工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

五輪もいよいよ最終コーナーへ

バンクーバー五輪もいよいよ大詰め。不幸にも練習中不慮の事故もあったり、雪不足で運営サイドは大変な苦労していたようだが概ね順調に推移しているようだ。
開催国カナダ五輪委が宣言した「Own The Podium」はともかくも、女子アイスホッケーも圧勝したし、男子チームも最終日のアメリカとの決勝へと駒を進めている。
現在のところメダル総数はアメリカに大きく差をつけられているものの金メダルとしては最多だ。
アメリカチームは、そのほとんどがNHL(北米プロアイスホッケー)所属だしね。
ところでプロ競技でも五輪参加を巡ってはいろいろな考え方、立場があるようだが、NHL選手はトップシーズンでありながら選手を送り出すチーム側のケガの心配をよそに必死になって戦っているようで、TVを通してという制約ながら見ている側も熱くなってしまうほどの白熱の展開。
国母クンのスノボ、ハーフパイプの世界では“五輪なんかにうつつを抜かす奴などダセェ ! ”という訳だが、彼らの五輪に対する相対化の意識を見るに付け、プロとしての面目躍如という感がしてくる。
(そうした世界のプロ意識というものを知らずして闇雲に叩くメディアの恐ろしいまでの知的怠慢、想像力の欠如には辟易とする)
明日未明、冬季五輪の華、アルペン回転予選が始まるね。
やっと皆川賢太郎の出番だ。
トリノ五輪では4位と健闘し、日本選手のアルペン競技としては50年ぶりの入賞を果たしている。
今季は決して良い状態ではないようだが、最後の五輪競技と考え、ぜひ力を出し切って欲しいです。
帰国後は上村愛子との挙式を控えているということなので、花を添えてもらいたいところ。
ウィスキーちびちび飲りながら、3時まで起きていられるかな?
では週末恒例のYouTube/カナダ特集。今日はやっぱりグレン・グールド先生にご登場願おう。曲はゴルドベルグ変奏曲BWV.988から冒頭部

春へ向け、体調整えて(食生活の見直し)

レモン
各地で春一番が吹き荒れ、弥生三月もすぐそこまで、という季節になりましたが皆さんお元気にお過ごしでしょうか。
この冬、これまでのところインフルエンザや風邪に罹患することもなく、健康に過ごせているのでありがたい。
ボクのような自宅に隣接した工房で日々木工に勤しむという暮らしを常とする環境というものは、風邪を引く、あるいは“もらう”というリスクはより低いということが幸いしている。
数日前に出かけた床屋では待合席で対面した母親同伴の中学生と思しき男の子から、質の悪そうな咳の飛沫が飛んでくるので、思わず慌ててハンケチを取り出して顔を覆ってしまうということがあった。
いわば無菌室のようなところで日々を送っているものからすれば、外は危なっかしくて仕方がない。
子が子なら親も親。子にハンケチを差し出すこともなく知らんっぷり。
公的空間に咳き込む体調で外出する時には、せめてマスクぐらいしましょうね。
画像はレモンと蜂蜜。
レモンは農業に勤しむ友人宅に訪問した折に庭に植えている樹からもぎとってくれたもの。
無農薬のレモンだ。
蜂蜜も近頃はめずらしくなった国産のもの。しかも隣町で製造された出自が明白な「ミカンの蜂蜜」である。
この2つが揃えば、当然にもホットレモネードで頂くことになる。
風邪予防にどれだけの効果があるのかは知らないが、ビタミンCは必須の栄養素なので積極的に取るのは悪いことではない。しかもこれに様々な効用があると言われる蜂蜜が入れば申し分ないだろう。

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二枚ホゾの薦め

椅子の貫
ホゾをどのように設計するかということは、木工家具の構造を考えるときいくつかの課題の中の重要な1つになるが、二枚ホゾを積極的に導入するということについては過去何度かこのBlogでも触れてきたところ。
今回のものは椅子の貫というかなり細い部材においても二枚ホゾを付けちゃおうという紹介である。
下の画像の「アームチェア大和」という椅子はこれまで100脚以上制作してきたうちの定番の椅子だが、ご覧のようにブラックウォールナットという広葉樹の中でも気乾比重≒0.63というやや重厚な部類に属する樹種ではあるものの、比較的軽く作られている。
多くの客が手にとってその意外な軽さに驚かれる。
“手作りの椅子”でござい、というジャンルのものではとても重く、日常ダイニングチェアなどで用いる場合、その使い勝手、清掃の際の移動などでかよわい女性の手には余るものも少なくないようだ。
そうであってはならないだろうという考えから、見た目は重厚ではあっても、可能な限りに軽くしたいものだ、ということで贅肉を削ぎ落として設計された椅子でもある。
したがってこのH型の貫も細身のものとなっている。
貫という部材は、椅子に限らずいわゆる主要な構造材ではなく脇役ではあるが、しかしそれが無いとちょいとまずいだろう、という名脇役。

