工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

快適さが戻ったMY Mac環境

【驚きの美しさ】

先の連休は更新したMacのセットアップで終始。
Macユーザーとなり15年目だが、iMacをメインのマシンとして使用するのははじめてのこと。
(数年前に妻が使い始めたので見知ってはいたのだが)
昨年末からトラブル続きのPowerMac G5だったが、結局この処理のためのお布施はiMacへと捧げることになった。
さて今回購入した機種は昨年10月にモデルチェンジしたものだが、ボクレベルのいつまでたってもビギナーユーザーでも、そのスゴサは分かりすぎ。
16:9というアスペクト比を持つフルHD対応のワイドスクリーン、2,560×1,440 pixという超高解像度を有するディスプレーにまずは圧倒される。
27″、16:9、2,560×1,440 pixという数値だが、A4ノート機種のほぼ4倍の広さ。
あるいはまたA4用紙を横に3枚並べてもなお縦、横に余白ができるというサイズ。
iMac 27


上の画像は試みにWebブラウザSafariから3つのウィンドウを並べたもの。
左から「工房通信 悠悠」、「木工家具の工房 悠」、「CNET Japan」
つまり複数のファイルを重ねることなく置くことができるということの利便性は確かに高いものがある。
APPLE iMac 27インチ 3.06GHz 1.0TB MB952J/AそれまでのiMacはApple シネマディスプレーと較べれば、視野角が狭かったが、今回はIPSパネルとなり、視野角は広がり横から見ても色調は崩れない。
またLEDバックライト採用はより強いコントラスト、明度を可能にしているのだが、ハード的なデザイン処理なども下部アルミ面とともにガラス製のフルフラットな正面の仕上げ、サイドの滑らかなエッジ処理など、ちょっと驚くばかりの美しさ(ガラス面であるために、室内環境の写り込み、反射は困ったものだが)。
またオールインワン、フル装備でありながら、これまでのiMac同様スリムなボデー。
プロダクト製品としての完成形がここにあるといった感じだ。

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【データ移行は手作業で】

それまでのマシン更新作業は、データをほぼ丸ごと移行していたので、Macユーザーには周知の「ターゲットディスクモード」というFireWire接続での超便利なデータ移行を行ってきた。
しかし今回はこの手法をとらなかった。

FireWireWinでは IEEE 1394 という規格。このFireWireという規格はApple社が開発し、 IEEE 1394として標準化したもの。
ボクが最初に買ったiPodの充電、データ転送ケーブルははUSBではなくFireWireだったな

絶不調に陥ったメインのMac(PowerMac G5)のデータはホームフォルダを丸ごと外部HDDにBackupさせていたので、新たなiMacは初期設定などを済ませた後に、この外部HDDとFireWire 800 ケーブルで繋ぎ、必要なデータのみをコピーするという手法を取った。
とりあえず今回移行させたデータは150GBほどのものだったが、このFireWire 800 と3.06GHz Intel Core 2 Duoというプロセッサの処理速度によりデータコピー作業は思いの外早いもので驚かされた。
なぜ簡便な「ターゲットディスクモード」をとらなかったかと言えば、これまで作成してきた様々なデータ、あるいはサードパーティー社の様々なアプリケーションで不要と考えられるもの、不安定要因の元になっていると感じられるものなどは引き継がないという、割り切りを基本方針としたため。
また絶不調に陥ったPowerMac G5はPowerPCというIBM製造によるCPUであり、今回導入したiMacはインテル。
それまでのOSは2種類のCPUに対応するUniversal Binaryであったが、OS X 10.6からはインテル専用となった。
このチップの違い、つまりPowerPCで駆動していた時代のアプリの互換性への信頼の危惧を考慮せざるを得なかったというわけだ。
例えば、笑われるかもしれないが、ボクはこれまで「Apple Works」というApple社のオフィススイーツを細々と使い続けてきた。
「Pages」という「iWorks」にパッケージされてくるApple社の現行のオフィススイーツのワープロもいち早く導入し、それをメインとして快適に使っているのだが、「Apple Works」上でいくつかのカスタマイズされたテンプレートは捨てるには忍びなかったし、また「Apple Works」が日本語縦書き対応なのに対し、Pagesは未対応ということでしぶとく依存し続けてきた。
しかし残念ながらインテルチップ下のMac OSX10.6 にはこのソフトは非対応。
「Pages」の日本語縦書き対応の提供は今後に期待するしかないが、編集機能などから観た場合、とても優れたワープロであるので、割り切りも惜しくはない。

