工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Excel不調とGoogle社内でのWindows排除とiPad

Microsoft Office2008 forMacのExcelが絶不調。
セルへの入力がめちゃくちゃ重い。
セルのテキスト、数値を選択しようとカーソルを合わせ クリックするも、いちいちレインボーマークがぐるぐると回り出ししばし安定せず。
耐えがたい重さだ。
ネットを見れば、Mac OS X 10.6(最新のOS)上で同様の症状が報告されている。
必ずしもその対処法は確定的では無いのだが、まずはOfficeをアンインストールして、再度インストールすることで症状の改善を試みる。
少し改善したようだが、まだまだレインボーマークは元気に回り続ける。
どうも旧いデータの不具合は免れないようで、一端Appleのスプレッドシートである「Numbers」に書き出し、それを新たにExcelで読み込むというややこしい手法でファイルを再作成したが、少し改善したようだった。
ところで、アンインストール、再インストールの手順は簡単明瞭なもので問題ないのだが、その後のアップデートの手順には大きな問題がある。
Office2008 forMacはリリース後、これまで3度のアップデートが提供されている。
再インストール後のアップデートは、最新のパッチをダウンロードすれば良いだけのはずだが、これが何と1つ1つ順を追ってインストールするというシステムになっていて、膨大な時間を取られてしまう。
つまり都合3度のアップデートのインストールを余儀なくされちゃった。アホクサ !!
1つ1つが、Office2008 forMacのインストールよりも時間が掛かる。無論ネットワークのパフォーマンスに規定されるので、ユーザー個々の環境にもよることは理解しても、それにしてもなおである。
(-_-メ) 怒りフツフツはここまでとして、最近気になるニュースがあった。

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ウォールナットのラウンドテーブル

ラウンドテーブル

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松坂屋個展出品家具の解説第二弾、「ウォールナットのラウンドテーブル」
隣の画廊から流れてきたご婦人がこのテーブルの前で足を止め、つぶやいた。
「‥‥ これ、120ぐらいでしょ」
どうして分かったのだろう。甲板の直径をほぼずばり当てた。
実際は1,250mmであるが、誤差の範囲。
先を急いでいる風でもあったので、立ったままで少しだけ話を続ける。
「うちにも同じ寸法のものがあって、6人が食事を取っているのよ。
カリモクだったと思うわ。昔のことではっきりしないけど。
丸は良いのよ。主婦としても皆の顔が見えて体調なんかも分かるしね‥‥」
道理でずばりとサイズを当ててくれたわけだ。
毎日そのテーブルで食事を摂り、お茶して、新聞を読み、アイロンがけをする。‥‥ その住まいの中核的な調度品との濃密な関係性が身体にしみこんでいるのだろう。
住まいにおける家具とはそも、そういうものだ。
とりわけ食卓となると家族が日常的に集う“場”というものを与えてくれる。
家族の日常とともにあり、その家族の歴史を見守り、家族の肖像を作り上げる介添役となる。
今ではその実態も消えつつあるようだが「家族の団らん」の場である。
宮脇 檀(みやわき まゆみ 1936年 – 1998年)という著名な建築家が昔「大テーブルのすすめ」という文章を『暮らしの手帖』という雑誌に寄せていた。

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FIFA W杯まで12日に迫り

このBlogの右メニューにカウントダウンのウィジェットを置いた (^^ゞ
2010 FIFA W杯 南アフリカ大会開幕まで、ついに2週間を切ったというわけだね。
来月11日〜7月11日に掛けて南アフリカ各地で催される。
日本代表の対韓国戦前後あたりから、各種メディアでもやっとFIFA W杯の話題で盛り上がってきているようだ。
岡ちゃんのイレギュラー発言が妙な方向へと盛り上がりを引っ張っていっていることについては、今日は問わないでおこうと思う。
本大会においてボクの最大の関心は、マラドーナ率いるアルゼンチンがいかにメッシを自由奔放に使うことができるか、ということにもあるが、ちょっとアウトフォーカス気味に、南アフリカという開催国について強い関心を持つ。
インビクタス / 負けざる者たち Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)そんなボクの思いに1つの示唆を与えてくれたのが、2月ほど前に観た『インビクタス/負けざる者たち』というアメリカ映画。
言うまでもない、クリント・イーストウッドの最新作。

