工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

あなたのノートブックは大丈夫?(バッテリーのリコール)

いささかあわてましたね。件のDellの大規模のリコール騒ぎに続き、Apple Computerまでもがソニー製のバッテリーセルの一部についてリコール。
その数180万個。
Appleのノートブックに関しては国内でも「今年4月、大阪府内で発火し、利用者が軽いやけどを負う事故が起きていた(asahi.com
対象機種は12″ iBook G4、12″ PowerBook G4、15″ PowerBook G4。
ボクのノートブックでの対象は15″PowerBook G4だが、 model numberが異なり対象外だったので安心。(Apple:バッテリー交換プログラム
ところがその後、iBook G3でも交換したバッテリーに対象のものがあるらしい、との情報をBlogなどで得る。
あわててあらためて確認すると、なるほど交換したバッテリーの model が同一。あわてふためいたのだったが、じっくりとありんこの脚のような小さな文字で記されているserial number を確認して、すれすれの対象外と判明。ホッ。
とまぁ、ちょっとした騒ぎだったが、しかしこの問題、これだけで納まるとも思えない様子だね。
PCメーカー各社は、Apple社のリコールをもって、「打ち止め !」と不安除去に躍起になっているようだが、果たして本当にそうなのだろうか。ソニー製のリチームイオンバッテリーセルを使用しているメーカーは主要メーカー全てと言って良いだろうし、如何にソニーがDellとApple両社のみの限定的なもの、としているものの、Dellのリコールの時には、これだけ ! と言っていたはずだ。その後のAppleリコールへも ここまで !、と言われてもね。俄には信じがたい。
現在もバッテリーセル製造メーカー、ソニー(リチームイオンバッテリーの開発メーカーであるとともに製造に於いても世界を支配するトップメーカー)と、410万個という膨大な数量のバッテリーリコール騒ぎを出したDellはその責任を巡り綱引きは納まる様子がない。
さて、ソニーでは問題になった製造工程の金属片混入のトラブルへの改善は対応済みとしているが、2社のリコールでソニーの負担額は200-300億円になると見込んでいるという。
印象を言えば、やはり技術のソニー、信頼のソニー、ブランド力のソニーは一体どこへ?、というところになっていくのだが、ITの製造分野について全く分からないので責め立てる根拠は無く、むしろ最先端の技術というものの「脆弱性」という避けられない技術的困難性を感じる。
しかし無論、企業倫理としてこうした事の無いような製造プラントの構築。適切なリコール届け、その対応などが求められるのは言うまでもないし、世界規模での巨大な製造メーカーが抱えるアキレス筋として、常に安全性を第1にした企業理念を保有することを求めていかねばならないね。
*経済産業省 News Release
*SONY 報道資料
でもしかしiBookのあのボデーの熱さ、何とかならないの?(冬はカイロ抱えているようでありがたいんですがね… 苦笑)
あっ、下の新しいMacBookは大丈夫だよ。木工と共にMacと一緒にデジタルライフを楽しみましょう。
Apple Store(Japan)

FESTOOL ルーター【OF 1400EQ】レビュー

OF 1400EQ本体《はじめに──21世紀の標準スタイル?》
〈OF 1400EQ〉のリリースは昨年の春頃だったろうか。ネットでたまたま知りユニークな形態と先進的なシステムだなぁと憧れたのが最初。

仕様を調べたり米国サイトのレビューを読むうちにだらしなくよだれが垂れてくることとなり、やっと決断し入手することに相成り、数日前に入荷した。
ルーターの購入は10年ほど前のPORTER CABLEの#630 を導入して以来だから久々だ。

現在稼働しているものは
日立M12、リョウビD、BOSCH 1613EVS、PORTER CABLE 630の4台。(参照

試用しての感触でしかないが、このFESTOOL OF 1400EQ は上記稼働のものをけちらし,恐らく最も使用頻度の高いルーター機種になるのではと予測している。

FESTOOL社はドイツのメーカーであり、これまで同社のものは購入したことはなく、やや不安な面もあったがいざ入手してみればたちどころにそのような懸念は杞憂であったことを知らされた。

もちろんドイツ製なので調整のダイアルなどの数値は全てメートル単位。これはインチ仕様と異なり日本人として親和性が高くありがたい。(詮無いことではあるが、1/4″、5/8″、13/16″、11/32″、などといった単位のどこにありがたさがあるのか全く持って理解しがたい←単なる無知でしかないか)

