工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ルーターマシーンについて(その1)

ルータービット
ルーターは家具製作、木工作業には欠かすことのできない切削用の機械だ。
その用途は成形加工、せん孔、切り抜き、大入れ、座繰り、彫刻などと様々なことに使われる汎用性の高い機械だ。
類種として大型のルーターマシーン(ピンルーター)、ハンドルーター、トリマーなどいくつかのタイプがあるが、今日はルーターマシーン(以下、ルーターと略す)の加工についていくつかのことに触れてみる。
(1日で記述できる範囲を超えているので、数回に分けて記述する)
以前ある木工家が管理されているWebサイトの掲示板でこのルーターについて話題になっていたことがあり、ここに割り込み数度書き込みをさせていただいたこともあった。
どのようなことが話題になっていたか簡単に紹介すれば…、
・ルーターは危険でハンドルーターしか使っていない。
・訓練校でも危ないからといって満足に操作方法を教えてもらえなかった。 etc
といったことのようであった。
これに対してハンドルーターと較べピンルーターのほうがいかに切削性能が高いか、むしろより安全である、訓練校で指導されないのは問題だ、といった主旨で書き込みをした。

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「Musical Baton」の憂鬱

今日はうっとおしい梅雨空を吹き飛ばす音楽ネタで…。とはいっても少し趣向が異なる。
Blogネット上でチェーンメール化している「Musical Baton」なるいささかいかがわしいものが「DAYS OF CHAIRS」TABULA RASAさん経由で渡されてしまったので、これについての回答と少し感想も…。
…… 嬉し恥ずかし、いや憂鬱なエントリーではある。
質問 1 Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
1.705曲 10.55GB(1部BEST盤などによる重複もある)
iTunesiTunes が標準搭載され、 iPod が身近になってからというもの、音楽の楽しみ方は激変。
室内ではMac、iTunesで駆動し、デジタルアンプを介してJBLを鳴らすというシステムが基本になっちゃった。(参照
車内ではiPodで駆動させカーステレオを楽しんでいる(参照
質問 2 Song playing right now(今聞いている曲)
キャラバン
キャラバン
ブリュノ・クーレ, 映画「キャラバン」のサウンドトラックだが、標高5.000mの高地から聞こえてくるマントラをバックにした民族音楽+西洋音楽のハーモニーは蒸し暑い夜には一服の清涼剤。(参照


質問 3 The last CD I bought(最後に買ったCD)
コシカ/ひとつしかない地球
コシカ/ひとつしかない地球
宮沢和史, Diana Arbenina, 亀田誠治, Catia Werneck, Tomek Makowiecki, Kiril Marichkov  
このアルバム以来買っていないな。iTunesのミュージックストアがスタートすると(本年度中にもスタートするといわれているが)、やはりCD購入も減るのだろうか(参照
質問 4 Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me(よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
ザ・ケルン・コンサート
ザ・ケルン・コンサート
キース・ジャレットのソロピアノでのオリジナル演奏
緊張感のなかにあっても破綻することのない集中力が輝くばかりの美しさを醸す。
個人的にはまじめにジャズピアノ演奏と向き合い始めたきっかけの盤。

My Favorite Things
My Favorite Things
若い頃はコルトレーンのナンバーを良く聴いたが、最近まで継続して聴いているのがこれ。
タイトル曲はご存じのように「サウンド・オブ・ミュージック」(リチャード・ロジャース/オスカー・ハマースタイン)の挿入歌だが、今や多くのミュージシャンが取り上げるスタンダードナンバーになっている。
Abbey Road
Abbey Road
ザ・ビートルズとしての実質的なラストアルバム。
名曲揃いと思う。Something、Here Comes the Sun、Because、Come Tougether はザ・ビートルズの、いえ60年代ロックの最高峰 ?


サティ:ジムノペディ(ザ・ベスト・オブ・サティ)
サティ:ジムノペディ(ザ・ベスト・オブ・サティ)
高橋兄妹のサティーはどれも良いが、アキさんのほうが耽溺できそう。


バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
このBlogでたびたび取り上げてきた盤なので、簡単に。
デビュー時にも同じ作品を演奏し、名盤になっているが亡くなる前年にあらためて再録音されたものがこれ。
カナダ国営放送の遺された録画での演奏のスタイルと合わせ聴くとなおグールドの独自性は理解できる。
Bachは古い ! なんていわせない、名盤。
名盤ぞろいだと思うけど、何やらどれも古色蒼然の趣だ。しかも雑多。
ほとんどボクの音楽性など停滞したまま、ということか。
これらはiTuens での再生回数のデータとは全く相関していない。
因みに車載のiPodでの最近の再生回数の多さでは「一青想 」(一青窈)だったり、「ヴォヤージュ」(アン・サリー)だったりと何故か在日アジア系女性ミュージシャンが多くなってる(ちょっとイレギュラーな回答だが)。
質問 5 Five people to whom I’m passing the baton(バトンを渡す5人)
藍 blog(器の紹介をメインに生活の楽しみ方を良く知っている達人。最近は街並み保存へフィールドを拡げている、藍さん)
伝統工芸と ともに歩む(東京、品川の桐タンス屋の旦那。業界のIT化を通した活性化に尽力する、tansuyaさん)
ストックホルムの空を見上げて(EOS 20D + Carl Zeiss を駆使し、木工修行+2人の子育てに奔走する、Ikuruさん)
日日是好日(多くの本格的趣味と社会活動で奔走する多才なブロガー、turner_kentさん)
これらの方々にお渡しいたします(喜んで受けていただける人もいれば、恨まれそうな予感も )
ルールに準じて5名にお渡しするところ事情あり4名ですがご勘弁を。