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「コレクションテーブル」

コレクションテーブル1

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今回から名古屋松坂屋での個展に出展したいくつかの家具を対象として解説を試みたいと思う。
最初は「コレクションテーブル」
ところでこの「コレクションテーブル」という名称は何とかならないものか、あまりしっくりこない。もっと良い名称があるはず。
要するに「ぐい飲み」、「蕎麦猪口」、「コーヒーカップ」、などの器、あるいはジュエリー、時計、何でも良いだろうが、ガラス甲板の下にオーナーのコレクションを収納ディスプレーする機能を持たせたローテーブルというわけだ。
これは以前、顧客宅でオーストリアから買い求めてきたと言う同種の機能を持つテーブルを見せていただいたことが契機となって、開発設計したもの。
ボクの顧客には陶器などのコレクションをしている人も多いので、そうした人に使っていただければ、という発想でもある。
元のものは脚部がろくろ成形のデコラティヴなものだったが、画像のようにシンプルでモダンなフォルムを持つデザインとした。
脚部はなだらかなテリ脚とさせ、エレガントなラインを描く。
個展会場でも比較的人気だったようで、多くの来場者が説明を求めてきた。
別途、国産の白木を用いての制作依頼も含め反響が良かったものだ。
松坂屋美術への客層とあって、様々なコレクションをお持ちの人が多いのだろう。
制作依頼してくれた人はコーヒーカップを置きたいということで、内部のアクリルパーテーションを大きく仕切り、総丈もやや大きくなる。
これを応接セットのセンターテーブルとして使い、来客にコーヒーを呈する時に、カップを客に選んでいただこうという趣向のようだ。
考えてみるだけでも楽しい光景だね。

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個展残務の日々

礼状
松坂屋個展の後片付けもまだ残っている状態で、なかなか次の制作へと移行できないのがもどかしい。
出展作品の傷チェック、再塗装、再梱包、そして制作依頼された別注の設計見積、書類整理、礼状の作成、発送と多くの雑務を進める。
先の記事(個展を終えて)でも記したように、大小様々な展示家具の買い上げとともに、顧客の方々には熱い視線でご覧いただき、暖かい励ましを受けるなど、個展開催に向けての制作、および膨大な準備活動からくる疲労も吹き飛ぶほどの高揚した日々を過ごし、今もなおその残り火が消えやらぬままに日々を送っているといった感じだ。
こうした非日常の時空からはいち早く抜け出て、淡々とした制作活動の日々へと切り替えていかねばならない。
そうした日常へと移行する前に、少しく個展の裏話でもしてみよう。

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〈天声人語〉から知人木工家の活動を見る

食後朝一番にやることの1つが朝日新聞コラム〈天声人語〉に目を通すこと。
この〈天声人語〉、今のコラムニストに替わって2年ほどか。
50代半ばの編集委員だったと思うが、博覧強記のライターとしてペンをふるっている。
そのやや過剰とも思えるメタファー多用が少し臭すぎるなと思いつつも読み流している。
今日の記事はそれを問うものではない。
今朝の〈天声人語〉、読み始めてすぐに誰のことを取り上げているのかが分かった。
甲府在住の木工家、荻野雅之さんの活動を取り上げていたのだ。
ボクが初めて東京国際家具見本市に出展したとき、同じグループに名を連ねたメンバーだったし、その後新宿OZONEにおける常設展示でもブースを並べた。
そして時期を違えたが、OZONEから撤退したという経緯も似ている。
彼はその後、このコラムで紹介されている通り、積み木活動で華々しく名を上げた。
すばらしい活動だと敬服している。

