマークしているのが約250ほどだが、更新されていても見に行くのはその一部でしかない。なお木工関連では50ほどブックマークしてはいるがやはり実際にいくのは数カ所ほど。
最近iPhoneにもこれに対応するRSSリーダーをインストールしたので、外出時にもチェック可能となった。
ニュースサイトも含め、リードだけが一覧表示されるので、とても効率が良い。iPhoneのような3.5″という小さなモニターで読むというのもいささか辛いものがあるからね。
さてところで、Blogというスタイルではなく、Webサイトのダイアリー風のページを持っているサイトをお邪魔することもあるが、知人木工家のOさんのサイトもそれにあたる。
週1の頻度で更新されているダイアリーは彼の近況報告であるし、業務(木工)以外のことも多く、それだけにまたパーソナリティーが見え隠れし、読ませてくれる。
彼とは同じ訓練校を出自とし指導教官も一緒だったようで、共通項も多いことでの親しさを感じるからなのかもしれない。
今日は、彼のサイトのダイアリーの他のページを覗いてみたら、「木取り」の話しがupされていた。
木取りの重要さを彼自身の経験と民芸家具の木取り専門職人から聞いた話しとして構成されていた。
その内容はほとんど同意できるものであるし、良く整理され、説得性もあり、楽しく読ませてくれた。
これには実は固有の理由があったりするからなのだが⤴ (尻上がりに‥‥)
実はボクは松本民藝家具傘下の1つの木工所の門を叩いた時、まず配属されたのがこの木取りのセクションだった。
1.1寸〜1.6寸などの板厚のミズメ樺の大きな板を倉庫から運び入れ、ギャオ〜ッとうなり続けるリップソーにぶち込み、荒材で搬送が不調の時はめいっぱいの両腕の力で押し込む。
ちょっとミスると、先輩職人からはバットのような棒で頭にコツンと見舞われる。
そんな日々が続き、親方から上に上がってみるか、と当て台が並べてある方を指さされるまでの約半年間、木取りセクションでの過酷な日々が続いた。
今にして思えば、都会からやってきた生っちょろい若者がそうした過酷な作業現場で果たして耐えられるものなのか、テストされていたのかも知れない。
以前この当時の思いを記したこともあったように記憶しているが、その業務内容は若かった当時の体力でも、とても過酷なものだった。腕はパンパンに腫れ上がり、床に着くとビンビンと痺れが始まり、寝付くことさえ難儀だった。
また翌朝起きようとしても腰は起ちあがることが困難なほどに痛めつけられていた。
まさに木工という世界における洗礼は、ボクにとって過酷なものとして刻印されたのであった。
しかし木工という全く未知の世界に入ったボクにとっては、そうした過酷な労働も決して忌避される対象ではなく、人間の活動というものの本質の1つを掴みつつあるのだという認識(自意識)は強くあり、また木取りという木工家具制作の重要な工程を先輩職人に厳しく教えられることで、まさに身体で覚えさせられるという貴重な体験でもあったのだ(とは言ってみたが、そうしたことを本質的な意味において気付かされるのはその後かなりの時間を要したのだったが‥‥)。
(ちょっとこの先の話しもあり、長くなるので次回に続く)
週末なのでYouTubeから何か‥‥、とJazzのボクの師匠から教えてもらった「Ann Burton」あたりをと探してみたが、既に鬼籍の人。残念だが動画はなかった。
代わりに、というのも何だが「Ann Salley」で !

やはり服部良一は良い。

カーナビHDD書き換えと、ハンズフリー導入の憂鬱

今日は車走行関連・電子機器についての話題。興味のある方はどうぞ。
14日から東名高速道の集中工事がスタートしている。週末は除かれるが1週間後の24日までの12日間。
毎年この時期、年1回の大規模な道路改修工事となる。
ボクの行動形態は、この東名高速道に大きく依拠しているので、終了する24日まではあまり動かないように静かにしているのが慣わし。
ということで、1つ企みを行動に移した。
乗用車のカーナビ地図データの書き換え。
現有のカーナビは4年前の新車購入時のもので、地図データはかなり旧くなってしまっている。
道無き道を走破して、ナビのマップマッチングを混乱させること屡々。
航跡履歴が白くマーキングされるのだが、道のない個所は上下左右に揺れる、揺れる。
このカーナビのメディアはHDDで、書き換えはメーカー対応となっている。つまりユーザー自身がネットから更新データをダウンロードできるようなシステムとはなっていない。
書き換えの所用日程は7日間。
従って普段の車の運行環境では支障がある。
そこで、この東名集中工事に合わせ、書き換えを行うことにした。

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MacBookアップデート

Apple Store(Japan) 昨日、Apple.inkはMacBookのラインナップ3機種を更新した。
Apple本社で開催されたノートブック関連イベントでCEOのSteve Jobs氏により発表。
ボクはその朝、Webサイトから提供されているオンデマンドビデオで会場の様子を見たのだが、更新されたMacBookのその美しい肢体よりも、Steve Jobs氏の元気な姿の方に安堵したものだ。(ビデオはこちらから)
6月のWWDC会場での痩せこけた姿は、メディアが報ずる健康不安説を裏付けるに十分な痛ましい姿だったからね。
しかし昨日朝のその姿は不安を払拭させてくれるもので、プレゼンテーションを最後までパワフルに務めていた。
これでつまらない噂も立ち消えになることだろう。
さてMacBookの更新だが、大きな変更は駆体がアルミニウムボディになり、MacBook Airと同様の1枚のアルミ板から成型された継ぎ目のないデザインとなった。(「unibody」ケースとかいうらしい)
MacBook Airを手にした時、これまでコンピューターでこれほど美しい姿がかつてあっただろうか、との思いを強くしたものだが、これがコンシューマー向けのノートブックに引き継がれたのはとても良いことだ。

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