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Google Maps のオドロキ

Google Maps
このところはまっているWebサイトサービスに「Google Maps」といいうものがある。
既に多くの方も体験したと思うが、最近になって日本国内も最高の画質でサービスされるようになったので紹介する。びっくりしたな、もう〜。
写真(スクリーンショット)は国会議事堂あたりの航空写真だ。縮尺はおよそ 1/3.000ほどか。(クリックで拡大写真)
人の姿の確認までは無理としても車などは判別できる精細度ではないか。
これが地球上全域において網羅されている。
但しこの写真が最大の拡大だが、この拡大は日本では東京23区、一部埼玉県、神奈川、鎌倉あたり、そして何故か四日市周辺のみのサービスだ。他地域は無理やり拡大できても精細度には欠ける。
しかもオドロキはカーソル、ポインターで途切れることなく東西南北どこへでもスクロール可能。あなたの家から南極へ目指して一気に空中散歩ができるのだ。
そのスクロール操作での解析、表示の早いこと早いこと。腰を抜かす程だ。

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ブラックウォールナットへの墨付け

フエキ シャープペン
次の制作に用いる材料(ブラックウォールナットの板)が工場のストック量では足りないということに気づく。
こんな梅雨時に桟積みをばらすのはやりたくはない。
周りの湿度が高いので板の含水率も期待するほど低くはないだろうし、こっちの体調も梅雨時では快適とは言えない。
しかし使用目的は椅子なので、あまり厚版は使わないし、幅広の材料も使わない。少々高い含水率でも良いだろう。
ブラックウォールナットという材種の価値は色。従って人工乾燥では色褪せするので、できるだけ天然乾燥だけに留めたい。
ということでばらしにいったのだが、途中雨には見舞われるし、ハチには追いかけられるし、指先に怪我はするし、で散々な1日だった。
まぁしかし、丸3年干した材料なので含水率も20%を切っていたし、製材の時の材質の良さに惚れ込んだことも思い出され満足だった。

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車載コンピューターとブラックボックス

過日、自家用車の購入後12ヶ月点検でディーラーに検査してもらったのだが、その寸前に1度だけアクセル踏み込みとエンジン回転コントロールが同期しない、レスポンスが悪い、といった症状が出たことを訴えたということがあった。
結論的には何らキャブレター周りの異変はないとのことだったので安心した。
この「異変はない」ということは何を根拠に判定しているかというと、車載コンピュータのログの分析からのことのようだ。
ボクはこの世界はちんぷんかんぷん。
燃焼室へのガソリン供給、噴霧量のコントロール、着火タイミングのコントロールが昔のように機械的にやっているのではなく、全てコンピユーター制御で行っていることぐらいしか知らない。
分厚いマニュアルも拾い読みしかしないが、運転していると意外なところでコンピューター制御されていることに気づく。
オートクルーズコントロールはもちろん、走行中の燃費、燃料切れまで後どの位走行できるか、など表示してくれるし、ワイパーなども停車してるとインターバルが長くなったり、バックギヤに入れると自動でリアウィンドーのワイパーが作動する、など至れり尽くせりだ。
最近では他車に接近することを判定し、自動的にブレーキが掛かるといったことも実用化、搭載されてきているようだし、いずれハンドルをコントロールする必要性もなくなるかもしれない。

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近所付き合いの難しさ

ブビンガうちはあまり地域密着型の仕事はしていない。ほとんどそれらしい宣伝もしていいない。しかしたまに地元の人からの受注があったり、工務店からの依頼も出てくる。
概してうちでやらなくてもどこでも出来るようなものが多いもので、丁寧に説明して断ることも少なくない。
写真の板はブビンガ(アフリカ産材、マメ科)だが、直径4尺(≒1.2M)もある丸太を輪切りにしたものだ。
地元の大工が施主がそれまで使っていたこのブビンガ材の座卓をテーブルとして再利用したいから、脚を制作してくれという依頼が飛び込んできた。
正直言えばあまりやりたくはない。
ただちょっと弱みがありむげに断れない。
以前この大工と世間話をしていたときに花梨の3.5寸材をある程度在庫している旨の話をしていたことがあり、このブビンガとは色調が合うからそれを使ってやってくれと言うのだ。