以下〈弊工房標準のルーター機種〉と定義づける根拠をいくつか示したいと思うが、この機種は項目名のようにやや大げさな言い方になるが“21世紀標準のハンドルーター”としての評価を勝ち得ていくのだろうと考えている。(いえ、至ってまじめです)

OF 1400EQシステム
ストレートガイドを装填したところ

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ローズ系、or 豆の木系材種の難問

更新が滞っていたが前回のエントリーの続きのような話題を少し。
ローズウッドを用いてのキャビネット造りの最中だが、仕事は大変。
シンプルな箱物なので仕口などでの難易度が高いわけではない。
1つひとつの工程がローズウッドならではの困難が伴うことからくる大変さのこと。
この労働投下を対価としてみるだけでも、通常の材種の数倍は掛かるといっても過言ではない。
いくつか列挙してみるね。
・重いので機械などでの取り回しが大変(貧弱な老体に堪える [笑])
・硬くて柔軟性に欠けるため、木ねじ、釘などの打ち込みが容易でない(割れやすい)
・切削機械の刃物が痛み、美麗な切削が出来ない。
・同様に炭素工具鋼で作られている手鉋などでの仕上げも困難。
・素地調整での研磨作業も研磨紙の番手をより細かなものへと数段階も進めないと良い仕上げにならない。
大体このようなことが挙げられるが、細かなことを挙げれば他にもいくつも列挙することが出来るだろう。

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Base by Rosewood

rose1
今、ローズウッドのキャビネットを製作しているが、都合でベース(置き台)の方が先に完成しちゃった。
シンプルな板差しによる台。
魅せ所は材種・ローズウッドの美しさと、天秤差しによる接合の仕口。
この接合部は角を1分(≒3mm)出している。これは仕口を強調させるだけでなく、経年変化での痩せなどによる接合部の視的劣化を免れる。
実はローズウッドを用いての家具制作は過去数度試みているが、天秤差しの仕口では初めてのこと。
やはり想定通りでもあったがやや靱性が低い(ねばりが無い)ことによるためか、組み立て途上一部にクラックが入ってしまった。
加工精度の問題の方が大きいけれどね。
しかし経験者には理解していただけると思うが、100%の完璧さでジャストフィッティングというものはなかなか。
しかし組み立てと並行してクランピングすることで完成後はこのクラックも全く隠れてしまったので安堵させられた。
写真撮影は材種の色調の特徴から明度、コントラストが低調で難しいね。
しかし暑い、日本列島、いずこも同じ。那覇と静岡と北見がほぼ同じ気温だって !?
rose2

ピンルーター(ルーターマシーン)快楽的木工


法事やら何やらで慌ただしくお盆も過ぎ去っていった。また今朝から工房を開き業務再開とあいなったが、ピンルーターのトラブル後、3週間にわたって加工途上の板を放置していたので案の定困ったことが起きていた。(いずれも何重にも布団を被せるなどしておいたので、決して管理態勢に問題があったというのではなく、過剰な時間経過がもたらしたもの)
部材ごとに時間経過での伸張に差異が出てきていて「板差し」の接合部が合わない。困った。困った。(泣)
痩せの少ない方を太陽光線に当てるなどして収縮させてやるしかないかな。
天秤2
天秤1
天秤4さてピンルーターも無事修復したので、前回の関連記事で記した胴付き加工について、簡単に紹介したいと思う。
他でもなく、ピンルーター(ルーターマシー)の汎用性の高さ、その能力の一端を知ってもらいたいからだ。
今回は所謂「天秤差し」の加工工程の一部である胴付き面を施す加工をピンルーターを用いてやってしまおうというもの。

