ハイリゲンダムG8・京都議定書・違法伐採
6日からドイツ、ハイリゲンダムでG8主要国首脳会議が開催される。(公式サイト)
既に多くのメディアが報じているように、G8・Heiligendamm2007の最大のテーマが「地球温暖化問題」だ。温室効果ガスの増大の一途にどう歯止めを掛けるのかが議論されるが、各国の利害関係、それぞれの政権基盤などにも影響され、どこまで踏み込んだメッセージが出されるかは不明ながらも、これまで京都議定書からの離脱を宣言していた温室効果ガス排出最大のブッシュ米国が、「京都議定書の枠組みが必要だ。『京都』後の世界に対応する一つの方法を提案した」(サンケイ)と、ゴア元副大統領もびっくりの環境保護政策へとシフトチェンジしてきているので、議長国ドイツのメルケル首相のリーダーシップにもよるが、恐らくは何らかの実効性を伴うメッセージが出されることは必至だろうと思う。
来年は洞爺湖サミットが控えている。
日本の前のめりになった環境保護政策へのより強い指導性の発揮も必至か?
ネオリベの信奉者ブッシュまでもが環境保護政策を唱えざるを得ないところまで世界は動いてきているということに、あらためて自然有機素材を主材とするボクの仕事においても無関係な顔つきも出来ないなと一人ごちる。
先週のニュースでは北洋からのカニ漁獲の日本向け輸出は大幅な削減も必至、というのがあった。この冬からはもう半端な価格ではカニは食卓には上がらないだろう。
カニだけではないゾ。楢、樺、タモ、などの北洋材も同様と知るべき。
既に昨年末にはプーチンは北洋材の違法伐採はやらせない、と大きく自然保護へと政策転換を図ってきている。
中国などとっくに(4000人以上の死者を出した史上空前の長江大洪水災害以降)自国の森林からは伐採させずに大規模な植林を進める一方、もっぱら海外から材木をめちゃくちゃな規模で買い付けている(それらの国では一層違法伐採が増加しているのだが)
「持続可能な森林管理」へと地球規模で大きく政策転換が図られつつあるという時代の精神に鑑み、俺たちゃどうすりゃいいのさ、と右往左往しているばかりではいけないんだがね。
はてさて。
*北洋材の違法伐採問題はなかなか困難な問題
その多くは中国へと流れていく。日本一国がフェアトレードしても解決が付く問題ではない。
中国は違法であろうが何であろうが材木の需要は急速に伸張しているのでマフィアから買い付けすることもへとも思わない
極東シベリアの少数民族の貧困問題というものも底流にあり、違法伐採問題は社会的に組み込まれてしまっている構造的問題という視点が必要。
ハイリゲンダムG8においては欧米首脳とプーチンの対立は必至(高圧的な資源外交や国内反体制派の弾圧強化への風当たり)の情勢
*参照
■ ドイツG8サミット ハイリゲンダムで来月6日開幕 温暖化対策 どう結束(東京新聞電子版)
澤田
2007-6-4(月) 12:37
昨日、工房を訪ねました浜松の澤田です。
お忙しいなか(または貴重な休日に)お時間をいただきありがとうございました。
貴重なお話をたくさん聞かせていただき、まさに時間のたつのも忘れておりました。
とても充実した時間、出会いをいただけたことに妻ともども感謝しております。
帰りは下道で、森町を経由して帰りました。
たまたま立ち寄った小国神社境内の立派な杉を見ながら
「見せてもらったクラロウォールナットの原木もこれくらいの太さがあったんだろうね」などと
また妻と感慨にひたりました。
そうそう、紹介していただいた蕎麦屋にもよってきました。
我々にはちょっと高価で、ちょっと量が(おかわりしても)足りなかった^^;のですが
抜群におしかったし、お店のたたずまいも最高でした。
このブログはもちろん、また工房にも訪ねさせてください。
ありがとうございました。
acanthogobius
2007-6-4(月) 12:47
10年ほど前、稲本正氏の講演会の中で彼が中国の森林を
視察した時の印象として、「中国人の中に明日のことを
考えている人はほとんどいない。明後日のことを考えている
人は誰もいない」と言われていたのを覚えています。
その結果が今の現状ということができるかもしれません。
国産材が値上がりしていると聞きます。しかしここまで
林業従事者の減少や高齢化が進むと、なかなか国内林業の
復活は難しいでしょうね。
日本もスギ、ヒノキ一辺倒ではない明日を考えた林業は
できないものでしょうか。
artisan
2007-6-4(月) 21:10
澤田さん コメントいただきましてありがとうございます。
こちらこそ楽しい時間を頂きまして感謝しています。
やや前のめりな話で辟易したのではないですか?
小国神社の杉木立はすばらしいものがありますね。
伊勢神宮の参道にも負けないほどの荘厳で静謐な空間です。
宮本さん(籔蕎麦)の蕎麦は絶品でしたでしょう。
どうぞまたお気軽にいらしてください。
素敵なワインをありがとうございました。
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acanthogobiusさん、稲本さんの発言がどのような脈絡で語られたかは判りませんが、中国の環境政策、産業における炭素エネルギーの浪費問題をポスト京都議定書の枠組みに取り込むことなくしては、一切の議決も実効が伴わないと言うことになることは間違いないところですね。
日本においても先の緑資源の官製談合に見られるように森林政策が食い物にされる荒廃した現状は目を覆うばかりです。
どのような未来を描くかは、ボク達の賢明なる見識の獲得と、異議申し立ては勿論ですが、日本の木材活用による良質な家具作りを通して訴えていきたいものですね。
くさらず、がんばりましょう。 ← 自分への言葉 (-。-;)