工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

Siegfried Schreiber (Wood Ternings)

今日は一人の木工芸家を紹介する。
ドイツ人の轆轤師、Schreiberさん。
ただいま来日中。東京ビックサイトのインテリアライフスタイル見本市に出展(German Craft Ex )。
明日15日は名古屋芸大 デザイン学科での特別講義(平田哲生教授 担当)。
昔の話になるが、1991年、1992年と「ウッドワークサミット in 松本」(阿部蔵之氏 主宰)のスペシャルゲストとして来日した折りにお会いし、いろいろと交流させていただいた。
当時はドイツ国内の職業訓練校の校長をしていたようだが、現在は創作活動で忙しいようで、それでもこのところ毎年のように来日し、展示、交流などを精力的に行っている。
昨年は六本木アクシスでの企画展示のため来日していた。
自身のWebサイトをご覧になればお解りのように、日本の挽物とはかなり造形的に異なる。


ウッドワークサミットの席で拝見したときに驚いたのだが、Bowl の厚みが数mm(薄いところでは1mm程か)しかないものがあり、明かりにかざすと木目が透かして見えるほどだった。
当然のように加工後の乾燥で、形は歪んでくるのだが、この歪み、歪みがとても良い味を出す。
ボクは轆轤はやらないので詳しく解らないが、富山の伝統工芸の轆轤師とは双方とても良い交流ができたようだった。
刃(バイト)の付け方(轆轤師は自身で任意な刃が付けられないようでは始まらない)、刃の当て方、などの技法上も違いがあるようで興味深いものがあった。
Schreiberさんの仕事を見ると轆轤という木工芸は、木に宿る生命力を見事なまでに引き出すアートであることを再認識させられたものだった。

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