工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「思いやり パッシング運動」

秋の全国交通安全運動週間期間中ですね。(9/21〜)
今日は運転免許の更新のための講習で地元の警察署に出掛けた。
講習担当の講師は恐らくは県警交通課の職員が退職後「安全協会」などに所属して職に当たっているのだろうが、眠さを堪えるのが難しい講義だった。
安全運転への専門的知識はおありなのだろうけれど、講師としての指導力にはいささか疑問を呈さねばならない。
ただ1点。目をぱちくりさせられることがあった。
現在、静岡県警では「思いやり パッシング運動」というものを実施しているのだそうだ。
俳優 藤岡弘さんを起用して静岡県限定のCMもやっているらしい(ボクはほとんどTVを観ないのでこのCMは観たことがない)。
県下の皆さんご存じでしたか?

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「イサム・ノグチ展」

モエレ沼公園を観てきた。
と、言いたいところだけど東京都現代美術館「イサム・ノグチ展」での模型の方だ
イサム・ノグチの展示会としてはボクはかつて東京国立近代美術館での「イサム・ノグチ展(回顧展)」(1992)以来だ。…13年も前か。
あの時も「エナジー・ヴォイド」に迎えられ、その力強い造形と有機的なフォルムに圧倒されたのだったが、今回は、東京都現代美術館という新しい拡がりのある空間に設置されて清生としていた。(東京会場巡回の前の札幌芸術の森美術館では池の湖面に置かれたようだ)
やっぱ、この花崗岩の彫刻がサイコー。
他にも92年の時とは異なる作品も多く持ち込まれていて、大変見応えのあるものだった。
ブランクーシの影響を包み隠さず表現した若い頃の作品から、また晩年の独自の洒脱な造形のものまでイサムの足跡をたどる展示内容になっていた。

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今日の工房から

テーブル部品
時にはお仕事の様子も取り上げねばまずい。(_ _ )/
写真は「ネストテーブル」の天板を除く全パーツ。
1Set、3台。これが5Set分。
加工が終了し、仕上げにかけられる前のスナップ。
手前から…、天板吸い付き桟、脚(柱)、畳摺り、貫。
それぞれサイズが3種。
まずこれらを仕上げ、サンディングした後、天板の仕上げと進んで、組み立て、というステップなので、もうしばらくかかるかな。
ボクの仕事は木工職人としても早い方と自負している。
プロ意識を持った職人として鍛錬してきたつもり。

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木工機械ワークショップ

今日の拙房は知人木工家、デザイナーが4人ほど集まり、機械の研修会場に相成った。
対象とした機械はピンルーター(大型のルータマシーン)。
各々、キャリアを積んだ木工家の方々を対象としたものなので、かなり実践に即した内容で解説させていただいた。
基本的にはピンルーターの切削能力、その汎用性の多用さなどに重点を置いたもになった。
ピンルーターを日頃から多用しているボクとしては、以外にも多くの木工家がこの機械を導入していないという現状を訝しく思っていた。
ルータマシーンへのあらぬ誤解(危険な機械、量産家具向け etc)、その能力への軽視などを払拭してもらい、ぜひ日々の木工加工作業の向上を図ってもらえればという一念で対応させていただいた。
作成したレジュメには

  • 「手作り」というドグマ、陥穽に陥ってはならない
  • 生産性の向上と加工精度の向上は工房運営を助けるだけではなく、デザインの自由度を高める

とした。

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木工機械の刃物について

手押し鉋
写真は手押し鉋盤と、その刃物。
今日は新たな作業に入る前に、機械刃物を交換した。
さて木工機械の刃物の材質についてはいわゆる工具鋼といわれるものが用いられるが、これも様々な材種があることは良く知られている。
刃物としての条件は以下のようだろう。

  1. 靱性が高い(粘りがある)
  2. 高い摩擦熱に耐えられる
  3. 硬度がある
  4. 刃先が鋭利に研ぎ上がる

現在では木工機械の刃物は「高速度鋼(JIS記号=SKH○)」と、「超硬合金(JIS記号=G2、D1、D4など)」の2つがほとんどだろう。
鉋、ノミなどに用いられている「炭素工具鋼」は硬度における耐熱性が低く、高速回転する機械用刃物としては不適だ。
対し、高速度鋼は高温(600℃位まで)になっても軟化しないので機械用刃物として用いられてきた。
さらに「超硬合金」の耐熱性はとても優秀であるため高速での切削加工が可能になり、「高速度鋼」にとって変わられつつある。

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珈琲の木

珈琲の木
ひょんなことから珈琲の木を育てるようになってしまった。
日本の気候と土壌で果たして育成できるのかどうか、全く分からないのだが……。
これは先の伊勢丹新宿店での展示会の会期中、展示フロアと同じ階のコーヒーショップにおける展示企画者との交流の際、「開店一周年記念、毎朝先着10名様 ! 」ということで頂いたミニ観葉植物だった。
弱ったな、どうしたものか、と思ったが、会場で展示小物として活用すれば良いかと思い、ありがたく頂くことにしたのだった。
その後、順調に生育?してるかな。葉っぱの色も濃くなり、その数も増えているようだ。
しかしその幹はあくまでもひ弱そうであり、1番下には、まだ双葉が付いている状態。
緑の葉の色と真っ赤なカップがコーヒー産地、南国の色調を思わせ良いではないか。
庭の小さな畑に直植えするまでに育ってくれれば良いのだが。
まさか実を収穫しようなどとは努々考えていやしないが、珈琲数寄者としては、手元に置いておくのは悪いことではない。
品種を聞くのを失念していたな。キリマンジャロが好みなんだけれど。
     ふるさとの訛りなくせし友といて
          モカ珈琲はかくまでにがし
    寺山修司