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北欧からの一陣の風

一昨日、“木工家具界の貴公子”の異名を持つ ? 須藤生さんをはじめ、カール・マルムステン、およびカペラ・ゴーデンの卒業生4名の訪問を受ける。うち一人はテキスタイル作家。
北欧における木工房、木工所はとてもクリーンなすばらしい環境で整備されていることは彼の地をよく知る先輩らから聞き及んでいたので、うちのような汚い工房を案内するのは赤面するばかりなのだが、いまさら腰を引いてもかわゆくもないので、すっぴんでご覧いただく。
ま、反面教師になれば良いだろう、といった風だね。
須藤さんは彼のBlog[ストックホルムの空を見上げて]で詳しく取り上げられているのでご存じの方が多いと思うが、帰国後着々と工房設立へと歩みだしている。
導入されつつある木工機械のラインナップを見れば、多くの人はそれらを垂涎の眼で眺めているのかも知れない。
確かに先に国内で開催された国際技能五輪の競技使用機種に採用されるなど、世界標準機と言っても過言でないようなFELDER社のものを基軸として整備されているようだしね。
そこで少し余談になるが、これだけは言っておきたい。
彼は決して富裕な資産家の子弟でも何でもない。
高価な木工機械導入を含むスタイリッシュな展開は彼自身がこれまで培ってきた資質、力量がもたらした結果以外の何物でも無いだろう。
あえて誤解を恐れず言えば、そうしたところへと必要な資金は集まるというのが、世の習いなのだから。

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夕焼けの下での田起こしを見ながら‥‥

田起こし
今日5月21日は二十四節気〈小満〉
画像は工房近くの田んぼの様子。
恐らくは週末の明日、明後日あたりに田植えをするためのる田起こし作業。
兼業農家による勤めを終えての作業だろう。
次の二十四節気〈芒種〉こそが稲の種蒔きという時期を指すのだが、実態は1つ前の二十四節気の頃というわけだ。
周囲のほとんどの農家がここ数日集中的に田植えをやってのけた。
先に挙げた夕刻の田んぼ光景は、この地域で最も早い地域のものだ。
さて、先の名古屋松坂屋での個展。
ちょっと知らなかったのだけれど、Googleでヒットして判明。
百貨店「大丸・松坂屋」の「Art 百花繚乱。」というサイトで詳しく紹介されていた。
今さら紹介しても詮ないことだな。

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個展を終えて (追記あり)

【生活をアートしよう ─ 杉山裕次郎 木工家具展 】が昨日18日、終了しました。
5日から2週間にわたる長丁場でしたが、多くの成果とともに終えることができ、ご観覧いただいた皆さまに心から感謝を申し述べさせて頂きます。
名古屋ではこうした個展は初めての経験だったということもありますが、与えられた準備期間等の問題など必ずしも十分な態勢が取れなかったことから、期待に沿えない部分もあったかもしれませんが、私、杉山の木工家具制作の現状の一端をお示しできたのではと総括しています。
会期中は多くの来場者に恵まれ、展示作品を熱心にご覧いただき、また展示品への高い評価を含め、積極的にお声を掛けて頂くなど、それまでの他会場とも異なる熱い視線を感じ取ることができたのもうれしいことでした。
また、歴史と文化に彩られた名古屋ならではの特徴的なこととして、木工というジャンルにおける暖かくも厳しい数寄者との深い交流ができたことも、予想外の収穫であったことを付言しておきます。
無論こうした方々からは温かい励ましに留まるわけもなく、独自の鑑識眼からの忌憚のない批評と、モノ作りにおける厳しさという側面からの知見を披露いただくなど、名古屋松坂屋美術という会場ならではのものであったことでしょう。
こうした場面では大いに刺激を受け、学び、また発憤させられるものでもあったのです。