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Kazuクン、君は立派にやり遂げた(孤高のスノーボーダーへ)

ボクはスノーボードは詳しくはなく、前回4年前の冬季五輪トリノ大会選手リストで君の名前を見つけて知った程度だった。童夢クンなどと並んでいた。
その後、NHK BSで放映されていた「X Games」でのアクロバティックなスノーボードの魅力は少し理解できたし、それらがアフロアメリカのビートを前面に出したHip Hop音楽から始まるファッション、アート、そして社会風俗として影響を及ぼしていくアメリカンカルチャーの息吹の中から登場した新しいスポーツなのだということも徐々に理解してきた積もりだ。
今回のバンクーバー五輪の選手名簿に君の名前を見つけ、21になっていることを知った。あれから4年たったわけだ。
昨秋には結婚したというじゃない。おめでとう !


さて競技の結果は第8位入賞ということだったが、これは立派な戦績だと思う。
実際、予選では42.5点という高得点を挙げ全選手の中でもかなり良いところに付けていたし、決勝では予選で封印していた「ダブルコーク」の大技を披露し、これが結局はクリーンに決められなかったことで上位入賞を果たせなかったという結果だったね。
でもマックツイスなどの豊富なエア、滞空時間の長さ、着地の安定感、全体の演技構成など、その流れははとても美しく、アートにさえ感じさせてくれたし、美しさという点においては群を抜いて立派だったと思った。
決勝での試技で転倒し、顔面を強く痛めつけてもなお、その美しいパフォーマンスは変わらず、君のその意志の強さ、アスリートとして高次元の力量に本当に感動すら覚えた。

この8位という結果は君の力量そのものだと客観的に理解するしかないわけだが、しかし一方、残念なものだったとも思う。
他でもなく、君が自分の本来のパフォーマンスをスムースに出せる環境には全くなく、ひどく抑制された状況下で臨むことを強いられてしまったからだったね

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木工屋の原材料管理

桟積み状態
昨日から2日掛かりで桟積み状態の材木の移動で奔走。
昨年春の資材置き場兼倉庫の移転についてはここでも触れたと記憶するが、一部、桟積みした山の移動を怠っていた。
製材屋の土場に桟積みされた状態で置かしてもらっていたものだが、いよいよ搬送をせざるを得ない状況に。
できれば天然乾燥が終了する時期まで保管してもらいたかったのだが、あまり無理も言えない。
仕方なく桟積み状態の材木の山を積み込み、12Kmほどの距離を4往復。
それに伴い新たな土場の整備と、搬送、そして再設置、トタン屋根の整備と、結局2日間たっぷり掛けての大仕事となってしまう。
これらは木工職人の業務としては必須のものだと考えているが、こんな面倒くさいことをせずとも、材料屋から乾燥材を求めれば済むという考え方もある。

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薪ストーブ、薪と灰と

薪ストーブ
先週は暖かい日も訪れたが、うって変わって昨日からの雨はとても冷たく身体を硬直させる。
あと一月ぐらいはこうして変調気味に推移しながら春分の日あたりにやってくるだろう春本番へと移行していく。三寒四温というわけだ。
工房裏の藪椿は次々と開花しているが野辺の菜の花の満開にはまだ早い。
工場ではまだまだ薪ストーブには活躍してもらわねばならない。
木工所の薪ストーブの燃料は端材、廃材で事足りるので、循環型のエネルギー活用方としては望ましい姿、大げさに言えばサスタナビリティー(持続可能性)な姿だと言えるだろう。
7、8年前にもなろうか。ダイオキシン問題が社会的に注目された頃のこと。
地域の自治会の寄り合いで、とにかく外で燃やすようなことは一切止めてもらいたい。焼却炉もダイオキシン対策が施されたものでなければNG。
薪ストーブ?、それもだめだ ! 、と論拠も示されることなく、お上からの下達だからというわけで少し慌てた。
材木のような素材の由来がはっきりした自然有機物の燃焼から、どの程度のダイオキシンを発生するのかはしかと確認したこともないのだが、農家が化学製品でできた農薬の袋などを畑で野焼きすることへの懸念と同列に論じられてしまっていることには、理解しろと言う方が無理。

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バンクーバー五輪の楽しみ方(Sustainability)

