工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

椅子の試作へ

たんぽぽ
5月、桜前線は津軽海峡を渡って、北海道帯広まで到達したとの報。
我が家の庭のタンポポは早くも綿帽子になり春風に乗って飛んでいく準備をしている様子。バックの青紫の花はセイジ。
このところ近接撮影が続いています。これは地べた近くにカメラをセット。Canon PowerShotG1という機種ですが、液晶モニターがくるくる自在に回せるのでこうした特殊アングルには強い。
大和
朝から昨日やり残した薪ストーブの片付けなど、工房を夏姿へとヘンシン作業。
半年間世話になったのでキレイキレイにしてあげました。(オッと、この言葉遣いは変。してあげました、は間違い。しました、ですね)
午後からは新しいデザインの椅子を制作するための準備に大童。
写真の既存のものを基本とし、安楽椅子への機能転化を図ろうというもの。
間口を広くやや大ぶりに、背もたれはさらに傾斜をもたせ、アームの位置も要検討。


原寸3面図をあーでもない、こーでもない、と2Bの鉛筆を走らせ 形にしていく。
造形、掛け心地などのチェックに加え、適正な仕口、部材のバランスなど総合的に考えていく。
この図面書きが終われば、試作へと進めるのですが、ボクはあまりスケールダウンのモデルは作りません。いきなり原寸で試作します。ただ写真のような良質、高価な材種ではなく、胡桃、ブナなどを使います。
椅子の場合、最初の試作でOKとはいきません。数回の試作を重ねて本制作に入ります。
しかし本制作とはいっても数LOT制作した後に変更することも少なくありません。
あちこち我慢ならないところが出てきます。
こしたことを繰り返し、無駄のないデザインと、製作工程が練れてくるわけですが、他のカテゴリーとは異なり様々な難しい要素の多い椅子という分野ですが、それだけにやりがいもあるというものです。
明日は知人の木工家の個展などを表敬に出かけます。

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