工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

「Watch your music」ビデオ iPod 登場

Wyton Marsalis 3
噂は本当だった。
Apple Computerは昨日、カリフォルニア、サンノゼでの報道陣向け特別イベントで、ビデオiPod の発表を行った。
30GBと60GBの2種。2.5″の液晶カラースクリーンを搭載してきたが、外形サイズには変更がない。ただ厚みの方はより薄くなっている。
60GBでは150時間ものビデオを保存できるという。
価格はそれぞれ同容量を持つ現行機種と同じ。
Mac本体ではiMac G5の新型が発表された。
iSight(ビデオカメラ)内蔵になっているのが大きな特徴か。これを使ってiChatでのTV会議をどうぞ、ということだそうだ。
他多くのスペックが更新。またワイヤレスで、iTunes、DVD再生などをコントロールできるリモコン(新発売)にも対応。大きく進化したようだ。
ボクは旧〜い、iPodで楽しんでいるが(もっぱら車載ミュージックセンターとして、ですがね。参照)果たして更新へ向け、イケナイ、テクノロジー物欲を刺激するだろうか。
こんな2.5″などというモニターでビデオ再生などする時空環境などボクには無いしねぇ。
ただ、デジカメのデータ保存としてはこの上なく有効だろうし、また「青空文庫」などの電子本のデバイズとしてはかなり使い勝手も良いと思われ、こちらでの用途は大いに可能性を感じる。
さてところでこの革新的デバイスの登場は社会的にどのような意味を持つのか。


動画配信は同時にリリースされたiTunes6.0上から行われるが、iTMS(iTunes Music Store)が日本に上陸してわずか2ヶ月、音楽ネット配信のデフォルトスタンダードとして社会的認知も深まりつつあるようだ。
これに加えてビデオ配信がスタートするということはエンターティメント業界に大きな衝撃を持って迎えられることになると思う。
確かにこの度の発表はSonyの「ウォークマン」に先んじてiPodがビデオ対応になったというハード面での強化とその威力に目を奪われるが、実はむしろ「映像配信」というエンターティメント配給の新たなシステムが始まったという事が大きなインパクトを与えたと見るべきだろうと思う。
ipod_180-150.gifただしかし残念ながらこの映像配信のスペックを見たとき、落胆せざるを得ない面もある。映像の質がiPodの2.5″という小さなスクリーンを対象としていて、PC、Macで鑑賞できるほどのスペックではないのだ。(320×240ピクセル)
ユーザーがこれをどのように受け止めるのか、不安材料ではあろう。
しかしまた、ネット社会へ画像配信の本格化に「大きな一歩」として先鞭を付けた意義は決して少ないのも事実だろう。
昨日発表された画像配信提携元はABCとDisney Channelの2社だけのようだが、大きな話題を呼ぶことは必至。まずは2000本のミュージックビデオ、ピクサー社短編アニメ、テレビ番組などが提供される。1.99ドル/1本 での購入(日本では300円)
恐らくは今後多くの映像会社は参入してくるようになるのだろう。
iTMSがそうであったように、制作者(アーティスト)vs 配給元の関係性を揺るがし、デジタル社会に親和性のある戦略でしか生き残れなくなってしまうような方向性を促進させるものになるかもしれない。(本日の朝日新聞夕刊では「揺れる旧秩序」と題して、iTMSが与えた日本の著作権秩序への衝撃を明かしている←asahi.comでは記事がない)
同時にまたこれまでのTVによる映像配信というシステムへも改変を迫るようになるのか。
全く予測不可視な状態だが、Apple社にとっても巨像(旧業界システム)に立ち向かう理念と、力量が試されるようになると思う。
次に更新されるiPodは動画をワイヤレスでTVに流すことが出来るようになるのではと噂されているそうだ(しかしこれには上述した懸念 [ 画質 ] を解消せねば無意味だろう)
さっそくiTMSからミュージックビデオを確認したがPreviewできるはずなのに何故か上手くいかない?
Wyton Marsalis 2さて、Top写真、および左写真はWyton Marsalis がAppleイベント会場でパフォーマンスを演奏ってくれているところ。(Apple社サイトSpecial Event2005より)このトランペッター好きです。数枚しかCD持ってませんが、工場で良く掛けます。
次のLinkがサンノゼ会場の様子だが、ウイントン・マルサリスの演奏は最後の15分ほど楽しめる。

■ Apple社Steve Jobs CEOによって行われたSpecial Eventsの様子(かなり長い 1.5hほど)
■ New iPod TV CM
30秒間のシンプルで分かりやすく、しかもエスプリを効かしたCM制作の王道をいくような作りだ。([Quick Time]が必要)
さて、最後におまけの話題
Apple社のiPodとiTMSは今や音楽ネット販売、再生の世界標準となりつつあるようだが、このApple社イベント前日にはこうした独占的ネット配信にクサビを打とうというニュースも入電してきていた。
リアルネットワークス社と、同社にとって積年の仇敵マイクロソフト社の提携というニュースだ。
いくつもの反トラスト法訴訟についての案件で和解に達したことで、RealNewworks のデジタル音楽配信サービス『Rhapsody』をMicrosoft の MSN のホームページや『MSN Music』を通じてデジタル音楽配信サービスを行うようになるという。
しかし昨日のビデオ配信という新たなステージは、この提携話のニュースをも覆い隠し、両者の思惑をも吹き飛ばすほどの威力を持って登場してしまったようだ。

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