ソファ「悠」の場合

インターバルが空いてしまったが個展出品の家具の紹介。
今回はソファ「悠」2P。
ウォールナットの良材をふんだんに用い、贅を尽くしたソファ。
贅とは、この場合、材質の良さもさることながら、仕事においても高品質なものを目指した。
デザイン、構成はアーツ&クラフツ様式を基にしたものであることは見ての通り。
ただディテールにおいて、かなり工房 悠のエッセンスを盛り込んだつもり。
重厚な木取りの前脚をハの字型にふんばらせ、ここに幕板を貫通クサビ止め(後ろ脚も同様)。
この脚部に接合されるアーム部位はそれぞれに組み手で納まる。
脚部前後を結ぶ幕板は不定型な円弧を描き、傾斜して納まる。
デザインの考え方も様々であるが、ボクたち木工家においては、やはり家具という造形物を構造的必然性から要請されるものとしての意匠というものが、まず前提となる。
つまり、それぞれに意味のあるフォルムであり、ディテールとなってくる。
嫌みのない、あるいは外連味のない、納まりの良いデザインである。
技法的には難易度においてさほど見るべきところがあるわけではないが、それぞれ傾斜した脚部への納まりであり、丁寧で高精度な加工も求められる。
そうしたややナーバスな加工も、こうして仕上がって見れば十分すぎるほどに報われるというものだ。
それとやはりソファにおいて肝心なのは張り。
総合的にも木部よりも、むしろ張りにおいて、その座り心地は決定づけられる。
木工家というもの、木部で終わりとは行かず、最後の張り加工まで全面的に介入して、望むべくクッション、座り心地を追求しなければならないね。





木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
