ハイチ地震、死者数は20万人にも
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明日17日は阪神・淡路大震災15周年。
地震の恐ろしさというものは、日本列島に住まう我々、均しく誰でも共有するところだ。
ここ静岡では東海地震への危険が叫ばれ久しいが、昨年8月「静岡沖地震」に見舞われ、生きた心地がしなかった。スワッ、これが東海地震か !! と慌てふためいたものだった。
この「静岡沖地震」での死者1名、負傷者245名という人的被害の内容からはさほどにはその怖ろしさは伝わってこないが、しかし今週12日に起きた西インド諸島に浮かぶ「山ばかりの島」、ハイチ(Republic of Haiti:英語読み)をおそったマグニチュード7.0 の地震による想定死者数10〜20万人という数字は巨大地震の脅威を強烈に示して余りある。
中央政府の施設をはじめ、ありとあらゆる都市空間が壊滅という異常な状態だと言われる。
まず、被災地の状況を画像スライドでご覧いただこう(REUTERS:画像をクリックすることで次に移動)。
また国連からも「flickr」に高精細な詳細画像が届けられている。(こちら:右上の〔Slideshow〕をクリックしてご覧ください)
地震発生後3日が経過し、各国支援部隊も到着しつつあるものの、空港機能の停止、陸路の断絶など輸送網がズタズタで、各国からの救援物資も滞りつつあるようで歯がゆいばかりだ。
ハイチと言えば最貧国の1つという不名誉なレッテルを貼られていることぐらいしか知らなかったが、少し調べただけでもこの尋常ではない首都ポルトープランスの壊滅的状況は、いかに自然災害がもたらしたものであるとは言え、人災的側面が色濃く影を落としているように思えてならない。
劣悪な都市環境と、手抜き工事による建造物は一瞬にしてパンケーキクラッシュを起こしたと専門家は指摘する(参照:毎日jp)。
今後、ハイチの再建は多くの困難を伴うことになるのだろう(参照:DemocracyNow! Japan)。
ところで日本政府も14日、500万ドル(約4億6000万円)を上限とする緊急無償資金協力を実施すると発表(官房長官記者会見 1、2)しているが、緊急災害派遣部隊の起ち上がりが遅いのではとの批判もある。
無論生命に関わることであるので事の性格上一刻も早い現地救援が望まれることは言うまでもない。
欧州諸国、米国、あるいは隣の大国中国と比してどうなのかは比較衡量されてしまうのは当然。隣百姓のような日本の国際的位置取りの姿は今回に限ったものではないからね。
ただ旧宗主国のフランス、あるいはカリブ諸国を自分の裏庭のようなものと嘯いてはばからない米国などによる”手厚い”支援と並び立てて批判するのもいかがなものかとは思う。
国家間の支援は、それまでの政治的、経済的結びつき、あるいは今後の国家間の関係性を見定めて行われるものだろうから。
無論災害の緊急時にはともかくも人道支援が必要なことはもちろんだが、長期的には農業、産業の再建と、自立的発展が鍵。
これまでハイチでは独立後(ラテンアメリカ初の黒人〔アフリカ系が主〕共和制国家として1804年にフランスから独立)も旧宗主国フランスからの膨大な借金漬けで自立的発展を阻害され、あるいは近年ではアメリカからの米支援により農業が壊滅的になってしまっているという困難は見逃せない)
こうしたハイチの歴史と現実を目の当たりにするとき、この震災を機とし、より困難な国家運営を強いられてしまうことは想像に難くないが、それだけにこの未来を担う有能な人材が瓦礫の下に埋まっている現状はなんとしても打開されねばならない。
一刻も早い救出と、長期的で効果的な経済支援策を、と願うばかりだ。
各国からの支援内容はAFP BBNewsに詳しい(こちらの図解)
なお、様々なところで地震救援金を求めている。
■ 日本赤十字社(Yahooボランティア)(日本赤十字社)
■ 「Think Daily」ではこのハイチ地震被害の 募金・寄付受付団体のプラットホームになっている(こちら)
ボクも少額ながら複数箇所に送った。
※ Apple社のiTunesからも送れるよ(アメリカの赤十字に全額送られる)