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ウォールナット 筺

筺a
しっとりとして、肌理細やかで、粘りがあって、均質。
昨日に続いて和菓子の話題ではない。ブラックウォールナットの仕事をしてきて味わうことが出来た材質への職人ならではの体感のことだ。
今回用いたブラックウォールナットはなかなかの良材。
ご覧のように色調が豊か。ダークブラウンに赤紫がかった微妙な色調だ。
質感もとてもしっとりとした均質でねばりがある。
とても堅く重く緻密で、鉋掛けを楽しむことができた。
日本のくるみのような柔らかさとは対極の重厚なものだが、決して堅いだけではなく緻密で粘りがあるので、加工にも仕上げにも破綻することはなく作業者の意図を汲んでくれ、しっかりと付いてきてくれる。
質感としてはCLAROウォールナットに近いものを持っていた。
良く材種の評価として「日本の木はすばらしく、対し外材は脆く、大味だ…」といった根拠のない蔑みも散見される。確かに日本の木のすばらしさは世界に誇るべきものがあるし、また日本人のDNAの中にもこれらの木を尊ぶものを持っていることは誇りとしたい。
また概して南洋材には低品質なものもあることも確かだ。
しかしだからといって外材全てを低品質であると言い切ることは誤りであろう。
ある程度の木工経験のある職人が自身で使ってみればたちどころにその質感に惚れ込んでしまうだろう。

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梅雨どきには和菓子で

麩菓子
県内伊豆地方では大雨注意報も出たようで、当地でも梅雨入り後はじめての本格的雨に見舞われた。
都内を中心に「1.000.000人のキャンドルナイト2005」(6/18〜21、20:00〜22:00)という催しがあったようだが、暗闇の中満月を愛でることはできただろうか。
しばしプラグを抜いて、キャンドルの下で、親しい人と、恋人と、家族と共に「スローな夜を。」という催しだ。
今日はLinkしている藍ブログを真似て和菓子に器の話題。
うっとしい梅雨空の下、藍ブログを開くと「ずんだだんご」掲載。舌なめずりするだけでは?、と、知人陶芸家から美味しそうな和菓子が届く。
クール宅急便で届いたものの賞味期限が本日限り。2箱も入っていたので、少し車を飛ばし友人宅へお裾分け。
所謂、麩菓子。「銘菓 餡麩三喜羅」あんぷさんきら という 愛知県江南の老舗「大口屋」のもの。

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「Fine WoodWorking」と雑誌リテラシー

FW
米国から定期購読の雑誌が届けられた。「Fine WoodWorking No.178」だ。
今日はこの雑誌について取り上げる。
木工に関わる人、興味のある人の中で海外のテキストに興味のある人のほとんどはこの雑誌を知っていることだろうし、定期購読している人も多いと思われる。海外の関連雑誌では最も購読者数が多いのではないだろうか。
The Taunton Press という出版社の発行によるものだが、この雑誌の取材を元にしてカテゴリーごとに多くの単行本(ハードカバー、ソフトカバー含)やDVDソフトも豊富に再構成され出版されている。
その内容と性格はアマチュアからプロまでを対象とした幅広い総合雑誌といった感がある。
ボクも木工を始めた頃から定期購読しているが(バックナンバーを確認すると No.65 からだ。7巻/ 年)、最初の頃は仕事を終えると紙面に穴が開くのではないかと思うほど飽く無く見ていたものだ(今は届けられてもざっと拾い読みする程度になってしまったが)。
日本でも類書雑誌もいくつかあるようだが、なかなか出版社としてはペイするだけの購読者数の確保が難しいのか、休刊、廃刊という憂き目に遭うことも多いようだ。
この木工関連出版界における日米の差はどこにあるのか、いくつもその彼我の差異を列挙することは可能だろうが、誰しもが否定できない事実として「木工を含めたDIY 文化の成熟度の差」ということが言えるだろう。

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「新月の木」講演とセミナー (お知らせ)

森
新月の木国際協会」から今後の活動内容を記した文書が届きましたので、ここに簡単ですが紹介します。(何故か対象サイトにはまだ反映されていない)
まず喫緊の催しから…
講演とセミナー
■ テーマ:地球と生活を支える木の実力
■ 日 時:2005/06/25 (土)13:20〜
■ 場 所:新木場ホール (東京都江東区新木場1-8-6)
■ 主 催:NPO法人 新月の木国際協会
■ 連絡先:Tel 0475 55 5769
■ 講 師:熊崎 實(岐阜県立森林文化アカデミー学長、農学博士)
    對馬 英治(建築設計工房主宰)
その後冬季の伐採時へ向け様々な催しがあります。
いくつか列挙します。
現認者総会・研修会・見学会
■ 日時:8/28
■ 場所:静岡
サスティナブル建築世界会議エコビルド展参加
■ 日時:9/28〜30
■ 場所:東京
その後、冬季にかけては各地(北海道、秋田、神奈川、静岡、山梨)で新月伐採の実施、見学会、研究発表会が行われる予定になっています。
いずれも詳細はこちらまでお問い合わせください。