IT社会下での図書館活用

ここ静岡でも日中の暑さが引く気配が無い。曼珠沙華が蕾を膨らませてきているというのに、そうです、彼岸がそこまで来ているというのに。
今日は暑い中、市内の製材所で、1枚、板を挽き割ってもらうため出掛けた。
製材所近くのなじみの蕎麦屋で新そばを頂き、調理場から出てきた亭主と四方山話。
先にエントリー紹介した、市内博物館で開かれている小川幸彦陶芸展についてなどが中心。
展示会に合わせ往時の知り合いが集まり、「偲ぶ会」を催したのだが、残念ながらボクは自身の展示会で遠方に逗留、欠席していたため、様子を知らせてくれたのだ。
その後、いくつか所用を済ませた後、隣町の図書館近くを通りかかったので、久々に立ち寄った。

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《展示会の夏》でした

ふうせんかずら1ふうせんかずら2

この夏は展示会が相次ぎ、忙しい日々を送ってきてしまった。
日曜日に横浜での椅子展も終了し、撤収も済ませ、昨日整理も終わった。ホッ。
さて、この秋は受注品の制作、その合間を縫っての新作の準備に取りかかって行かねばならない。
仲間では東奔西走で頻繁に展示会(グループ展、百貨店の催事など)をしている人もいるが、感心してしまう。
ボクの工房環境では、せいぜい個展は1年に1回、あるいは2年に1回、その間に百貨店催事などのグループ展が年2回ほど、といったところが良いところだろうか。

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木工機械導入の手法、番外編

ここ数週間、2個所から木工機械の処分についての相談を受けた。
年老いて、跡取りもいないので処分したい、ということではなく、いずれも中途での廃業だ。
一方の木工家とは交流もあったので起業からのいきさつはある程度知っているが、残念ながら思うような業務展開ができなくての廃業。
きれいな良い仕事をする職人だったので、全く惜しい限りだ。
ボクとは一回りも若い人で、既に半ば転業していたので、今後はこれに専念するようだ。
もう一方は知人からの情報だが、首都圏で椅子屋をしていたボクと同年代の2代目。こちらも業務展開に展望が拓けず、継続を断念するという。
自身の土地なので、しばらくは工場を解体して駐車場経営などをする予定だという。
いずれも自分たちに業務上の瑕疵があったわけではなく、昨今の伝統的なもの作り業界への逆風に抗いきれず廃業に追い込まれたものだ。無念だ。
さて、機械の処分は専門業者に依頼するのが一般的だ。
しかしこうした処分方法は買い取り価格が異常に低く抑えられるため、処分する側としては望ましいことではない。
またこうした中古機械を導入したいと望む木工所も、業者が間に入ることで高い買い物になってしまう。
そこでほとんどボランティアでの仲介をするボクのようなお人好しも必要となる。
機械のリスト、希望処分価格を出してもらい、これを希望者に斡旋する。
その後の価格交渉での仲介、機械の撤収から搬送、設置に至る調整などやや煩雑なことも含め労を執ることになる。
木工業という業種の起業は、その業務内容にもよるが工場設営のための資金、材木の手当、そして機械の導入など一定の開業資金が必要となる。
ここで問題にしている機械も相応の資金が必要だ。
もちろん木工機械というものは耐久性は高く、良い機械であれば数十年は使用に耐えられるものだ。したがって開業資金を抑えるためには中古機械の導入ということも一般に行われる。
むしろ昨今、この中古機械市場の概念も少々様変わりしているという側面もある。
木工業の産業としての衰退傾向は木工機械製造業にも及び、廃業するところも少なくない。
かつて職人からもてはやされたすばらしい機械も今や手に入れることが至難ということになる。中古機械もプレミア付きでの売買となることも少なくないようだ。
また若い起業者であれば、少しでも低価格な機械の導入を望むだろう。
こうした方々に廃業する人への橋渡しをし、ダイレクトに繋ぐことは、社会的、経済的な無駄を省くという意味からも有益だろう。
なお一つ、機械導入で自分の反省も含めてのことだが、資金がないからといって、低劣な機械を選択するということのないようアドバイスしておこう。
一度購入すれば廃業まで継続使用できるものであるので、長期的視野に立って、より良いものを選択し導入するようにしたいものだ。
業務経験が浅いとこうした鑑識眼も無いのが普通だろうから、先輩にアドバイスを受ける、信頼の置ける機械屋と仲良くなる、などといったことも必要となってこよう。
では、若い企業家に Good Luck !
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05年体制ともいうべき新たな政治体制が出現した
ファシズムが秋風の如く爽やかにやってきた
悲嘆にくれることなどラクチン。しっかりと現状を見据え、少しでも未来をたぐり寄せよう。
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 少し、希望を見いだすニュースを !
■ イスラエル軍がガザ地区から撤退、パレスチナ人が歓喜
12日、イスラエルの38年間にわたるガザ地区占領を終了。完全撤退。(参照
■ イタリア中部ファルージャからアッシジまでの24Kmの街道で11日、反戦、貧困撲滅などを訴える「平和の行進」があり、20万人が参加(asahi.com

初秋の山からの恵みが届く

栗きんとん
昨日、友人Tさんから秋の味覚が届けられた。
恵那 川上屋の「栗きんとん」。ムフフフ、美味いんだなこれが。
しっとりと滑らかに、栗本来の持ち味をそのまま菓子に仕上げている。
栗きんとん、といえばこれですわ。中津川の銘菓。
添加物無し、ほんの少量の砂糖だけ。初秋の山からの贈り物ですな。
Tさんの心遣いと、山の恵みと菓子職人に感謝して、言うこと無しで、本日のエントリーはここまで。