建築家 白井晟一 [精神と空間]を観る
《建築家 白井晟一 精神と空間》と題された白井晟一氏の回顧展。
会場は「パナソニック電工 汐留ミュージアム」
会場に展示された手描きの設計図面は、とても緊張に満ち、グラデーションの表現までが細〜い鉛筆のラインで描画され、美しいものだった。
見慣れたCADから吐き出されたものとは次元の異なる、設計者の鋭い眼差しと、研ぎ澄まされた思考の量感までが描写されているようで感銘を受けた。
ところで、住まいの近くに「静岡市立芹沢銈介美術館」があり、展示企画替えごとに足繁く、とまではいかないが、関心領域の企画の時には出向くことがある。
もちろん鑑賞対象は企画展示品にあるわけだが、多くの美術館がそうであるように、その美術館の佇まい、あるいは内部空間、しつらいなど、建築空間に身を置くことは付随した目的、という以上のものがある。
建築家・白井晟一をそれとして意識させられのも、彼の代表作の1つとなった、この芹沢銈介美術館(石水館)を最初に訪れた時以来のこと。
‥‥ いや、そうではなかった。
今では記憶さえあやふやになっているが、家具制作などに全く関心のない1980年代初頭の頃だったか、大江健三郎、磯崎新などを編集同人として岩波が編集発行している季刊雑誌の中で、磯崎氏の論考にこの白井が登場していたような記憶がある。
いや、違ったか。これから木工をスタートしようと密かに思い定めていた頃、数人の木工家に押しかけ、話しをうかがうということがあったが、その一人である今は亡き早川謙之輔氏の付知の工房を訪ね、そこで詳しく聞いたのが最初だったかもしれない。(こちらは明確に覚えているので間違いでは無い)
ともかく、白井晟一を意識させられたのは、そんな風な曖昧なものでしかなかったことだけは確か。
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木工家具のデザイナー & 職人のartisanです。
