工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

雷サージとは仲良くなりたくない

NTTの職員の友人に依頼していたある電子機器の評価についての回答があった。
これはNTTファシリティーズという会社の製品で「雷サージプロテクタ」というもの。(参照
以前にもADSLモデムの雷被害に関わる記事をエントリーしたが、その時に紹介したNTT技術情報に準じた機器を探したところ、この「雷サージプロテクタ」というものが出てきたので、この機器を現場ではどのように評価するか問い合わせていたものだ。
友人はNTTの交換機等の電源部門のメンテナンスをしている技術屋であるが、この機器については知らなかったそうだ。
拙宅にモデムの交換に来てくれる「NTTネオメイト」の職員にも尋ねたところ、同様に知らなかったという。
評価を質すと、「?、分かりませんね」との回答。


こうしたつれない回答には事情があるようだ。
どういうことかというと、雷に関わる防護機器というものは例え性能の良いものであったとしても、事の性格上、完全に被害から逃れることができるというものではあり得ないということからくるリスク回避の優良な回答なのだ。
PL法施行下では安易なことは口にできないということなのだろう。
雷の驚異というものはその電気的衝撃度からしても、どこから進入してくるか予測できない、という経路の問題からしても、ともかくとてもやっかいなものなのだ。
これが直撃であれば、如何に対策を講じようとも避雷は無理だろう。しかしそのほとんどは誘導による雷サージによる被害と考えても良いようだ。
これを避けるためどのような対策を講ずべきかという問題設定となる。
最近の家電品にしても、モデムにしても衝撃的な高電圧などには脆弱で耐力が低いLSIなどの回路部品を搭載しているので、これが遣られてしまうようだ。
とりわけ通信ネットワークの場合、電力線と、通信線の2つの進入経路があるため、雷害にはこれらに電位差が生じ、絶縁破壊から被害を受けてしまうようだ。
この「雷サージプロテクタ」はこうした双方の電位差を抑制しアース側に効果的にバイパスさせようというもので期待できそうだ。
ただこれを効果たらしめるためには、接地の問題をしっかりクリアさせることが前提。つまり接地抵抗をできるだけ低くする効果的なアース棒の設置と配線だ。
このアース棒埋設工事が少しやっかいだな。
1.5mほどのものを最低でも3本。
一方関連する機器として、「UPS(無停電電源装置)」というものも検討されねばならない。上の雷害対策とも深く関連する機器だが、こちらは主要には停電時もしばらくはバッテリーから電力供給しようというもの。
Power Mac G5 は電気食い。750VAという消費電力。
500VAくらいまでのUPSであれば数万円のインフラで間に合うが、なんと750VAの条件を満たすUPSは数十万円もする。本体と同等価格になってしまう。こんなもの置けません。  ウ〜〜ム。
個人ユーザーの皆さんどうされているのだろう。
これまでノートブック型だったので、いざとなればバッテリーが駆動してくれるので、このような心配は不要だった。
普段からデータのバックアップは心がけているので、作成時のデーターの逸失などたいしたことないけど、コンピューターへの雷害だけは避けたい。
結論。とりあえずはこの「雷サージプロテクタ」の導入か。
しかし今後あらゆる家庭に、こうしたネットワーク関連機器が導入されていくことは必至。(ユピキタスって言うんでしたっけ)メーカー、自治体、いずこでも良いが、真剣に研究と対策を考えていかないとならない問題なのではないのだろうか。

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