冬季五輪が始まった。
大いに盛り上がって欲しいとの思いとともに、このスポーツの大イベントを競技だけはなく、五輪そのもの、まるごとを考えるようなきっかけになれば良いなと考えている。
今回のテーマは、”With Glowing Hearts.”だそうだ。
スポーツそのものの快楽は五輪に限らず誰しもが純粋に、あるいは単純に体感できるものであって、これは自分で行うのも、観戦するのもそれぞれに楽しむことができるものだが、五輪ともなれば世界のトップアスリートらによって、またあらゆる競技で競われるので、そこにはまさに祭典としての快楽があるから格別だ。
ただこれが残念なことに国家間のメダル争いのようなものとして矮小化されたりすることに、どうしてもボクはなじめず、鼻白んでくることが屡々。(これまでの関連する記事、その1「スポーツの祭典の楽しみ方」、その2「北京五輪の憂鬱」、その3 「北京からの風」
今回の開催式も北京に負けずにど派手な演出で、相当の資金が投下されたことだろうと察せられるが、今大会までは、確か前IOC会長、サマランチが仕切ったものなのだが、実質的には次のロンドン五輪からジャック・ロゲ会長の指揮下で運営されるはずなので、様変わりする可能性がある。
そもそもアスリートらの伯仲した争いというものは国などと言う属性に無関係に大いに楽しめばよいのであって、その結果自身が帰属する共同体、地域、国の者が活躍すれば、自分のことのように喜び、拍手を送れば良いだろう。
さて、今回の開催都市はバンクーバーという北米カナダにある都市。
北海道、室蘭より緯度は高いそうだが、温暖化のせいなのか、比較的過ごしやすいようで、例えばこの静岡の御殿場ほどの気温なのだと言う。
競技ではボクはスピードスケート、男女のフィギヤスケート、なども楽しみだが、アルペン、皆川の滑りがどうかワクワク、ドキドキするね。
ところで関心が向くのが、このバンクーバーの先住民たちが、五輪開催に深く関わっているらしいとの話の方だ。(カナダ国内では「ファースト・ネーション」[First Nations]と呼称されるらしい)

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《We Are The World 25 Years for Haiti》リリース

We Are The World 25 Years for Haitiハイチ大地震からはや一月。数日前にも生存者が救出という報道があったばかりだが、まだまだ混乱が続くという現地。
本格的復興はまだ緒にも就いていないという状況だ。(REUTERS Haiti:One mouth on スライド
先に触れた(ハイチ、その後と〈We Are The World 25 Years for Haiti〉)ように、予定通りに昨日12日にビデオを含む楽曲がリリースされた。
曲:¥150 、ビデオ:¥300 購入はこちらから(iTunesが起動します)
収益金の全ては「We Are The World 基金へ寄付される。

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ジャコメッティ《歩く男》94億円で競売、落札

アルベルト・ジャコメッティの作品《歩く男I》が英サザビーズで競売に掛けられ、6500万ポンド(約94億円)で落札されたというニュースには驚いた。( REUTERS
REUTERSが伝えるこのニュースには無署名の写真が張り付いているが、これは《歩く男》の彫像とともに逆方向へと歩く姿勢の男性を構図の中に対比的に移し込んでいて、カメラマンの意図を強く感じさせる。
昨年末にStingの演奏に乗せてブレッソンとサルガドの写真の動画版(Youtube)を貼り付けた(美術展・2009回顧と、見逃せない企画)が、この中にもジャコメッティの1枚があったことは記憶にあるだろうか。
そうでなくとも有名な写真なので記憶にある人も少なくないだろう。(Henri cartier-bressonサイトの《歩く男》と並ぶアルベルト・ジャコメッティ
このジャコメッティの1枚に写っていたのが、競売対象の《歩く男I》と同じものであるかは不確かだが、ご覧のようにこの写真では作者その人が《歩く男》と共に前傾姿勢で歩むところがショットされている。無論これはブレッソン特有のの意識的な構図によるショットであるのは言うまでもない。
これが演出によるものか、ジャコメッティのアトリエ内での行動をつぶさに観察した上での見事なショットだったのかは不明だ。ただ二人は良い友人同士だったことは知られているので、そっちからこっちへ歩いてきてくれるかい、などと促したということも無くはないのかな。

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スカンジナビアン Workbenchの勧め

Workbench1
画像は椅子の座の調整をしているの図。
組み立て前に当然にも座板は座刳りから仕上げまであらかじめやっておくとしても、ロクロ脚の貫通ホゾとなると、あらためて突き出た角のカット、座刳り再調整が必要となる。
画像はこうしたプロセスの図だが、ここではご覧のように1本の脚の根本をワークベンチ、Tail Viceのアゴでしっかりと咥え、完全に固定されている。
したがって押挽ノコでのカット作業、その後の座刳り仕上げまでのプロセスは、あたかも座板だけを固定して削るかのような最良の作業環境の中で仕事に打ち込めるというわけだ(このハイスツールのような脚長のものでは座への作業アプローチは不安定きわまりないからね)。
作業台、Workbenchには様々なタイプがあるが、こうした利便性、機能性を提供してくれるものの中でも恐らくは最良のタイプだろう。

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