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また今回の個展は「木工家ウィーク2010・NAGOYA」に協賛させていただいたわけですが、そのことが今回の来場者を特徴付けるものとなったのは言うまでもありません。
15日、16日の週末は「講演会」などの企画があったからでしょう。大勢の来場者がありました。青年たちの一群です。
そうした人たちにはこちらから積極的に声を掛け、どちらの生徒なのか、聞きたいことがあれば何でも気軽に聞いて欲しい、などと話をしたのでしたが、まだ就学間もない5月というこの時期では、共通言語も成立しがたいものがあり、深い交流は無理であったかも知れませんね。
一方、キャリアの職人、木工家という方々とは、デザイン、仕口、納まり、材種など、出展作を間に挟み、様々な話ができたことも良かったと考えています。
遠方からわざわざ来られた方も多いようで、杉山の“人となり”と作品を見比べつつ、納得、いやその落差を楽しんでくれたものと思います。
ネットから発するキャラクターの色合いと、その実態とのギャップは如何であったでしょう。
また「講演会」には会場立ち会いで出席できなかったものの、その後のパーティーでは酒を酌み交わし、大いに語り合ったこともあり、その中の少なくない数の関係者が翌16日〜18日に来場され、彼らとはかなり深いところでの話もできました。
中にはうざったく感じた人もいるやもしれませんが、木工へと専心することへの勇気をもらえた、とポツッと感想を漏らす人もあり、交流の意味というものをあらためて感じさせられたのでした。
私たちキャリアの木工職人にとっては、これからの青年にいかに木工家具の可能性と未来への希望を託すことができるかが重要なこととなります。
今後もこうした個展を含めた活動の展開を進めることで、悩める青年らに木工家具の世界の豊かさと希望を伝えていくことができればと考えています。
またこられの多くの方から本Blogの読者であることを明かされ、「もう絶対二枚ホゾでやっています‥‥」などとの声も聞かされるなど、その影響力を感受させられるものであったのですが、これは裏を返せば、それだけに責任も重いということであり、より強い自覚を持って臨まねばと思っています。
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さて、私の個展がこうした盛況のうちに終えられたことも、「木工家ウィーク2010・NAGOYA」の様々な企画との協賛によるものと考えられますので、企画運営者の方々には深く感謝するものです。
今後、こうした成果、あるいは手厳しい批評を深く受け止め、日々の木工の活動をより充実させていきたいと考えていますので、どうぞこれからも忌憚のない批評と、また許されるなら暖かい励ましを頂戴できればありがたく思います。
本当にありがとうございました。
なお、幾人かの人からは別注を承りましたが、さっそく設計見積をしまして、お届けする予定ですので、それまでしばらくお待ち願いたいと思います。
〈追記〉 (2010.05.20)
申し遅れましたが、展示しました家具の一部は、同会場にそのまま常設となりました。
メイプルホールキャビネット、座布団椅子セット、ディスプレーフロアスタンド、ハイスツール、ジュエリーBox、などです。
どうぞ今後も名古屋松坂屋美術での杉山の作品をよろしくお願いします。
個展会場

個展から学ぶこと(数寄者の思いから‥‥)

自身の履歴を参照しなければその年月も忘れてしまっている頃のことだが、いわゆる初めて「展示会」というものに出展した時の話しである。
名古屋市内で旺盛に現代美術工芸品の展示企画をされているギャラリーでのこと。
その前年か前々年か、松本で催されたWoodwork summitという会議(ワークショップ)に席を並べた、名古屋在住のT氏による斡旋、企画による木工家具グループ展示会だった。
当時、ボクは独立起業して数年といういわば駆け出しの修行徒であったが、その頃はあるイギリスアンティーク家具のショップから依頼され特注家具の制作にあたったり、ぽちぽちと増加しつつあった個人からの制作依頼に応えるという業務内容だった。
幸いにも引きも切らない受注のラッシュで、睡眠時間も十分に確保できないほどに目の廻る忙しさが続いたのだったが、この時期を定義するなら工房 悠のいわば“原始的蓄積の段階”の頃であったと言えるだろう。

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