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ルーター修復と白ゆり

ユリa今日やっと懸案のピンルーター破損ワイヤーの修復が出来た。
トラブル発生以来、2Weeek近くになってしまったが、遅れた理由はいくつかの事情が重なってしまったがため、ということ。
やっと届いたワイヤーを取り付ける作業に精を出す。手を油だらけにしながらの修復作業ではあるのだけれど、何故か顔はにやついていただろうと思う。
数年に1度の修復作業なので戸惑うこともあった。
旧い機械なので、使われているボルトなどは規格が旧く損耗したものの取り替えにも時間を要する。
しかし機械屋の協力もあり完璧に直り、また以前と同様にルーター作業環境の整備で、加工工程もスムースにいくだろう。
めでたし !
画像は庭のユリ。(下はクリックで拡大)植えた覚えなどないのに、どこからか飛んできたのか知らん。
昨年からこの場所に咲くようになった。
台風通過で花びらがいくつか散ってしまったが、今日がピークの咲き誇りかな。
清楚で気高い大輪の花は夏にお似合い。
ご訪問の方々、残暑見舞い申し上げます。
ユリb

台風一過とはいかず

花
昨日に続き台風ですが、幸いにして当地域への上陸は避けられたものの、雨の被害は甚大。
工房の方ではなく、材料倉庫の方。プレハブの屋内にどどっと雨による浸水があった。これは晴れが続いて乾燥を待つしかない。外もぐちゃぐちゃでフォークリフトの動きも取れない状態。 (/_;)
しかし台風が通過すれば夏の太陽が顔を出しスカッとするはずが、しょぼしょぼと雨交じりの変な1日だった。ここ数日こんな天気かも。
画像は倉庫敷地内に咲いていた名も知らぬ野花。1つの茎からピンクとイエローが混じって咲いているオカシナ花だ。しかも別の枝には早々と実を付けているオカシナ花だ。 ??
……、
実は今日、電話で「HAFELE」営業とやり合ってしまった。
発注して届いたヒンジがべらぼうに高かったから。
ピボットコーナーヒンジ:1Pair:2650円
日本での相当品の数倍。10Pair頼んだので 26500円+消費税
しかも品質はお世辞にも良いとは言えない。T.T.S 相当品の足元にも及ばない。
自己責任ではありますがね。
信頼を置いていた「HAFELE」だけにその落胆は大きいのだった。
本件、あらためて画像を準備して記したいと思う。(タイトル:「金具の悩み」かな)

台風接近 今夜半にも上陸?

レーダー今日8月8日は立秋…。何と3つも台風が発生していた。
やっと梅雨明けしたので今度は台風の季節かねと思っていたが、いきなり3つとはね。
7号(マリア)、8号(サオマイ)、9号(ボーファ)。8号は南大東島の南南東を北西へ、9号は西表島の南南西を西に、いずれも台湾方向だね。
このうち7号マリア様が東海地域への上陸をねらい澄ましている。
990hPaという気圧になってきているので、やや勢力を低下させつつあるようだ。
【台風7号】(21:45現在)
  浜松の南南西 約100km
  中心気圧 990hPa
  中心付近の最大風速 25m/s(50kt)
  15m/s以上の強風域 北東側 220km(120NM)
            南西側 150km(90NM)
しかし油断は禁物。
当地も昨夜半から断続的に豪雨が続いている。
今日の仕事を終了した後は、機械という機械の定盤を中心として、合板などで完全に覆う。このように気温が高く湿潤な環境では結露のリスクが高い。定盤に結露して、間違いなく赤サビが発生する。
無論、加工中の材料にはしっかりと布団の下で眠りについてもらった。
どうかマリア様のおだやかな通過と勢力の低下を願うばかりだ。
画像2つはいずれも国土交通省提供によるリアルタイムレーダー画像、および気象衛星の画像。いずれも15分単位、30分単位での更新があり、それらが動画としても視認可能なものだ。雨雲の動きがつぶさに確認できるので、その実用性は計り知れないほど大きい。
なお、雷の情報は各電力会社のサイトが提供しているので活用されたい。
気象庁
リアルタイムレーダー
気象衛星雷ゴロゴロ鳴り出したのでネット接続停止します。あわててのタイプ、記事アップ。では台風進行方向、影響下の皆さん、お気を付け遊ばせ。

