工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ネストテーブル

ネストテーブルパース昨夜から小雨の当地。富士山では初冠雪の報。
今年からは山頂測候所が無人になっているが初冠雪の定義は下界からの視観測によるものだという。
例年より10日ほど遅いそうだ。
工場では「ネストテーブル」が完成。
いくつか写真を含めご紹介。
この「ネストテーブル」の”ネスト”という語彙は元々「入れ子状のもの」という意味があるが、一般に大小3台の同型のテーブルを入れ子上に組み合わせたものを指す。効率的な収納が可能だ。
【構 成】
無垢の天板の両脇に吸い付き桟を咬ませ、ここにH型の貫で接合された脚部をホゾ差し。それぞれ畳摺りをホゾ差しする、という簡明なものだ。(Top写真 参照)


【デザイン】
ネストテーブル脚4本脚のものが一般だったりするが、工房 悠のものはすっきりと2本脚になっているところが特徴だろうか。
ディテールに及べば、脚部のテリ脚、畳摺り部の曲面処理、そして、脚部、貫に見られる大きな切り面処理(脚部 画像、および断面図 参照)で陰影を出した。
この面取りは決して稜線をあいまいにさせず、シャープに残すことがポイント。
ネストテーブル断面さて、この「ネストテーブル」あまり国内では一般的ではないためか、需要はあんまりない。(ρ.-)
しかし展示会に持っていけば数セットは売れたりするので、定番として在庫を切らさないようにしている。
今回は先の展示会で本クルミでのものを展示したところ、ブラックウォールナットの家具を数点求めてくれた客からの受注があり、同材種でとのことであらためて制作したもの。
ネストテーブル1
      上、下の画像はクリックで拡大

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  • 展示会にもあったものでしょうか。いいデザインですね。アサブロにもリンクが入れられるようになりましたので、こちらを載せさせて頂きました。

  • kokoniさん、Link頂きましたようで感謝します。
    音楽をはじめ、芸術表現の分野は、個人的にも大変好きですし(素人の分際ですが)、感性の醸成、精神形成にも大きく影響を受けていることは確かなようです。
    戦後60年の今年、未だ多くの負債を抱え込んでいることなどが明らかになった夏でしたが、他者との交流に於いて、芸術の持つ力は大きいです。
    易々と国境を越え、狭隘なナショナリズムをうち破ってくれます。
    どうぞ、一見小難しいクラシックの分野に、やさしくお導きください。

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