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【メーラーの決定打は】

さてところで、更新にあたりまだ未決断なことがある。
メインのメーラーをどれにするのか、ということ。
突然の非計画的な更新であったので、メーラーの切り替えは考えていなかった。
これまで同様、MS Officeの〈Entourage〉を継続して使用するのが楽ちんだけれど、できれば〈Thunderbird〉に移行させたい。
もちろんサブでこれまでもApple標準メーラーの〈Mail〉も使っているし、〈Thunderbird〉も〈Gmail〉も使っている。
それぞれ一長一短。
あえて〈Thunderbird〉という選択は、言うまでもなくオープンソースで開発されたメーラーであることへの信頼性と好感であり、またそのフィルタリング機能標準搭載などの魅力からである(アドオンでのカスタマライズも魅力)。
意外だったのが、インストール後の起動で気づいたのが、Mac OS Xのアドレス帳がそのままインポートされちゃってたこと(未使用者にはこれって余り知られていないのでは)。
IT全般にわたって言えることとして、使用するアプリに何を使っているかでその人のリテラシーが分かる。Microsoft社からの距離の取り方も1つの指標、というようなことを語っている人がいたけれど、いつまでも〈Entourage〉を使用しているようではアカンというわけだね。
また時代はクラウド、ということもあり「オープンソース + クラウド」の概念をいかに先進的に取り込むかもIT社会での賢い生き方になるのだろう。

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【余談、教育現場へのMac導入】

さてところで、iPod、あるいはiPhoneが多くの教育現場に導入されていることはたびたびニュースでも取り上げられているので周知のことと思われるが、Macが教育現場に広く使用されていることはご存じだろうか。(こちら
なお、昨年11月に地元静岡市が行った小学校向けのコンピューター、4,294台の一般競争入札で、全て富士ゼロックス静岡が落札したというニュースがあり、これには特定のメーカーを指定するような記載、あるいは特定のOS環境の指定が無く、どうもこれはMacの導入を示唆するものではないかとの話があった。
開けて2010年1月07日、静岡市教育委員会のサイトにはこの推測が正しかったことが示されている(こちら1)。
APPLE MacBook 2.26GHz 13.3インチ 250GB MC207J/AApple MacBook 2.26GHz 13.3″が各校平均40台、計4,294台を市内、小・中学校へ導入されるということらしい。
静岡市というありふれたどちらかと言えば保守王国の公立小・中学校がMacをねぇ〜。
時代の潮流も変わりつつあるということかな。
〆て、3億6千836万円ですって。
優れたマシンと優れたOS、しかも厳しい予算から調達するにふさわしいコストパフォーマンスということか。
教育委員会では次のように報じている。

これは、新学習指導要領の各教科の指導内容に示されている、授業に於けるコンピュータやネットワーク等の情報手段の積極的活用等に対応するものです。
・・・
来年度初めまでに整備予定の校内無線LAN環境等子どもたちを取巻くICT学習環境も変化していきます。

関連記事を漁ってみれば、この静岡市での英断について教師が運営しているBlogに「うらやましい」という記事があがっていた(MacT

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しかし、ボクの場合、このiMac導入にはいささかのためらいがあった。
昨年は政府によるバラまき政策でしかないと思っているエコポイントの実施で地デジ対応のTVが大いに売れたとのことだったが、多くの人がこれを奇貨としてそれまでより大きなサイズのTVを購入したようだ。
つまり「エコ」とは名ばかりの、かえって消費電力が増大する方へと大きくシフトしたのではないのか、という見方は頷けるものではある。
なんたるこっちゃ、というわけだ。
今回のiMac 27″導入という決断も同様の問題が孕むというわけだね。
果たしてボクのような使用環境において、これだけ大型のスクリーンが必要であったのか。
欲望と、エコ推進と、様々な行動規範において常に選択が迫られるというのがこれからの社会ということであるようだ。
ヘタレな俺だった。
今日から車は極力避け、自転車を磨き、脚を鍛えることにしよう。
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【Apple社の27日のイベントでは、さて何が…】