スタジオ撮影の変容

デジタルシステム
今日は必要があってスタジオでの撮影となった。
これまで近郊の商業写真を専門にする複数のスタジオで撮影してきてもらっているが、限られた個所でもあるためにそのシステムの差異については良く分からない。
今回のスタジオは使用頻度の高いところでのものだが、ほとんど完璧にデジタル撮影システムに変容していた。
以前は大判ブローニーサイズでの銀塩写真撮影であったので、まずはポラロイドでストロボの照射具合などをチェックし、その後フィルムマウントを交換し本撮影する、などといった前処理が必要であったり、あるいは撮影後もプロラボでの現像、焼き付け、色調確認後、本焼きなどといったプロセスを必要とされた。
片やデジタル撮影ではRAW処理+jpg処理、をPCでモニターしながら被写体のレイアウト、ストロボの発光量調整などを行えばPCからクリック一発で撮影終了だ。
こ後はRAWデータをCMYK処理した後にメディアに焼き付けて終了であるが、今回はこれは後日やってもらうこととして、添付した画像の通り、持ち込んだUSBフラッシュメモリーにjpgデータの方ををコピーしてもらってきた。
印刷現場においてもこのCMYKデータ+RAWデータをそのまま活用できる。
さらにまたIllustratorが少々扱えればDM作成においても完全原稿として印刷に回せるだろう。
芸術写真であるならばともかくも、プロの撮影現場でもこのようにデジタル撮影処理が一般的な撮影システムとして急速に普及してきているようだ。
世界的カメラブランドのニコンがプロ用機種数種を除き、銀塩写真用のカメラ本体の開発、および製作を止めたという報道にはさすがに驚いたが、プロの現場に於いてこのような現状を呈しているのを間近に見せつけられると、メーカーの経営戦略の見直しも宜なるかなと思わざるを得ない。
さてしかし、スタジオ側からこのような変容をどのように感じているのか知りたいところだが、どうも以前と比べ決して業務は簡便になったわけではなく、むしろ自身で処理すべき領域が広がった分、忙しくなっているように思われた。
しかも機材はカメラ関連だけに留まらず、デジタル処理のためのハード、ソフトの導入、およびこれらの取り扱いの修得など、一体デジタル化というものが我々の業務においてどのような意味を持つのか、よくよく考えてみないとその本質を見失う危険性を孕んでいるように思ってしまった。
・画像top:デジタル撮影機器スナップ
・画像below:今日撮影した画像データ(.jpg) クリックで拡大
■スタジオホワイト
 静岡県静岡市中原847-1
 054-285-4915
hashibami

測定具、スケールの悩み

家具制作に限らずもの作りには測定ということは欠かせない要素だろうが、今日はこの測定で迷うことがあった。
家具パーツの総長さを決めるための横切り丸鋸盤での切削過程で、あらかじめフェンスに貼り付けたスケールを基準にカットしようとしたのだが、どうもこれがうまくない。
ステンレススケールで寸法を確認すると微妙に差異が出るのだ。
はて?。
複数のステンレススケールで測定を重ねると、やはり1番長いスケール(2m)の目盛りだけがおかしい。少し長めになってしまっている。
約1mで0.3mmほどもの差異が出ている。
何〜だ、その程度?と思われるかも知れないが、木工に於いてこの差異は無視できない。
そもそもこうした市販のステンレススケールにも長さの許容差というものはあるし、季節によっての膨張、圧縮という変位もあるだろう。
そこでJIS規格を調べると、次のようだ。
■ 金属製直尺のJIS規格 JIS1級 B7515 – 2005
長さの許容差(単位mm)*温度20℃を基準とする
・500以下  :±0.15
・500〜1,000:±0.20
・1,000〜1,500:±0.25
・1,500〜2,000:±0.30
つまりボクが許せないと考えている誤差は、JIS においては許容範囲を少しはずれる程度ということになるらしい。まぁ、それでは仕方ない。かなり使い込んでいるしね。
ただ600mm、1,000mm、2,000mmと較べてみて、2,000mmだけが長く測定される、ということは、やはり熱膨張が影響していると見るべきかも知れない。
ステンレススチールは熱膨張率は高いというからね。
(残念ながらこのステンレススケールにおける熱膨張率についてのデータは取得できないでいる)
さらにこれはどうだろう。
うちではスケールは工房の柱にぶら下げているのだが、この管理の仕方に問題があるのか、ないのか。長時間のぶら下がりが自重で伸張するということは考えられないのか。どうなのだろうか。ふむ ??。
しかし重要なことは必ずしも絶対的測定値が問題ではなく、相対的寸法の方だろうから、スケールにも誤差がある、あるいは発生する怖れが常にある、ということを念頭に臨むことでさしあたってはクリアできる問題だろう。
どなたか、こうした情報に詳しい方がいればご教示いただきたいと思う。