工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

薫風と、四川大地震

乾湿計薫風(くんぷう)、早苗月(さなへつき)、橘月(たちばなつき)晩春、新緑、五月雨(さみだれ)、五月晴(さつきばれ)
いずれも皐月5月の異名、季語。
さわやかな陽気だ。何をするにも快適な季節。
もちろん木工職人も快調。
工房の寒暖計、乾湿計の針はそれぞれ24℃、35%を指している。
いつまでも、いつまでも、この心地よさを ! などと不埒なことを口走ると田植えが始まったばかりの農家に叱られる。
しかし新聞、TVを見ればたちまち憂いは深くなる。世界はいつも非対称。
中国四川省の大地震。伝わってくる被害の様子は、目を覆うばかりの悲惨なものばかり。
がれきの下にはいまだ1万人を越す人々が救援の手を待ち望んでいると言われる。
犠牲者への哀悼の意を表すとともに被災者への心からのお見舞いを申し上げたい。
まずは人命救助が最優先されるが、今後、被災地の復興問題に留まらず、様々な領域において多くの問題が噴出するのではとの懸念は強い。
8月には北京五輪を控えているが、中国当局としては国威発揚を大きな眼目としている以上、無論予定通りに開催するだろう。
既に一部ではダム、貯水池が「危険なレベルの亀裂」が生じているとの報道もある(AFP BB News)。
この地域は少数民族が多い地域と言うこともあり、もともと貧民が多いとのことだが、中国民衆の人心の不安定化に繋がらねばと願うばかりだ。
このところ、米国の経済状況の低迷のあおりを受け、中国経済の指標も下落傾向。
多くの工業生産拠点を失い、農地の埋没なども含め、穀物高騰、エネルギー高騰という世界経済の不安定化をさらに加速させる要因にならなければよいのだがと思う。
先の胡錦濤主席の日本公式訪問においてあらためて確認された「戦略的互恵関係」の発動としての緊急の国際的支援を行ってもらいたい。
昨日、消防隊員ら17名を成田にスタンバイさせたものの、中国側の受け入れ態勢の不備などで、見合わせてきていたが、今日になってやっと日本からの国際緊急援助隊を受け入れることを表明した。
今夕に30名、明日さらに30名、計60名規模のチーム。
消防、警察、海上保安庁、国際協力機構(JICA)などで編成される。
今後、被害状況が詳らかになれば、さらにこの規模を拡大して支援態勢を再構築すべきだろう。

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