あ、それとApple社は “Come see our latest creation,”と記された招待状を発送し、27日にサンフランシスコ、Yerba Buena Center for the Arts Theaterで特別なイベントを開催することを正式に発表。
(Yerba Buena Center for the Arts Theaterといえば、昨年9月ににApple CEOのジョブズ氏が療養休暇後初めて公の場に姿を見せたところだね)
Appleイベント多くの関連サイトではタブレット型コンピュータを発表するだろうとの憶測がヒートアップしている。
下のビデオはこれを受けて「The Wall Street Journal」が公開したもの。
タブレットコンピューターを教科書として使うと想定したデモだね。
マルチタッチ画面搭載でiPhoneをでかくしたようなデザインだが、これはしかし想定の範囲内かな。もっと驚かせて欲しい。
ハードよりもむしろ問題なのは、新聞、雑誌、出版メディアとの連携がどこまで確保された状態でリリースできるかだね。(Amazon Kindle との競合問題も含め)
当然にもこの領域では日本国内での対応は多くの困難が待ち構えているだろう。
このタブレット型コンピュータだが、Amazon Kindleなどのような、いわゆるる電子書籍としてのカテゴリーになるのだろうと思われるが、日本国内においてはiPhone国内上陸時のキャリア、携帯電話端末製造業側の〝黒船襲来〟といった受け止め方と同様なものになるだろうね。
国内出版社21社は「日本電子書籍出版社協会」(仮称)を来月にも結成し、対応策を講じていくという。
著作権の権利保護という側面からは大きな荒波が押し寄せることになるだろうから、ぜひ良い解決策を編み出して欲しい。(毎日jp
ただ懸念されるのはメディア界、新聞・雑誌・出版、ともに既存の力量、影響力が大きく削がれてしまっているにも関わらず、過去の栄光と、既得権益にしがみついて、Amazon、Appleとの契約を頑なに拒むとこと。
これはしかし現実的な判断ではないだろう。
押しとどめようがないIT社会の進化と市場の欲望を封じ込めることなど土台無理な相談というもの(米国内の主要メディアはむしろ積極的に対応してくるだろう。一方このことは中小のメディアは立ちゆかなくなると言う陰の部分があることを意味し、これは知っておかねばならない重要なことなのだが)。
新しい市場創出へとおつむを転換していかねばガラパゴス状態に甘んじることになる。
iPhoneの国内上陸はアメリカに遅れること1年だったが、さて今度は果たしてどうだろう。

《関連すると思われる記事》

                   
    
  • いつも楽しく拝見致しております。
    木工 + Macで辿り着きました。
    アップルワークスでお困りの方がここにも。。。私もiworkの縦書き、そろそろじゃないかと期待しております。
    さて、アップルワークス on 10.6 ですが、私のMac(intel)でも動いてますよ。
    現在はあまり使うことが無いので、不具合あるかもしれませんが、一応は動作しているみたいですよ。もし、お持ちのアップルワークスがクラシックのバージョンでしたら、アップデータで対応するらしいです。その際は起動時にロゼッタで動くみたいです、なので、結構緩慢な動作です。
    もしよろしければ、お試し下さい。
    アップデータのリンクを張っておきます。
     時節柄、お体ご自愛下さいませ。
    http://www.apple.com/jp/ftp-info/reference/appleworks629formac.html

  • 匿名さん、コメント感謝です。
    Appleworks インテルでも動いていますか。
    インストールしちゃいましょうか。(アップデータ情報ありがとうございます)
    クラリスワークス > Appleworks と続いたApple社のオフィススイーツですが、ワープロ、表計算、ドロー、ペイント、データベース、プレゼンテーションの6つから構成された美味しいソフトでしたよね。(因みにiWorkはワープロ、表計算、プレゼンテーションの3つだけ)
    それだけにまだまだ有用なソフトのような気もします。
    iWork > pages の縦書き、
    今回の iMac購入で購入額の19%がポイント還元され、それを iWork’09にも投資しようと考えたのですが、たまたまその店頭では在庫切れ。
    結局次期バージョンリリースまで待つことに。
    仰るように、ここでは「縦書き対応」を期待したいものです。
    次回はペンネームで結構ですのでぜひ名前を付けてコメントください。
    ありがとうございました。

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